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この記事ではエプソムカップを適性チャートを使用して全頭診断していきます。
よろしくお願いします。
1.コース解説・ラップ分析
エプソムカップ 過去5年の平均ラップ
12.8 11.2 11.8 12.0 11.9 11.8 11.2 11.3 11.8
※2020~2018年は道悪開催のため含まず、2017~2013年まで
基本的にはスローからの瞬発力勝負。
中間は12秒近くまで緩みL3でギアチェンジが求められるトップスピード戦。
ペースも落ち着くので、基本的に逃げ先行馬が有利で、基礎スピードを活かしてポジションが取れるマイル路線からの延長組が良馬場条件だと好成績。
実際に前走からの距離延長馬(5-3-1-35)に対し、距離短縮馬(1-3-5-51)と距離延長組が優勢。
前走マイルだった馬は(4-3-1-26)で、前走1800m、2000m組より、勝率、連対率、複勝率全てで上回っている。
枠もスタートしてすぐ2角カーブの為、内枠が有利になる傾向。
ただし今年は外差しが目立つ東京開催なので、土曜の馬場やメンバーを考慮して考えたい。
気になるデータとしては4歳馬の成績が異常なくらい良い。
過去10年(8-6-2-14)で勝率26.7%、連対率46.7%、複勝率53.3%。
2.想定される展開&馬場の適性予想
逃げ馬不在だが、先行馬は揃い、ある程度ポジションを取れる馬もいる。
ドスローというのは想定しずらいが、後傾ラップにはなるだろう。
土曜の馬場がどうなっているのかも重要で、外差し継続なら騎手心理も前に行かないのでスロー濃厚と見るのが妥当だろう。
スロー~平均で後半スピードが求められる形を想定。
土曜の馬場は傷んだ内が嫌われ、先行馬が直線内を空けるような光景だった。
外差しと見て良いが、スローで落ち着くのであれば先行馬が馬場の良いところに出せる関係で先行馬不利にはならないだろう。
また、上がり性能が求められる馬場状態であり、その点は抑えておきたい。
今回求められる適性
①トップスピード
②瞬発力
3.全頭診断
※適性チャートは当日朝までに更新します。
1枠1番 プレシャスブルー
あまり速い脚は持っていないが、昨年の新潟大賞典を上がり最速で3着に突っ込んできたように、長く脚を使えるタイプだろう。
昨年はその後馬体重を落とし続け結果が伴わなかったが、放牧に出て立て直した前走は2着と好走。
道悪の方が良いという意見もあるが、それはスピードが誤魔化せるからであり、良馬場でもスピードが分散される4Fにでもなればチャンスはあるはず。
状態面も引き続き良好みたいなので、内枠ネックではあるがポジション取ってスムーズなら。
適性評価:B
能力評価:B
総合評価:B
1枠2番 マイラプソディ
復活の兆しは見せてきているが、前走はドスロー前残りの前残りを詰められての2着。
マウントゴールド相手に勝ち切れなかった点も含め少々物足りなさを感じる内容。
ただし、大阪城Sからは馬自体かなり良くなってきた印象で、3歳春の共同通信杯では持続力はあるのにラスト脚が上がっていたり、皐月賞も4コーナーで終わっていたりと、気持ち面だったのか全く走れていなかった。
それが最近になってしっかりと走るようになってきたのは復調気配と見て良いだろう。
本質的にはストライドの広さを活かし、中距離で持続性能を活かすような競馬が合うと思うので、スローで落ち着きやすい今回は展開的にはいいが、スピード比べでは少々分が悪いので今回は静観。
適性評価:B
能力評価:B
総合評価:B
2枠3番 ヴェロックス
持続力に優れた馬で、ダービーではサートゥルナーリアを差し返しての3着。
瞬発力+トップスピード戦になった神戸新聞杯でサートゥルナーリアに惨敗したように、スピードが分散される形が良い。
