1.コース解説・ラップ分析
※今年は小倉開催のためサンプルなし
毎年中京で行われているが、変則開催により昨年は阪神、今年は小倉で行われる為、過去のサンプルはなし。
今回行われる小倉1800mは、初角まで短く後傾ラップになりやすい舞台で、平坦小回りのため道中は大きなラップ変動が起きず、ワンペースで淡々と流れやすいのが特徴。
内の馬場が使える状況であれば、内を立ち回った馬が有利になるが、内が使えない状況や展開がハイペースになった場合は3.4角のスパイラルコーナーで加速を付けた馬の雪崩込みは発生する。
基本的に機動力や持続力に加えワンペースラップに対応する基礎スピードも問われるので、この辺りの適性にバイアスを合わせて考えたい。
2.想定される展開&馬場の適性予想
①持続力
②機動力
③タフさ
3.全頭診断
※適性チャートは当日朝までに更新します。
1枠1番 ミスニューヨーク
稍ストライド走法で持続性能が高く、本質的にはロングスパート戦がベスト。
これまで内回りで結果が出ているのは、機動力性能が高いというよりか、トップスピードが足りない鈍足タイプで、内回りでスピードを誤魔化していた感じだろう。
スピカSは上がりの掛かる展開で、直線追い風の影響は大きかったので特別評価できる内容ではないが、秋華賞に関しては評価の高い一戦であった。
その秋華賞だが、好走馬が外差しだった展開を3.4角荒れた内で詰まりっぱなしで、直線だけで追い込んできた内容だったが、それで5着まで追い込めた内容は強い。
これらを考慮するとベストは中山22あたりの外回りロンスパ戦になる舞台。
小倉適性は小回りという点で微妙だが、上がりが掛かる展開になればチャンスはあるが、スロー~ミドルペースを想定すると少々難しくなる。
当日の馬場も要確認。
2枠2番 ダノンチェイサー
オーロCは1400mながらマイル質寄りの競馬だったが、馬体重-12と大幅に減らし新馬と同体重まで減らしていた。
直線もL1まで逆手前のままで、その辺りが敗因だろう。
信越Sでも、1400mながら中間12秒まで緩んでギアチェンジ性能が求められるマイル質の流れ、直線はストライドを伸ばし持続性能を発揮し好走した。
つまり14質の基礎スピードはあまり求められておらず、マイル質のレースでの好走で、実際にベストは16~20辺りで、前半基礎スピードがあまり求められないロングスプリント競馬がベストだろう。
小回りに関しては、機動力よりも大箱でストライドを伸ばすレースの方が合うので、その点で適性は少々ズレるが、小倉日経では内が荒れ外差し決着を、番手から早め先頭でサラキア相手に着差0.3秒粘れているので、わざわざここで嫌う必要はないだろう。
前走では減らし続けた馬体をしっかり戻してきたことに好感が持てるし、敗因は馬体重増ではなく前半基礎スピードを問われた為適性外だった一戦。
延長ローテもプラスで、前目から粘り込めても良いが、できれば良馬場で行いたい。
3枠3番 アンドラステ
4枠4番 ドリームソルジャー
5枠5番 ロータスランド
5枠6番 メイケイダイハード
持続性能が長所で、とにかく展開が流れて後方一気パターンがベスト。
となると展開が速くなる14質系のハイペースが望ましい。
その短縮ローテだった安土城Sは、平均ペースから前が有利すぎて追い込めずの大敗。
今回延長ローテはこの馬の持ち味は出にくいと思うので、ハイペースになればチャンスはあるかもしれないが、このメンバーでハイペースを考えるのは少々難しいか。
6枠7番 アメリカズカップ
6枠8番 カテドラル
この馬はピッチ走法で使える脚が短いので、好走条件は前崩れの展開か、スロー瞬発戦を前目から抜け出す形が望ましい。
ただし先行力がないので、後者のパターンはまず難しい。
これまで前傾質のレースで着を詰めてきたのは、前がバテる展開で一発を演出してきたからこそで、朱鷺SはL4(11.3-12.3-12.1-12.4)で前がバテる展開での差し。
ダービー卿はハイペース前崩れの展開を差し切りと、上記の通りであった。
ただしそれでもテルツェットには完敗。
上がり3Fでは0.5秒差付けているが、位置取りと追い出しの関係から上がり2Fではほぼ同じ時計となっている。
東京新聞杯は速いスピードが求められてはいるがL3減速ラップ。
カラテに差し返されたのは、カラテが直線壁で追い出しが遅れたからではあるが、L1加速ラップを踏んでいるカラテは余力十分で自力の差は伺えた。
安田記念も長い持続力が問われ、使える脚の短さが目立ってしまい途中から失速と理由は明白。
今回内回りに替わる点でコーナー4つが課題ではあるが、クリアできれば使える脚のデメリットはなくなるので、インを突く競馬でチャンスは作れる可能性がある。
7枠9番 ボッケリーニ
この馬はピッチ寄りの走法でトップスピードの使える脚はさほど長くないが、8~9割程度の脚を持続させる能力に長けた馬で、小倉日経のようなロングスプリント的な脚を使えるタイプだと思う。
その小倉日経では、後傾質でレース全体でも終始11秒台で流れ続け、後半はスピードと持続力が問われた、いわゆるロングスプリント戦で、バイアスが外にあったとは言え、3.4角はかなり速いラップでコーナー外を回され直線ではサラキアに進路カットされている。
そこで不利を受けながらもサラキアに着差0.2秒なら文句はない。
小倉大賞典は取りこぼしているが、これはバイアス的に絶好位置で立ち回ったテリトーリアルにバイアスが向いただけで悲観する内容ではないし、機動力もあるので小倉1800mなら嫌う要素はあまりないと思う。
前走は消耗戦となってしまい適性外だった一戦も、着差0.3秒5着と自力は見せており、間隔の空く臨戦も問題ない。
状態面が問題なければ人気でも逆らいずらい一頭。
ストライドが広く持続性能に長けており、揉まれず一本調子の競馬が望ましい。
近走の内容を追っていくと、ヴィクトリアマイルは馬場が特殊でマイル適性以上に、中距離馬でも直線長く脚を使えれば着を詰めれるようなレース質で、短縮外枠で自然と逃げることはできなかったが、外で揉まれず運んだ形。
福島牝馬Sはスロー単騎逃げから追い出しを待って逃げ切り重賞勝ちと、ハマった感は否めない。
小倉大賞典もハイペースを離れた番手で、この馬自体平均~稍スローの馬郡縦長で進んだ形で、見た目以上に展開利があった中の好走だろう。
8枠11番 クラヴェル
8枠12番 アバルラータ
14質は忙しく差し遅れ多数。
そしてリゲルS、信越S、多摩川S、ストークSなど溜めてギアチェンジのマイル質ラップで終いの脚を堅実に使えていることから、トップスピードや瞬発力を活かしたマイル質が合いそうだが、前向きな馬で折り合いを考慮すると、14質のハイペース前崩れで出番かと思う。
つまりハマり待ちな馬。
前走延長ローテで前に馬を置き、なんとか折り合って後方から追走し、直線途中まで良い脚は使えていたがL1失速。
これは前走の予想文でも書いた通り、ピッチ走法で使える脚が短いことからも頷ける内容だった。
かといって小回りが合うわけでもなくベストは阪神。
4.最終予想【★★☆☆】
◎ 9ボッケリーニ
〇 10ディアンドル
▲ 3アンドラステ
☆ 2ダノンチェイサー
△ 7アメリカズカップ