1.コース解説・ラップ分析
前後半3F(35.0-35.3)
12.3 10.6 12.1 12.1 12.3 12.0 11.9 11.6 11.8
スタートしてすぐ上り坂なので前半は2000mよりも緩みやすいが、道中のアップダウンや馬場の影響でタフな3歳戦となる。
ちなみに、福島の馬場が一番荒れているのはこの時期で、この開催が終わった夏場に芝の張替えをするので、年間通して張り替え前で梅雨となるこの時期が一番痛んでいます。(ただし今年は変則開催により馬場が使われていないので、例年よりも良好と考えたほうが良い)
馬場はともあれ、タフさや機動力が求められる舞台なので、スピード能力で勝ち上がってきた人気馬があっさり負けることも多々あり、1.2番人気の複勝率はどちらも50%と信頼薄となっている。
逆にそういったスピード勝負でキレ負けした馬が穴馬となり、逆転の目に期待できる舞台でもある。
適性としてはタフさに加え、機動力と持続力が重要で、瞬発力やトップスピードの質は基本的に求められない。
2.想定される展開&馬場の適性予想
逃げ馬候補はノースブリッジとワールドリバイバルが外。
その他外枠に先行馬が揃い、開幕週でイン前意識が強くなる+前傾になりやすい福島のコース形態上、高確率で前傾ラップだろう。
道悪も合わさり、開幕週ながら後半はある程度上がりが掛かる形になるだろう。
となると、狙いは中団より前で立ち回れる機動力タイプで、上がりの掛かる舞台でパフォーマンスを上げてくる馬。
土曜の馬場も例年よりタフではなく、この辺りは変則開催の影響だろう。
とはいえ福島っぽいタフさと機動力は求められるし、明日は昼過ぎから雨予報も出ている。
大きく馬場が渋ることはないと思うので、内が荒れる想定はない。
となると内をロスなく回れる先行~好位からの差し馬に分があるが、バイアスはフラットなのでハイペースになればコーナー加速できる差し馬にも警戒。
①持続力
②機動力
③タフさ
3.全頭診断
※適性チャートは当日朝までに更新します。
1枠1番 デルマセイシ
瞬発力ではなく、長く脚を使えるワンペースタイプだろう。
足も長くストライドも広いので、小足が使えるタイプではない。
揉まれ弱い馬で、勝った2走はどちらも揉まれない先行競馬で結果をだしているので、条件としては小頭数だったり外枠の方がパフォーマンスは上げてくるタイプで、今回の最内枠はまず課題となるだろう。
走法からして内回りでわざわざ買うほど推したい理由もなく、今回は少々狙いにくいか。
1枠2番 ヴァイスメテオール
自力はここでも上位で、プリンシパルSはスロー前残り決着を、後方一気で3着馬と着差なしまで追い込んできた内容。
上がバジオウ、ディオスバリエンテ、タイソウなら十分で相手関係的にも評価していい内容で、適性的にも瞬発力を活かすよりもタフな持続力が武器かと思うので、適性外で展開不向きな条件でこの内容なら高く評価したい。
そのタフな持続力が活きたのが2走前。
相手関係は確かに弱いので、ここの着差は気にしていないが、パフォーマンスには注目したい。
各馬道悪で消耗している中、3.4角を後方から早めに動き、ゴールまで衰えず脚を使えている。
自力が抜けていたので尚更強くは見えたが、この馬のタフな持続性能は十分に証明した内容でもある。
道悪に関してもピッチ走法で対応可能で、タフなレース質は歓迎だろう。
不安要素は後方競馬になった場合。
最後まで追い込める脚があるので、自力も踏まえ大きく崩れる想定はないが、変則開催で馬場が傷んでいない開幕週の福島で、雨でも内が使えるとなると、後方から回す競馬ではロスが大きく差し損ねる可能性は頭に入れておきたい。
2枠3番 アサマノイタズラ
水仙賞は内で包まれそれまでとなったが、スムーズなら十分勝ち負けだっただろう。
スプリングSでは直線一気のヴィクティファルスの強襲に差され2着と敗れるが、直線追い風の影響が強く、外差しがとにかく決まるバイアスだったので、バイアスフラットなら勝ちまで見えていた内容。