ただし上がりが掛かる持続戦では小倉大賞典のように合わない印象で、トップスピード寄りの持続戦が好ましく、ダービーや皐月賞のように高速馬場寄りの方がパフォーマンスは上げてくる。
日経新春杯も5F戦になってしまい、後半は上がりが掛かっての先行競馬。
シチュエーション的には小倉大賞典に似たような展開であった。
今回距離短縮となるが、先週同様マイルでも中距離馬が活躍しやすい馬場状態ならチャンスはあっていい。
休み明けでも動ける状態であれば、良馬場条件で巻き返しがあっても。
2枠4番 セダブリランテス
ストライドが広く、中距離路線の持続質の競馬で結果を残していた馬。
前走の高速マイルを番手で立ち回れたのは評価していいが、後半上がりが掛かる展開を前目で粘り込むような競馬がベスト。
今回延長なのは良いが、良馬場条件でスローからのスピード比べとなると足りなくなるイメージは持っておいたほうが良い。
上がりが掛かって立ち回りが活かせる中山で良績を残しているのはそのためだろう。
東京で行われたアルゼンチン共和国杯で3着に好走しているが、上がりの掛かる持続力戦となり3着に残しているので、スピードが必要とされなかったレースでの好走ではなかったので、ここで東京適性は語れない。
適性評価:C
能力評価:B
総合評価:C
3枠5番 エアアルマス
揉まれ弱い馬で、前走は内枠から向こう正面で接触があったりと、馬郡で理想の運びが出来なかった。
敗因をここだけに求められるか難しいところだが、そもそも芝良馬場ではスピード不足なイメージ。
またダートでは機動力を活かした好走が目立っており、東京ではその良さは活かしずらい。
そして今回内枠多頭数と、条件的にも厳しく、かなりやりずらい枠に入ってしまった。
3枠6番 ヒュミドール
ステイヤーズSでは、例年よりも超ドスロー戦。
L5から加速し、外を回した馬はコーナー外の不利もあり、イン前で立ち回った馬がそのまま好走。
特にL3(11.4-11.4-12.4)と後半スピードが問われた中で、上がりを使って追い込めたのは強く、上位との差は位置取りと考えていい。
ノーベンバーSでもL3(11.2-11.2-11.7)に対応しての勝利で、後半スピード戦に高い適性を示している。
ダイヤモンドSは、後半スピードが問われたが、かなり持続的な脚が要求され、瞬発力>持続力のヒュミドールは後半厳しくなり5着と負けた。
日経賞は4着と負けはしたが、3角不利を受けたり折り合いを欠いた中で最後まで脚は使えている点は評価したい。
これらのことからも、この馬はピッチ寄りの走法で機動力に長けたタイプなので、内回りで小足を使うような形がベスト。
速い脚は使えるも短いので、東京の舞台適性はあまり評価したくない。
4枠7番 ファルコニア
3歳前半はトモの緩さを見せており、晩成傾向が見えた若駒時代だったが4歳になって連勝と成長が伺える。
ベストは中距離だろうが、スローで追走力が求められないなら近2走のパフォーマンスを見る限り問題ない。
溜めてからの瞬発力を活かすタイプで、先行力を活かし好位で溜めることができれば、ここでも通用するだけのポテンシャルは秘めているだろう。
ただし、直線で手前を変えてしまう癖があり、手前替えで段階的に加速してくるタイプでもないので、この辺りが出ると重賞では足りなくなってしまうかもしれない。
4枠8番 アルジャンナ
大トビで持続性能に長けている一方、ギアチェンジの質は高くない。
きさらぎ賞がわかりやすく、加速部で置いて行かれゴール前で差を詰めている。
つまりギアチェンジで後れをとったが、持続性能で詰めたということ。
スローからのギアチェンジ戦にならなければ大箱東京は向くだろう。
ただし、前走マイラーズカップでは、詰まらなければケイデンスコールを差し切っていた可能性が高い好内容。
このレースは前半33.3秒のハイペースで14質系のレースになったが、その分ギアチェンジが問われなかった展開利もあったし、その前走の洛陽Sで折り合いを欠いていたことを踏まえると、体感的に距離短縮のようになった前走はかなり向いた。
