1.コース解説・ラップ分析
ダービー卿CT 過去5年の平均ラップ
前後半3F(34.9-35.0)
12.4 11.1 11.4 11.4 11.5 11.4 11.7 11.9
下り坂スタートからゴール前まで下りが続くため、終始11秒台中盤以下の速いペースで流れ続けるレースで、上級条件になればなるほど1400m質の基礎スピードが求められやすいコース。
良馬場開催のダービー卿CTは1400m質だと思っていい。
その為瞬発力は求められず、基礎スピードと持続力が求められやすく、1400質のスピードを持続できる馬の適性が高い。
また、1400m質という点で特に結びつきやすい舞台は阪神1400m。
同じ右回りでスタートして下り坂→直線急坂という点で、ラップの出方もコース形態も非常に似ている。阪神1400m実績にも目を付けて見ると良いだろう。
①持続力
②基礎スピード
③機動力
2.全頭診断
※枠順や追い切りの評価なしで、馬の適性をフラットに表した物ですので参考程度までに。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
アトミックフォース
前走も前々走も3走前も道中速くなってしまったラップで、前が厳しい展開で度外視しでいいだろう。
この馬はストライド走法で持続性能に長けており、軽い良馬場でパフォーマンスを上げてくるタイプ。
機動力競馬ではなく、長い直線で持続性能を活かすような走りが合うので、東京での好走歴に繋がっているのだろう。
中山16では機動力や基礎スピードでは足りず、馬場も高速ではないので適性面で推せる材料が少ない。
ウインカーネリアン
2走前は前傾質の逃げをして14質競馬となったが、それを逃げ粘って2着確保なら十分強い内容だし、1着のカラテは次走東京新聞杯の勝ち馬でもある。
2走前(12.5 – 11.2 – 11.2 – 11.4 – 11.5 – 11.6 – 11.1 – 12.4)このラップを逃げて残せるなら、ここの適性も文句はない。
前走は内枠・直線向かい風・イン前バイアスと向いた形にはなるが、番手から前半34.3秒(12.4 – 11.0 – 10.9 – 11.2 – 11.5 – 11.5 – 11.4 – 11.9)に対応し、14質のスピードと持続性能を証明している。
内枠を取れれば嫌う要素が少なく、強いて言うなら鞍上問題くらいだが、とにかくスムーズに先行競馬なら問題ないと思う。
あとは自力が足りるかどうか。
エメラルファイト
これまでは、馬がレースをやめてしまっている状況だったが、前走はラストまで脚を使えている。
ただ差し遅れたように、前半14質が問われると足りなくなる可能性は高い。
馬のメンタル的なところが復調してきているし、追い切り内容もかなり良いものを消化している。
気になる点は基礎スピードだけだが、前走の内容からも人気がないのなら抑えて損はないかと。
カテドラル
この馬はピッチ走法で使える脚が短いので、好走条件は前崩れの展開か、スロー瞬発戦を前目から抜け出す形が望ましい。
ただし先行力がないので、後者のパターンはまず難しい。
これまで前傾質のレースで着を詰めてきたのは、前がバテる展開で一発を演出してきたからこそで、3走前はL4(11.3-12.3-12.1-12.4)で前がバテる展開での差し。
前走の東京新聞杯はL4(11.5-11.2-11.6-11.5)と、L3最速が踏まれ後半前が垂れTSもそこまで求められなかったのが向いた形となった。
相手関係はカラテ、シャドウディーヴァ、ヴァンドギャルドと強かったが、好走条件が嚙み合ってこそ。
中山16では基礎スピードが足りないので、前が垂れる展開待ちとなる。
ショウナンライズ
最近少し落ち着いているが、もともと気性難。
高速馬場をすんなり逃げてスピード押切みたいな競馬が一番いいだろうが、テンは足りず、近走の敗戦に理由は付くが自力勝負だと難しい。
スマイルカナ
気性難でこれまで控えて結果が出なかった馬だが、前走は折り合いは欠いたものの控える形で勝利し自力の高さを見せた。
以前よりか落ち着くようにはなってきたし、基礎スピードと持続力の観点から中山16の適性は問題なく、それは前走で証明している。
特に語ることもなく、このメンバー相手なら控えても前走並みのパフォーマンスならまず上位。
相当馬が折り合いを欠かない限り崩れにくいとは思う。が、トーラスジェミニとの端争いがあるのでS評価は回避。
ソーグリッタリング
決め手不足だが、ピッチ走法からくる瞬発力と基礎スピードで補える持続力戦を熟してくる万能型。
決め手がない分、先行抜け出し競馬や馬場が渋って誤魔化しが効くような条件がベスト。
ただし前走の負けは疑問で、特に不利は受けず直線伸びずに大敗。
L2(11.4)だが、今まではそれらのラップに対応してきたし、ラップが緩まない流れも問題なかった。
年齢的なものもあると思うので、ここは様子見だが、本来ここも熟せる条件ではある。
テルツェット
ピッチ走法で一瞬のキレを武器にしているタイプ。
ただトップスピードが重賞でも通用するかと問われると、近2走のパフォーマンスから少し足りないイメージはある。
となるとベストは3連勝してきた東京よりも、ミモザ賞でウインマリリンやウインキートス相手に3着した中山の方が向く可能性。
どちらも中山巧者だが、4角出口の手前変換のタイミングミスがなければウインキートスとの着差は分からなかったし、ピッチ走法から来る機動力や急坂適性などを踏まえると中山の適性はある。
いきなり重賞で通用する能力は微妙だが、このメンバーなら適性で対応できてもおかしくない。
トーラスジェミニ
