1.コース解説・ラップ分析
中山記念 過去5年の平均ラップ
前後半3F(36.2-35.4)
12.6 – 11.8 – 11.9 – 11.9 – 11.4 – 11.7 – 12.0 – 11.4 – 12.0
過去のデータから見ても前有利で、開幕Aコースを使用される為、例年内が有利で速い時計の出る馬場状態で行われることや、上り坂スタートで前半のペースが落ち着きやすい為、先行馬有利になりやすくなっている。
中団後方の馬は捲って4角射程圏に入れていないと厳しい舞台。
また、L5からラップが速くなりやすく、ロングスパート戦になりやすく、L3→L2で大きく加速ラップが踏まれるが、L5で速いラップが刻まれると逃げ馬が後退し、このようなラップ構成になる。
その為、問われる適性は瞬発力ではなく、内回りのロングスパート戦に対応する為の持続力と機動力。
①持続力
②機動力
2.全頭診断
※枠順や追い切りの評価なしで、馬の適性をフラットに表した物ですので参考程度までに。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
ウインイクシード
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。ドスローを番手に付けた展開利が大きすぎた結果だろう。ここで中団から差してきた上2頭とは能力差が明確。
タフさや立ち回りは上手いものの前で粘り込むしかない。というのが本質。
展開有利か後半タフなレース質で粘り込むパターンが好走条件で、前走は前者のパターン。
大崩れはないがハマらないと掲示板付近になってしまうのは七夕賞や福島記念の通りだろう。
つまり前で粘り込むしかできないタイプで、展開やトラックバイアスが向いた時or後半極端に上がりが掛かった時に馬券内に粘り込んでくる。
基本的に前有利になりやすい中山記念で、理由はコース解説で話した通り。
クラージュゲリエ
12.5 – 11.2 – 11.6 – 12.9 – 12.5 – 11.9 – 11.7 – 11.8 – 11.8 – 11.7 – 12.2
スロー持続戦。L6持続戦のような形になり、トップスピードは求められず、とにかく持続力が求められたレース。
3走前のカシオペアSは重賞好走馬多数でメンバーレベル高く、特に不利なく10着と完敗。
ここは相手関係の問題よりトップスピードが求められたことが一番の敗因だろう。(もちろん休み明けなどはあったと思う)
つまり2走前のアンドロメダSのように、脚の遅さ、というかズブさ?を隠すため多少上がりの掛かるレースが向いている。
となると、カシオペアSと同じく上がり最速34秒台前半だった皐月賞やダービーを6着と、着順をまとめている点は好感持てるし、仮に上がりがもう少し掛かっていれば着は上がっていたと思う。
特にダービーはヴェロックスの得意条件だったが、そこに着差0.2秒は評価して良い。
今回中山1800mになるが、ズブい馬なので距離は短く忙しくなる印象。
それとズブさに付属して機動力も少々足りない印象で、コーナー4つはマイナス要素。
中山記念は開幕週馬場+前半スローになりやすいので、基本4角射程圏に入れないと届かない可能性が高くなる。
その射程圏に持っていけるかどうかが最大の課題だろう。
ルメールが何とかするかもしれないが妙味は落ちるし、馬自体の適性はもう少し距離が長く機動力競馬にならないような中距離質のレースだろう。
ケイデンスコール
コスモカレンドゥラ
12.0 – 11.1 – 11.7 – 12.5 – 12.1 – 11.9 – 12.1 – 12.2 – 12.0 – 12.8
ハイペース持続戦。道中内の馬場が荒れており、外目の好位を追走できた点は大きい。アメリカズカップとツーエムアロンソとの差はここだろう。マンオブスピリットとは後半同じ脚を使っており、位置取りの差かと思う。そして上位2頭には離された3着。となるとこの3着の評価は高くない。
4走前L2(11.1秒)が問われたレースでキレ負けしたようにトップスピードの質は高くなく、タフな持続力戦がベスト。
勝利した5走前と同舞台だった2走前は、出遅れとバイアス不利で度外視可能。
つまりスローロンスパの展開がベスト。
前走内容はスローロンスパでなかった点が、ラスト上2頭に離された一つの要因だろう。
となると今回の中山1800m戻りは大幅プラスで、中山18.20といった辺りがベスト条件だろう。
自力は足りないが、2走前のように出遅れ後方からの競馬にならなければチャンスはあっておかしくない。