それを踏まえると、今回の1F延長は体感的に2F延長のような感覚で、折り合い的にも課題となるだろう。
また最近の東京開催は外差しが効く馬場で、マイル戦でも18~2000mの馬が好走しているように中距離馬が活躍している。
アルジャンナの基礎スピードを考えたら18~1600m>1400mではあるが、折り合いという課題がある以上、距離延長に関しては頭には入れておきたい内容ではある。
5枠9番 ヤシャマル
頭が高く飛ぶように走る馬で、走法的にもトップスピードはそこまで出ない印象。
というのは、これまでの成績を見ていて納得するところはある。
とはいえストライドがそこまで広いわけでもなく、これまで瞬発戦に対応は出来ているが重賞で通用するスピードがあるかと問われると足りないイメージ。
これまで条件戦でよく起こる緩んだ流れしか経験しておらず、今回前半はスローでも後半長く脚を使う展開になった時に、相手強化でどこまで通用するかだろう。
東京で良績を集めてはいるが、そもそも東京をたくさん走っているからだろう。
かといって器用なタイプでもないので、大箱は合うのだが、相手強化でどこまでといった印象。
5枠10番 ワンダープチュック
メイSは中間中弛みするも、後傾質で中弛み区間で後続が詰められず縦長寄りの展開になってしまったことにより、差しが届かず前が残ってしまった。
展開的に厳しかった内容で、付近にいたアブレイズとはギアチェンジとスピード性能の差だろう。
そこまで悲観する内容ではないが、後方からだと少々パンチ不足なのが物足りなさを感じる。
年齢的な関係か、以前よりズブさも見せてきているので、上がりが掛かり前が潰れる展開の助けは必要だろう。
前走の内容は悪くないので、ここもチャンスはあって良さそうだが、ハマれば。
6枠11番 ニシノデイジー
速い上りを出すというよりか、タフな馬場で追い込んでくるようなタイプで脚はそこまで速くない。
もともと気性が前向きで、そこの課題が大きい馬だったのだが、最近その前向きさが見られない。
それが結果に繋がっていればいいのだが、走りを見る限り、あまり良い意味ではない方で気性の前向きさが無くなってしまっている印象。
見送り。
適性評価:C
能力評価:C
総合評価:C
6枠12番 ミラアイトーン
立ち回りと基礎スピードを活かした持続力がこの馬の長所だろう。
キャピタルSでは、中間流れた展開を番手で運び3着に残す内容。
重賞で好走経験のあるピースワンパラディと着差0.2秒、ロードマイウェイと着差なしは相手関係的にも評価でき、基礎スピードと持続力の評価にも繋がる。
関屋記念もペースが流れた中、持続力で粘り込み5着は十分戦えている。
ニューイヤーSでも、その基礎スピードと立ち回りを活かし着差なしの3着と、やはりこの形がベストだろう。
となると、今回の延長+基礎スピードがアドバンテージになりにくい今の東京だと、この馬の良さはあまり活かせない。
前有利が顕著な馬場なら抑える必要はあると思うが、後半のスピード比べでは劣るだろう。
7枠13番 サトノフラッグ
機動力で捲って持続力で押し切るような競馬がベストで、となると中山外回りの良績は頷けて、ストライドが広く内回りよりも外回りがベストだろう。
トップスピードに関しては、あまり評価できるものがなく、後半12秒台前後のラップが続くようなロンスパ戦がベスト。
先行力がないので、後半11.5~11.0が刻まれるようならスピード不足になる可能性があり、良馬場東京でペースが落ち着きやすいとなると条件はあまり良くない。
今回は高い評価はせず、適性舞台で狙いたい。
適性評価:B
能力評価:A
総合評価:B
7枠14番 ガロアクリーク
これまで中山に良績があつまっているが、そもそも中山向きではないのでは?というのが個人的なイメージ。