基本的には巴賞やディセンバーSのように、前半スロー→中盤から流して持続戦に持ち込む競馬を得意としている。
ただし函館記念はハイペース逃げで着差0.4秒に粘り内容としては強い。
前走はタフな馬場で行われた中(34.6-36.6)前傾2秒の逃げでボンセルヴィーソに勝っており、タフさという点では重賞で十分通用するレベル。
ちなみに、この時お互いに直線途中まで逆手前で3着以下を突き放しており、直線向かい風だったとはいえ2頭の能力は抜けていた。
スローからの持続戦がベストではあるが、前走や函館記念のようなハイペース戦も問題ない。
今回はスマイルカナとの端争いになるだろうが、ある程度のハイペースは対応できるので、能力的にもここは通用してもおかしくない。
ブラックムーン
馬齢によるスピード面の劣化が伺える。
ここは軽視。
ベステンダンク
特にスピードが求められるマイルでは厳しいと見る。
ボンセルヴィーソ
4走前のスワンSは4角~直線入り口で窮屈さが出て直線逆手前。
それでも着差0.5秒と能力は見せている。
3走前は持ち前の機動力が活かせない舞台で適条件ではなかったが、持続性能で粘り込んでの4着。
2走前は端を取れず後半トップスピード負けと理由は明確。
トップスピードが低く、ある程度上がりの掛かる条件+機動力が活かせる条件が合うので、今のタフな中山1600mはベスト条件。
実際に同舞台の重賞(ダービー卿CT 2着、京成杯AH 3着)でも結果を残していて能力の裏付けもある。
ちなみに京成杯3着の内容だが、4角でトロワゼトワルに進路カットされており、手綱を引き十分にコーナー加速が行えなかった。
これがなければ、スマイルカナへの逆転含め、勝ちまで見えていた好内容だったので高い評価をしている。
また、昨年の東風S(稍重)で大敗しているが、これは前傾2.6秒のハイペースを先行し、4角から捲り早め先頭に立つ競馬をしたからだろう。
実際ボンセルヴィーソと同じ競馬内容で直線垂れたジャンダルムやカツジは、その後重賞で巻き返しているように弱い内容だったわけではなく展開不利により度外視可能。
前走の東風Sでは、逆手前ながらトーラスジェミニ相手に2着と十分な内容を消化している。
スマイルカナとの関係でも能力面は足りているし、また人気がないのなら狙っていきたいと思う。
マイスタイル
揉まれ弱く、スマイルカナやトーラスジェミニよりか枠は外希望。
その点がかなり重要になっては来るだろう。
1年の休み明けだが、追い切りはそこそこ攻めてはいるので、それなりに動いてくる可能性はある。
タイプ的にはピッチ走法で、小足を使って抜け出すような競馬が良く、2年前のダービー卿3着なことからも適性はあるだろう。
なので、力を出し切れる状態で上記2頭より外枠確保できるならチャンスありか。
メイショウチタン
中山16で求められる機動力や基礎スピード、持続性能などは足りている。
前走は好位のインで運んで力負けではあるが、相手関係的に十分やれており、3着ジャンダルムとはポジションの差だろう。
この相手関係で3着馬と着差0.2なら十分な内容。
ピッチ走法で急坂自体も問題ないし、ここの適性は高いと判断している。
自力不足な分、先行して小足を使って抜け出す形がベストかと思うので、まずは先行してポジションを取りたい。
それが出来るテンのスピードは足りている。
ルフトシュトローム
前走は休み明け+大幅馬体増であったが、そもそも基礎スピード的にも足りておらず置いて行かれてそれまでとなった。
過去の中山実績を見ても、新馬戦と1勝クラスは中間緩み、NZTは前崩れ外差しバイアスの中大外ぶん回し(不利度は低い)と、中山16適性が伺える内容を消化していない。
評価が高いのはNHKマイルで、直線向かい風+トラックバイアスイン前を後方から追い込み着差0.5秒の5着はかなり強い内容。
ストライド走法なことからも、本質的には大箱で長く脚を使うような競馬がベストに思える。
実績面では中山>東京だが、適性としては中山では推せない。特に16では基礎スピード観点からも推せないので、人気ならあまり評価はしたくない。
来るとしたら、NZTのような外差し展開。
レイエンダ
ピッチ走法で機動力が高い。
昨年のダービー卿を内のコーナリングで誤魔化し、3着に追い込んできたレースが良い例だろう。
東京で好走しているのは、トップスピードの質×ギアチェンジ能力が高いから。
勝利した2年前エプソムカップのように、先行してギアチェン×トップスピードで押し切るような競馬がベスト。
後方大外から追い込んだ富士Sは、前が潰れた展開にも助けられトップスピードで追い込んだ内容。
トップスピードの持続性能は低いので、後方一気の場合、富士Sのように前が崩れる展開でないと届かない。
となるとベストの競馬は、エプソムカップのような揉まれない先行抜け出しがベストだが、この舞台では先行力と基礎スピードが足りずポジションはほぼ取れない。
となると好走条件は昨年のようなインベタイン突きの再現しかなく、多頭数ではかなり条件が限られる。
ちなみに前走はコーナー外+ピッチ走法で使える脚が短い+距離が長かったので、L1でばてたのは仕方ない。
劣化の可能性もあるが、すべてハマればワンチャンス。
3.展開と馬場
Bコース替わりで高速寄りの馬場想定。
バイアスはフラット~稍内有利の想定。
逃げはトーラスジェミニ濃厚で、ミドル~ハイペース想定。
内のスマイルカナだが、近走控える競馬を試していて、前走は控えて結果を残した。
それを台無しにするような逃げを休み明けの叩き台で行ってくるとは思えず、ここは控えると想定。
4.最終予想
◎ 2ボンセルヴィーソ
〇 12メイショウチタン
▲ 1スマイルカナ
☆ 15エメラルファイト
△ 13トーラスジェミニ
抑 6.10