1.コース解説・ラップ分析
中山1600mで行われる。
この時期の中山(4回開催)は、開催前に馬場の張替を行っており、野芝100%で行われる為、良馬場条件なら時計が出やすい馬場状態で行われる。
そのため、1年間で最も内枠の好走率が高い&外枠が最も成績が悪い時期でもあるので、枠順はかなり重要。
また、1600mはスタートしてすぐコーナーを曲がる影響で、コーナー外を回される外枠は基本不利。
スタートして下り坂が続くので、中間も緩まず流れ14質系の基礎スピードと持続力が求められる舞台。
適性としては14質系の基礎スピードと持続力のある馬で、内枠の馬に重い印を置いて行きたい。
2.全頭診断
※除外対象馬に関しては確定次第追記します
※適性チャートに関しては、下記見本を参照下さい
アカノニジュウイチ
気性面の前向きさから、流れの速い短縮競馬で結果を出した。
中山16であれば流れは速くなり14質寄りになるので、気性面的に何とかなりそうではあるが、問題なのはスプリントからの延長となるので、速くなりやすい中山16でも体感は遅く感じる分、延長ローテはひとつ鍵となる。
また、この馬のテンの速さ的にも鞍上的にも後方待機から一発を狙うような形が想定されるので、そうなった時に開幕週の馬場でロスが響きそうな脚質をしている。
この馬にとってスプリントを経験させてしまったことが、今後マイルでの活躍を遅らせる可能性は考えられるし、開幕週でこの馬の脚質だと、相当展開がハマらない限り難しいと判断している。
カテドラル
この馬はピッチ走法で機動力やギアチェンジに長けているタイプだが、使える脚があまり長くないので、小回りがベストかと思う。
中山1600mではダービー卿でテルツェットに次ぐ2着を経験しており、舞台適性は問題ないが、基礎スピード的に少々忙しさはある。
ただしダービー卿は、前崩れの展開の後押しがあった内容での結果だし、今回の京成杯AHでは、ポジションが取れる馬に有利が働きやすい開催時期なので、この馬のテンの速さと基礎スピードを考慮すると差し遅れる可能性は考慮したいので、単勝期待値的には少々疑問。
差し遅れ2.3着もしくは掲示板のイメージが強いので軽視禁物ではあるが。
カラテ
トップスピード戦よりもタフな馬場や展開に強いパワータイプ。
走法的にも道悪巧者なのは頷ける。
ただし東京新聞杯の内容は強く、直線詰まりながらもL1手前で抜け出してからは加速ラップ。
個別だと(11.3-11.4-11.3)程度であるが、中山適性が強い馬なら10秒台前半のラップでL3入ったのならスピード性能的に詰まり込みでもL1加速は難しく、カラテがこのラップを踏めたのはポテンシャルの高さと見て良いだろう。
これらのことからも11.3程度の脚を持続させる能力があり、合わない東京などでもTS戦にならなければ対応可能と見て良い。
ただしベストは中山で、若潮Sは中間緩まず4角位置を上げながらラスト(11.6-11.1)を出せた点はかなり強い内容。
立て直した関屋記念は2着と好走。
外回りではあったが、11.3程度のスピードを維持する能力がここでも活きた内容。
今回ベストな中山に戻るが、懸念点を上げるとするならばパワー馬場ではない点と、ポジションが取れずロスが生じた場合。
とはいえ、高速馬場の東京マイル重賞で勝ち切った実績もあるし、特にテンが遅いわけでもなく基礎スピードは足りている。
自力上位だし、前走立て直したので人気でも逆らいずらい一頭。
カレンシュトラウス
3連勝して本格化気配が漂う一頭。
この馬の持ち味はトップスピードとその持続性能+ギアチェンジといったイメージで、マイル~1800mがベストかと思う。
それが証明されたのが2走前の圧勝劇。
前走は中間緩まない流れを基礎スピード的に忙しい競馬になり、着差なしで差し切ったが、典型的な差し遅れパターンの演出だった。
相手関係的にもそこまで高くなかった一戦だったので、適性外のレース質だったと思う。
となると、中間流れやすく14質系になりやすい中山1600mで高速馬場であれば基礎スピード不足でベストは大箱外回り。
中でもギアチェンジ性能が求められやすい阪神マイル~1800mと見るのが妥当か。
グランデマーレ
グレナディアガーズ
基礎スピードとその持続性能に特化したタイプで、いわゆる14質の馬。
というのは14質戦となった朝日杯を見ての通り。
