1.コース解説・ラップ分析
関屋記念 過去5年の平均ラップ
12.4 10.9 11.3 11.5 11.4 11.5 11.0 12.1
馬場が悪化しない限り高速決着になる可能性が高いレース。
中盤が緩みもなく流れると隊列は縦長となり、前の馬がそのまま粘り込んで好走することが多い。
参考までに過去10年の逃げ馬の複勝率は40%。4角3番手以内で立ち回った馬の複勝率は約36%もある。
なので、先行力と基礎スピードのある持続力型を狙っていきたい。
新潟外回りなのでトップスピードが高いに越したことはないが、基礎スピードを武器に持続力で粘り込めるタイプを関谷記念では重視していきたい。
ただし、道悪になって時計が掛かるなら、基礎スピードよりもタフな持続力を活かせるタイプの馬に考えをシフトしたい。
3.全頭診断
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
アトミックフォース
アンドラステ
ウインイクシード
持続力と先行力を活かして前で受けるタイプの馬。
決め手がないので、展開やトラックバイアスが向いた時に結果を残しやすい。
大崩れはないがハマらないと掲示板付近になってしまうのは七夕賞や福島記念の通りだろう。
前走の関越Sは、スロー前有利のトラックバイアスがイン前に働いた関係もあった2着。
今回マイル短縮は忙しいが、馬場が渋って誤魔化したいところ。
展開が向いてしまえば粘り込めるだけの能力はあるので、極端に時計の掛かる馬場なら抑えは必要なタイプ。
カラテ
トップスピード戦よりもタフな馬場や展開に強いパワータイプ。
走法的にも道悪巧者なのは頷ける。
ただし東京新聞杯の内容は強く、直線詰まりながらもL1手前で抜け出してからは加速ラップ。
個別だと(11.3-11.4-11.3)程度であるが、中山適性が強い馬なら10秒台前半のラップでL3入ったのならスピード性能的に詰まり込みでもL1加速は難しく、カラテがこのラップを踏めたのはポテンシャルの高さと見て良いだろう。
これらのことからも11.3程度の脚を持続させる能力があり、東京でもTS戦にならなければ対応可能と見て良い。
ただしベストは中山で、若潮Sは中間緩まず4角位置を上げながらラスト(11.6-11.1)を出せた点はかなり強い内容。
今回新潟外周りとなるが、東京の持続力戦が対応可能なように、馬場が渋れば適性圏内。
前走の安田記念はさっぱりだったが、中間挫跖で予定していたレースを見送り、在厩して蹄の治療をしながらの中間で調整不足。
状態面に関してはしっかり確認しておきたいところ。
クリスティ
この馬はストライド走法で、トップスピードは高くないが持続性能に優れている。
つまり上がりの掛かる条件を前で粘り残すような競馬がベスト。
六甲Sは自ら逃げて、稍重馬場で後半上がりの掛かる消耗質戦を粘り残してのOP勝ちとなった。
また、評価したいのは5走前の中京。
2.3着の馬が内で立ち回る中、クリスティだけ外を回し持続力で粘り切った。
中京のコーナー角を考えれば、コーナー外の負荷はラップ的にも大きく、かなり強い内容だった。
このように中間淀みなく流れても、後半上がりの掛かる条件なら粘り残せることがこの馬の強み。
今回雨で馬場が渋るのであれば、基礎スピードを誤魔化して前で粘り残せるチャンスはある。
グランデマーレ
サトノアーサー
関谷記念を勝ったときも外枠だったが、最後方インで壁を作って折り合えたことが大きい。
京都金杯を見ての通り、外枠から壁を作れず折り合いを欠いており、前に壁を作りたいタイプの馬。
また、この馬はトップスピード戦よりも上がりが掛かるレースや馬場で誤魔化したいタイプ。
3F戦だとキレ負けするので、スピードの分散する4F戦で且つ上がりが掛かる展開が望ましい。
東京新聞杯は展開としては良かったが、時計の速い馬場で前が止まらなかった点で追い込み切れなかった。
昨年勝っている舞台で雨が降るとなれば適性は高いが、7歳馬になっての長期休み明けなので、走れる状態にあるのか確認は必要。
シャドウディーヴァ
右回りだと内にモタれる面があり、ベストが左回りなのは有名な話だが、昨年のクイーンSでは真っ直ぐ走れており成長を感じる。
クイーンSはワンペース持続ラップの中、L4から動かし始め長く脚を使っての着差なし4着と距離ロスを考えたら十分な内容だし、持続性能を高く評価できる内容。
東京新聞杯はL3で最速が踏まれ、以降は持続力比べとなり、道中折り合いを少し欠きながらもラストまで長い脚を使えたことからも、ベストは18~2000mのパワー馬場で持続力勝負。
パワー馬場に関しては、府中牝馬Sのパフォーマンスを評価したい。
このレースのラスト3F内のどこかで、加速ラップ(個別)を踏めたのはサラキアとシャドウディーヴァだけ。
そのサラキアには完敗だったが、後のエリ女2着、有馬記念2着馬なら相手が悪かったし、L2をサラキア以外で唯一加速ラップを踏んで食らいついた内容は評価しなくてはならない。
不良馬場の中山牝馬Sでも、スタート後接触で後方となり折り合い欠きながら5着と、評価通りでやはり道悪やパワー馬場に適性は感じる。