ゴーフォザサミット
サンアップルトン
12.4 – 12.2 – 13.4 – 12.6 – 12.7 – 12.6 – 12.1 – 12.0 – 12.4 – 12.2 – 13.3
ミドル消耗戦。不良馬場にノメりっぱなしで度外視可能。
ショウナンライズ
トーセンスーリヤ
ノーブルマーズ
トップスピードが足りない馬で2走前はキレ負け。
3走前の京都大賞典は瞬発力が求められたのと、ノドナリの影響が出ての大敗。
4走前のケフェウスSは加速部の直線進路カットで、再加速能力の低いノーブルマーズにとっては致命的な不利。
5走前の小倉記念はハイペース展開不利の中、3着馬に着差0.1秒の5着と内容は十分。
と、敗因は明確ではあったが、前走3角から手ごたえ怪しくなったのは少々疑問。
仮に劣化しているとすれば、スピードが求められる開幕週+距離短縮は向かない可能性が高い。
ただし前走が馬場で実は劣化しておらず、喉を配慮するなら短縮はプラスなので、良馬場替わり叩き2戦目のパフォ上げの可能性を考慮して抑えまでで考えている。
バビット
パンサラッサ
12.0 – 11.1 – 11.7 – 12.5 – 12.1 – 11.9 – 12.1 – 12.2 – 12.0 – 12.8
ハイペース持続戦。控え競馬は成功だったが、4角早め先頭に立たずもう少し待っていれば着は逆転していたかもしれない。とはいえ後続は突き放しており、ここでは能力上位だったが相手関係は弱い。
ヒシイグアス
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
ドスロー持続戦。例年と傾向が真逆で、後半トップスピード戦となった。もともとトップスピードの質が高い馬なだけに、得意な展開になっただけ。ここで中山適性は求められていない。
中山(3-2-0-1)と外面は良いが、小回りを上手く立ち回る機動力よりも、東京を2連勝、TS戦の金杯を勝利してきたようにトップスピード戦の方が合う。
今回バビットが行くにしろ、パンサラッサが行くにしろ、どちらも後半スタミナを活かすようなタイプなので、前走のように後半スピード勝負にはなりにくいメンバー構成。
現在3連勝と調子は良いが、その3走はすべてトップスピードが求められたレース質。
例年通り後半スピードが求められる展開なら、好走してもおかしくない能力は秘めているが、パンサラッサとバビットがいる中山では後半TS戦は期待しずらい。
後半スピードが求められたらあっさり勝ち切る能力はあるが、後半スピードが活かせない状況になった場合、能力でどこまで通用するか見どころではある。
フランツ
ブラックバゴ
マイネルハニー
3.展開と馬場
Aコース初週+高速馬場+直線向かい風でとにかく前が強かった土曜の中山。
イン前というより、前がやたら強い日になった。
日曜は風の影響がなくなるので、その分少しは落ち着くだろうが、トラックバイアス的にも前優勢なので、基本的にポジションを取れる馬を狙いたい。
ちなみに、イン天国ではなく、必ずしもインを立ち回らないといけない馬場ではないので、外枠でもポジションを取れる馬なら積極的に行きたい。
展開はバビットとパンサラッサの端争いだろうが、
①ここ最近パンサラッサが控えて結果を出している点
②三浦皇成乗り替わり
③そもそもテンの速さはバビット>パンサラッサ
という点を踏まえると逃げる確率はバビット優勢。
バビットが逃げるとなると、前半スローからL5付近でペースを上げ、後続に脚を使わして粘り込むいつもの形だろう。
仮にパンサラッサが行ったとしても、後半スタミナ比べに持ち込みたい馬なので、高速馬場にしてはある程度上がりの掛かる持続戦を想定。
上がりの掛かる展開を好み、前で立ち回れるor4角射程圏に入れられる馬を狙っていきたい。
4.最終予想
◎ 13ウインイクシード
〇 1トーセンスーリヤ
▲ 11クラージュゲリエ
☆ 12パンサラッサ
抑 3.7.8.9
本命ウインイクシードの一致率は87.6%と高くはないが、例年より後半が少し上がりの掛かるような展開を想定しているので、脚の遅さは誤魔化せる。
加えて先行力や機動力は、今のトラックバイアスを見方に付けられるし、タフ馬場の方が良いのは、スタミナが活かしやすいからであって、高速馬場でも後半ある程度時計が掛かれば対応できる。
前走ヒシイグアスが得意なTS戦を、斤量2キロ重い状態で着差0.3秒は優秀で、ある程度ギアチェンジも必要になったレースでこの斤量差は響いた。
外からでもポジションを取りに行ける馬だし、ここは本命とする。