NHKマイルは発汗+折り合いを欠いた形で消耗は大きかったし、3角手前で壁をなくしてから行ってしまったのも後半のガス欠に繋がった。
その状況で早め先頭から3着に残した内容は強かったし、上が古馬相手に通用したシュネルマイスターとソングラインなら当然評価をしないといけない。
舞台は中山に替わるが、毎年馬場が高速化する時期で14質マイルなので適性圏内。
ただし大目標は11月のアメリカで行われるG1だろうし、ここは7.8割仕上げなのは間違いないし斤量56。
その辺りオッズや枠を考慮して印は考えていきたい。
コントラチェック
ストライド走法でスプリンターというイメージはなく、
オーシャンSは揉ま
ただし他馬を気にする面があるので、楽に端を切ってマイペースで運んだ時にハイパフォーマンスをしてくる馬。
その点今回は、スマイルカナ、マイスタイル、バスラットレオン、マルターズディオサ、グレナディアーズなど。テンの速い馬が揃ったので楽に逃げられる状況は少々難しい。
また牝馬で斤量55.5も少々見込まれてしまったので、楽に行けるかどうかだろう。
この舞台で連を外してない馬なので、完全軽視は禁物だが、その他条件は少々厳しめと判断している。
ステルヴィオ
※チャート化不可
この馬の適性はマイル質の緩んだ流れからのトップスピード戦。
過去に前半35.0秒以下のレースで好走したのはサウジアラビアRCの2着のみで、そのレースでも中間は緩んでいた。
つまり、前半や中間で基礎スピードが求められるレースは適性外で、今回の中山マイルでは基礎スピード不足。
加えて長期休養明けで芝に戻るということで、スピードについていける可能性は極めて低いと予想。
13.0
スマートリアン
ベストはトップスピード戦だと思っていて、3走前にファルコニアと同着したレースを評価したい。
高速馬場でドスロー戦なので、後半の10.7-10.7はさほど評価していないが、G3レベルで通用するトップスピードをもったファルコニアと同等の脚を使えた点での評価。
近2走はOP2着止まりではあるが、どちらも上がりの掛かったレースでベストパフォーマンスを出し切れていないと見ている。
特に前走は、道悪で中間も緩まず流れ上がりが掛かったレースだったが、直線で前にいたロータスランドに差を詰められず、後続のクラヴァシュドールに着を詰められた内容からも分かる。
今回の高速決着への対応は問題ないが、得意のトップスピード戦ではなく、基礎スピードと持続力が重要になる舞台。
対応の鍵を握るのが1勝クラスを勝ち上がった京都開催で、前傾質中弛みの先行負荷のあったレースを前半逃げ馬に付き合い道中3番手追走から勝ち切った内容は評価が高く、同じく先行したノルカソルカ(3着)、エアロロノア(5着)はその後昇級を決めている自力馬。
差してきたオーマイダーリン(2着)、ユピテルルークス(4着馬)は2勝クラス、1勝クラス止まりで、この辺りの関係性からも先行負荷が強かったことが分かる。
このレースを勝ち切れるのであれば、中山マイルの前半の基礎スピードとレース全体で求められる持続力には対応可能と見るのが正解かと思う。
休み明けも苦にしないタイプで、条件的にも妙味的にも拾っておいて損はない。
ただし鞍上とテンのスピードから本命まで打てるほどの信頼性は薄いと個人的には感じる。
スマイルカナ
中山マイル巧者と言われているが、個人的にはノー。
過去の中山マイル好走歴を見ると、全てにおいて中間11.7秒以上の緩みが発生している。
東京マイルでは平均的な中間ラップではあるが、中山マイルの上級条件では11.5秒かそれ以下のラップが刻まれるハイラップ戦になることが多く、それこそが中山マイル適性の根幹なので、これまで中山マイルっぽいレースをしてきていない。
この馬のベストなラップ推移は、前傾質中弛みからのハイラップで逃げ切る形。
フェアリーSやターコイズSが良い例だろう。
また、これは皆さん承知の上だろうが、馬群が苦手なので控える競馬より逃げる競馬でハイパフォーマンスを演出するタイプ。
陣営は是が非でも控える競馬を教え込みたいようで、近走は控える競馬に徹しているが、徐々に成長しているとはいえ周りに馬がいると力んでしまう癖は治っていない。
できれば同型の速い逃げ馬がいないメンバー構成がいいが、今回はテンの速い馬でコントラチェック、マイスタイル、バスラットレオン、マルターズディオサ、グレナディアーズと数多く、テンはこれらの馬に劣るので楽な競馬は少々可能性薄。