前走はベストとは言えない内回りの舞台で、斤量55を背負いながら自力の高さは証明した。
今回左回りで持続力の活かせる舞台。
高速馬場なら少々嫌ったが、馬場が渋って時計が掛かるなら得意条件となる。
休み明けは走るタイプなので、条件替わりで得意な臨戦ともなれば期待は大きい。
ソングライン
ソッサスブレイ
去勢明けのメイSは大幅に馬体を落として本調子ではなかったが、巴賞から調子は上向き。
関越Sではラスト2F程逆手前だったが脚色は衰えておらず、持続力の高さを証明した。
ある程度前が有利な展開だったが、しっかり10番手から差し切れた点においても評価していい内容だし、サトノウィザードに着差0.2秒。
その他、ウインイクシードやワンダープチェックとやり合えたのは相手関係的にも評価できる。
平坦大箱の持続力勝負は適性圏内だと思うので、去勢明けでようやく調子の上がってきた今ならチャンスはあっておかしくない。
ハッピーアワー
パクスアメリカーナ
ブランノワール
京都牝馬Sは基礎スピード足りずも、中間一度緩んだ先行馬不利で差し展開を、後方外でスムーズに加速を付けて差してきた。
ストライド走法なことからも、外で加速を付けられた点や展開の恩恵があった3着。
基礎スピード的にもベストは14ではなくマイルだろう。
リゲルSでは、加速部での進路カットが加速に響きラスト詰め切れなかったと見ているので、やはりギアチェンジの質が低く、コーナーからスムーズにギアを入れていきたいタイプ。
今回距離延長となるのは良いが、良馬場がベストなだけに馬場が渋った場合がどうか。
プールヴィル
この馬はストライドが大きくギアチェンジ性能よりも持続性能に長けているタイプ。
阪神牝馬Sでは、スムーズに好位の外を回って直線追い出したが、ギアチェンジ不足で抜け出せず、トップスピード不足で差し切れない形となり適性負け。
また、昨年の阪神牝馬Sは7着だが、4角~直線詰まりで加速部で加速できなかったことが致命的。
それでも3着馬に着差0.2秒と着は詰めており、能力の裏付けは十分取れる内容であった。
ヴィクトリアマイルに関しては物足りない内容だったが、中距離質系の条件になってしまいガス欠という考えでいる。
ベストが14質系なだけにマイル延長はマイナス要素。
ベストアクター
マイスタイル
ピッチ走法で、先行して小足を使って抜け出すような競馬が良く、直線が長い舞台はあまり合わない印象。
単騎で行けるだけのテンの速さはあるので、逃げてどこまでだが、馬場が渋ってタフな新潟になるなら少々手を出しずらいタイプ。
ベストな小回りで狙いたいタイプの馬なので狙うならその辺りかと思う。
また、揉まれ弱いタイプなので理想は外先行or逃げ。
ミラアイトーン
昨年の関屋記念もペースが流れた中、持続力で粘り込み5着は十分戦えており、適性面は示している内容。
ニューイヤーSでも、基礎スピードと立ち回りを活かし着差なしの3着と、やはりこの形がベストだろう。
となると、基礎スピードと持続性能で立ち回れた昨年の5着が限界値のようには思えるので、馬場が渋ってスピードを誤魔化したいところ。
ラセット
前崩れの展開が良く、ペースが流れるタフな14質寄り、もしくは超高速馬場で追走に苦労せず馬郡凝縮で差し届く状況で右回りがベストだろう。
単純に溜めてのトップスピード比べだと、先行力的にも使える脚的にも後方からでは届かないのは、3走前のリゲルSを見ての通り。
左回りは、4走前の中京でL1付近で逆手前でふらつき伸び切れず、過去にもう1つ左の中京で走った時も手前変換はスムーズではなかった。
ちなみに京成杯AHでも直線手前が変っているが、ぶつけられバランス崩しての変換なので右回りによるものではない。
ロータスランド
逆に中京記念のようなロングスプリント系のスピードが求められた持続力勝負で重賞メンバーでは、スピード不足な面を後半見せたので上がりは掛ったほうが良い。
またパワーのあるタイプなので平坦よりも急坂条件の方が良いように思える。
雨が降ってタフな新潟になるのであれば、上がりが掛かるので最低限の適性は満たすと思うが、ピッチ走法なことからも平坦で直線長い新潟は少々疑問が多い。
4.想定テン1F順位 & 適性値ベスト3
※テンの速さはあくまで想定です
12.1 クリスティ
12.3 マイスタイル
12.4 ミラアイトーン
12.6 アトミックフォース
12.6 ウインイクシード
12.6 ソングライン
12.7 アンドラステ
12.7 グランデマーレ
12.7 ロータスランド
12.8 カラテ
12.8 パクスアメリカーナ
12.8 プールヴィル
12.9 ベストアクター
12.9 ブランノワール
13.2 シャドウディーヴァ
13.2 サトノアーサー
13.6 ラセット
13.7 ハッピーアワー
※適性値はあくまで適性の値であり、期待値ではありません
96.0 ソングライン
93.5 グランデマーレ
91.0 アンドラステ・アトミックフォース・パクスアメリカーナ
5.最終予想【★★★☆】
◎ 5アトミックフォース
〇 3シャドウディーヴァ
▲ 11ソングライン
☆ 14クリスティ
△ 1.8.9.13.15.18