皐月賞はテンで主張し、コーナー外の遠心力的な負荷が大きかった分だろう。
ストライドは伸びる方だが、掻き込み系の走法で高速馬場よりか道悪の方がパフォーマンスは向上するタイプかと思うので、週末の雨予報は後押ししそう。
斤量56がどこまで響くかだが、水仙賞では上が青葉賞3着のレッドヴェロシティ、京都新聞杯3着のマカオンドールと不利なければ勝ち負けしていたし、道悪条件とはいえボーデンを破っている馬なので自力面は足りている。
内を器用に立ち回り小足を使うタイプの機動力はないが、コーナー外で加速を付けられるタイプの機動力も持ち合わせており、今回内枠なのが少々ネックで、ある程度外からコーナー加速を付けるような位置取りはほしいところ。
2枠4番 プレイイットサム
山藤賞は中団で折り合い、控えても問題ない面を見せた。
とにかく持続力のあるタイプで、前走は長く良い脚を使っての快勝。
直線も急坂上るまで逆手前で走っており、自力の高さは伺える。
問題は道悪への対応。この辺りが鍵となるだろう。
3枠5番 ボーデン
ストライドが大きく持続性能に長けているタイプかと思う。
それの証明になったのが勝ち上がった未勝利戦の圧勝劇だろう。
このレースで後続は持続性能が問われ、ボーデンは4角から押し上げスピードに乗ってからほぼ衰えず突き抜けた。
このパフォーマンスを演出できたのは、ストライドの大ききからくる持続性能があってこそだろう。
ただストライドが広い分、内回りや道悪に関しは疑問が付く。
道悪内回りのスプリングSは、道中荒れた内を選択したのもあると思うが、道悪によるパフォーマンス下げも大きかったと思う。
ここで自力上位は間違いないが、適性面でパフォーマンスを落とす想定はある。
3枠6番 リッケンバッカー
NHKマイルでは置いて行かれ忙しい競馬。
そのロス分がラスト届かなかったと見て良いだろうが、ストライドを伸ばし長く脚を使えた点に関しては再評価したい。
現状、物凄い瞬発力がある。というよりも、長く追い込める持続力が売りなのでマイル~2000m辺りのロングスプリント系が一番合いそうなイメージ。
ただし14質マイルは追走が足りず差し損ねが起きそうで、2000mを超えてくると、筋肉質で詰まった馬体をしているので中長距離のようなイメージもない。
となるとベストは東京1800m辺りかと思っている。
今回道悪は熟してきておかしくはないが、小回り適性という点では少々疑問視をしたい。
4枠7番 シュヴァリエローズ
ストライドが広く外回り>内回りだろう。
若葉Sはアドマイヤハダルに完敗。位置取りの差だろうが、着差分は機動力と先行力の差であり、そこが求められる内回りはそもそも向かない可能性が高い。
ホープフルSも同じく、後方から直線だけで追い上げるような競馬となっている。
買い時は外回りでトップスピードを活かせるところだと思うので、その条件で狙いたい。
4枠8番 ロードトゥフェイム
とにかく上がりの掛かる条件を好むタフなスタミナタイプだろう。
道悪も熟してきているし、ピッチ走法なことからも道悪適性は頷ける。
機動力に関しても足りているはずで、適性条件としては小回りタフ。
福島の適性は高いと予想する。
スプリングSでは、コーナー外でL4通過後から早めに動いた分がラストの甘さで、それでも直線垂れず上がり時計ではイルーシヴパンサーと同タイムなら評価すべき。
タフな小回りが得意で、夏に成績を伸ばすマツリダゴッホ産駒でもあるし、今回は斤量減の恩恵もある。
巻き返しは十分期待できる。
5枠9番 スペシャルドラマ
ストライド走法で長く脚を使えるタイプだろう。
前走は前が止まらないスローを中団から運び、向こう正面でポジションを上げた分ラストの伸びに繋がったのだろう。
そこまで速い上りも使えないと思うので、仮に前で運んでいても良くて3着圏内だったと思うが、ラストまでギリギリ脚を使えていた点は持続力の評価をしたい。