テンションの問題から休み明けは問題ないが、春のダービー卿で馬体重を落としていたのは気になっていて、その後力を出し切れないレースが続いている。
今回の休み明けで馬がどう変わってくるか注目したい。
バスラットレオン
恐らく前半の基礎スピードが求められる形、つまり14質になるレース質よりも、後傾質で中間で溜めの効くマイル質が合う印象。
確かに全3勝すべて逃げてた結果だが、全て後傾ラップで中間は緩んだ内容だが、特に前走は下り坂の影響で中間流れやすい中山で、後傾ラップの中間(11.7-11.8-11.7)と緩んだラップによるハイパフォーマンス。
朝日杯は前半基礎スピードが求められた14質の形となり、グレナディアーズと比較してパフォーマンスを落としたことからも、マイル~2000mが距離的なベストかと思う。
ピッチ走法で機動力が高いことからも、ベストは中山18~20、阪神20辺りかと思う。
中山1600mは前半速くなりやすい舞台で溜めが効かないので、適性的には推し材料が少ない。
今回は静観で。
ベステンダンク
※チャート化不可
前走タフな米子Sを逃げて4着と粘りを見せたが、現状スピードよりもスタミナを活かす形が良いし、もう少し距離があった方が良いだろう。
高速中山マイルではスピード不足と見ている。
12.6
マイスタイル
ピッチ走法で、先行して小足を使って抜け出すような競馬が良く、個人的には内回りの方が合うと思っている。
ただし前走は単騎逃げがハマったとはいえ、14質系のラップで淡々と逃げてハナ差4着と健闘した。
14質になったダービー卿でも僅差4着を演じているように、淡々と流れるラップの持続戦に適性を示してきている。
ただし揉まれ弱さがあるので、同型が逃げ先行馬多数の今回のメンバーは少々プラスには捉えずらく、ベストは外からの先行競馬なのでまずは外枠が欲しい。
マルターズディオサ
溜めて瞬発力を活かすより、基礎スピードや持続性能を活かす形がベストだろう。
折り合いも考慮するとベストは14質マイル~1400mと見るのが妥当。
ただし、阪神カップはコーナー内外の差分があったとはいえ、馬群苦手なマルターズディオサにとってはロスなく運んだベストな形でダノンファンタジーに着差0.3秒は自力と捉えられるし、ラスト甘くなった点から見ても、もしかすると14質マイルでは若干長いのかもしれない。
それと阪神カップでも前半行きたがる面を見せていたので、ベストは14質マイルより1400mだと思う。
前走ヴィクトリアマイルに関しては、中距離質の適性が求められたし馬群での競馬となったので度外視可能。
この馬のベストな外先行の形だが、テンの速い馬が外ってしまったのでポジションを取れない可能性や、外が不利になりやすい開催時期とコースレイアウトを考慮すると、好走条件から少しズレるイメージ。
個人的には短縮で見たいので、ここでは枠の並び次第で印を考えたい。
レイエンダ
※チャート化不可
前走は歩様異様を見せ大幅に遅れてしまったが、その後去勢して今回が初戦となるので、まずは状態面からだろう。
適性はピッチ走法で機動力が高いタイプ。
若いころはトップスピードやギアチェンジも高いものを持っているが使える脚の短かく、脚質的に後方競馬になってしまうので瞬発力勝負向きではないし、もうそのスピードは出ないと見るのが妥当。
となればピッチ走法と機動力を活かせるタフな小回りが現状ベストかと思う。
揉まれ弱さも見せるので、インで溜めてイン突きするには馬群が内にある開幕週では少々イメージと違う。
ワイドファラオ
※チャート化不可
3歳まで芝で走っていて好走歴はあるが、ここに来て芝戻りの重賞で57.5キロというのは少々厳しい条件なのではないかと思う。
ここでは静観。
3.想定テン1F順位
12.3 グレナディアガーズ
12.3 マイスタイル
12.3 マルターズディオサ
12.4 コントラチェック
12.4 バスラットレオン
12.6 ベステンダンク
12.6 ワイドファラオ
12.7 グランデマーレ
12.8 カラテ
12.9 カレンシュトラウス
12.9 スマートリアン
13.0 ステルヴィオ
13.2 アカノニジュウイチ
13.3 カテドラル
13.3 レイエンダ
4.最終予想【★★★☆】
◎ 10カラテ
〇 4グランデマーレ
▲ 2カテドラル
☆ 1グレナディアガーズ
△ 7.14.16