この馬は溜めて高いトップスピードを引き出す馬で、スプリングSの内容はまさにそんな内容だった。
皐月賞3着も、キメラヴェリテが飛ばした影響で前傾ラップではあるが後続はスロー。
上手いこと溜めが効き終いの脚で3着に追い込めた内容。
ストライド寄りの走法で、これまでのレースを見返しても器用さが目立った内容はなく、キンシャサノキセキ産駒らしく脚長で少々不器用なイメージ。
ダービーでは6着と追い込み切れなかったが、3.4角詰まって加減速もあったし、適性的に合わなかったわけではない。
むしろサトノフラッグ比較だと、上がり時計はこちらが上で、トップスピード値ではこちらの方が高い。
久々の東京だが、このメンバーなら溜めは作れそうで、これまでの外差し東京であれば条件は良い。
不安要素は臨戦過程。
本来であれば都大路Sで一叩きしてここに臨む予定が、右前肢跛行のため回避した影響がどこまであるかだろう。
状態面は気にしたい。
7枠15番 ザダル
得意条件は大箱良馬場のトップスピード戦。
3走前のメイSでは3着と敗れはしたが、直線逆手前のままで上がり最速33.2秒は立派で、順手前なら楽に差し切れていただろう。
毎日王冠でも道悪条件で力を出し切れていないが、2.3着馬に着差0.2秒と負けていない。
今回は良馬場条件で行えそうで、大箱+前半が緩みそうな展開はベストな設定。
昨年の毎日王冠から半年以上空いてはいるが、間隔の空いた臨戦は苦手ではないのでそこまで気にしていない。
トップスピードが求められるのであればG2~G3重賞では上位の存在だと思うので、ここは期待したい。
8枠16番 シュリ
ピッチ寄りの走法で器用な競馬が出来る反面、気性が前向きなので立ち回りが上手い訳ではないが、走り自体には機動力を感じる。
良馬場ベストでスピード性能も高いタイプ。
ただし気性が前向きで基礎スピードがそこそこ高いとなると、楽に逃げてしまった前走からの1F延長というのは少々気になる点。
どちらかと言うと短縮で買いたい馬で延長は嫌うが、折り合ってしまえばスピード性能はあるので可能性はなくはない。
8枠17番 アドマイヤビルゴ
ストライド走法でスピードを持続させる性能と、トップスピードがそこそこ高いのがこの馬の得意条件だと思う。
となるとベストはロングスプリント競馬。
タフな展開になった京都新聞杯は完敗。
少々早仕掛けも影響したが、ラップ的にコーナー外の不利は少なく、道中ポジションを上げたファルコニア(3着馬)には完敗。
アンドロメダS以外の3勝は全てトップスピード戦で勝利していることも踏まえると、タフなレースよりトップスピード持続戦のロングスプリント競馬の方が望ましい。
日経新春杯はL6からラップが速くなった、後半タフ寄りの持続力比べで上がりも掛かっていた為適性外。
直線のガス欠はスタミナ的要素で劣ったものと考える。
大阪杯も道悪消耗戦で度外視可能なレース。
今回更に短縮して1800mとなるが、ペースがそこまで上がりそうにない今回のメンバー構成なら、そこまで忙しくはならないだろう。
仮に忙しくなっても、中距離馬が足りてしまう今の東京なら短縮に関してはあまり気にしていない。
8枠18番 アトミックフォース
2.3.4走前は道中速くなってしまったラップ。
前が厳しい展開で度外視しでいいだろう。
この馬はストライド走法で持続性能に長けており、軽い良馬場でパフォーマンスを上げてくるタイプ。
機動力競馬ではなく、長い直線で持続性能を活かすような走りが合うので、東京での好走歴に繋がっているのだろう。
メイSでは道中フランツに端を奪われる形でも3着に残したのは内容的には悪くない。
今回のメンバー構成なら端は楽に切れそうで、スローから長く脚を使う展開を作れれば面白い。
土曜の馬場も要注目。
4.最終予想
◎ 15ザダル
〇 8アルジャンナ
▲ 17アドマイヤビルゴ
☆ 14ガロアクリーク
△ 1.10.18