内回り自体はそこまで問題ないが、道悪でパフォーマンスを上げてくるタイプとも思えず、その辺りは少々疑問。
5枠10番 ワールドリバイバル
スプリングSは荒れた内を通り、直線も内ラチで粘り込み6着と健闘したのは、今回小回りを走るうえでも評価したい内容。
負けはしたが直線強い追い風、これが向かい風なら残せていたかもしれない内容で、そこまで悲観するような内容ではない。
皐月賞は端を切ったが、道中絡まれペースアップしたので度外視出来る。
揉まれず一本調子の逃げが理想で、それが叶えば小回り斤量減でパフォーマンスを上げてくる可能性がある。
今回ノースブリッジとの兼ね合いがあるので、軸レベルでは少々推しずらいが、開幕週イン前有利なら軽視は禁物か。
6枠11番 タイソウ
これまでスピード負けしてきた馬で、上がりの掛かるタフな条件を粘り込むような持続力やパワーがこの馬の特徴だろう。
前走は急坂2回でタフな中京2200mでの好走は頷ける。
ただし、ストライドが大きい馬なので、小回りな福島が合うイメージは薄く、どちらかというと中距離広めの舞台で持続力を活かす形がベストなように思える。
ただしタフな舞台は歓迎で、イン前にバイアスがあるなら軽視も難しく、その辺りは開幕週の馬場を確認して結論を出したい。
6枠12番 アイコンテーラー
前走は持続力を武器に粘り切ったが、レースレベル的に疑問で、ハイペース前残りではあるが後続が差してこれる脚力不足な馬だったという見方もあり、評価少々難しい。
2走前もレベル的に疑問で、この組からはまだ昇級馬が出ていない。
前走みたいに先行粘り込みがベストだろうが、先行出来るだけの先行力は他馬比較で劣るし、斤量有利とはいえ相手関係が一気に上がる今回、3歳牝馬には少々厳しい一戦かと思う。
7枠13番 ワザモノ
短縮思考の強い産駒ではあるが、この馬に限っては延長の方が向いてそうなイメージ。
新馬戦→未勝利戦は同距離だが流れ的にはマイルへの延長のようなラップバランスになったし、次走ひいらぎ賞では延長での2着。
その後ペースが上がったシンザン記念で負け、次走スローで追走が楽になった1勝クラスを勝ち上がっている。
そのため、前走14からの延長1800mは、この馬の基礎スピード面も踏まえてプラスに出る可能性が高い。
機動力もあり小回り替わりもプラスに働く可能性が高いので一発あっても。
7枠14番 ノースブリッジ
スローからのロングスプリント競馬を自ら逃げて刻んで圧勝を重ねている。
とにかくロングスプリント系の持続力が高く11秒台を続けて出せる馬で、上がりの掛かるタフなロンスパ戦も対応可能だろう。
前走は延長東京を出遅れて脚を使い端を取ったが、直線坂からピッチが落ちて失速。
ここは前半のロスと距離が長くガス欠したと捉えている。
ピッチ走法で小回りへの対応は問題なさそうで、距離短縮もこの馬に合うだろう。
ここでもすんなり逃げられれば一発ありそうで期待している一頭。
8枠15番 グランオフィシエ
高速馬場の東京で結果を残してきた馬。
小回りタフで道悪の福島に替わり、条件が一気に変わるのはマイナス材料。
過去に負かしてきた相手も軒並み昇級しておらず、条件替わり相手強化では買いずらい一頭か。
8枠16番 ヴェイルネビュラ
トップスピードに関しては、NHKマイルや百日草特別でキレ負けした通り。
時計の掛かるタフな条件がベストかと思う。
ただし、2走前はコーナーラップ(12.7-12.3)と明らかに緩んでおり、ストライド寄りの走法で楽に外を回しコーナー加速できた為、内容的には強くなく、展開利が大きかった内容。
前走よりか条件は好転するが、スプリングSは条件が向いた中でアサマノイタズラに着差0.6秒、ボーデンに着差0.3秒。
ここが現状での能力値と考えると、斤量55では自力的に少々狙いずらいイメージではある。
4.最終予想
◎ 14ノースブリッジ
〇 4プレイイットサム
▲ 3アサマノイタズラ
☆ 11タイソウ
△ 2.5.8.9.13