1.コース解説・ラップ分析
小倉1200mの特徴は、スタートして下り坂に入りゴールまで一切上り坂がない点で、JRAスプリント全場の中で前半3Fの時計が平均して最も速く出ているコース。
そのため、絶対的な基礎スピードが求められ、馬場が悪い状態でなければ基礎スピードで前受けできる馬がそのまま押し切れるコース。
また、コーナー角がキツイ関係で機動力も求められるコース。
つまり小倉スプリントを基礎スピードで受けられるだけのスピードと持続力のある馬で、加えて機動力のある馬が適性馬となるので、この点を抑えつつ馬場差で調整していくのが小倉スプリントの狙い方。
先週の小倉は馬場が悪く内を空けていたので今週のバイアスは注目ですが、以外にも日曜は大きく時計が掛かっていたわけでもなく前が残る状況だったので、それを前提に土曜日を確認した方が良い。
2.全頭診断
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
アウィルアウェイ
小倉スプリントで求められる基礎スピードは不足しており、一度溜めて末の爆発力で追い込んでくるタイプ。
京都スプリントで好走が多いのはそのため。
小倉や中山での実績もあるが、昨年の北九州記念は開催後半+ハイペース+昼頃の雨で時計が掛かり差しの届くバイアスだったし、昨年のスプリンターズSは、例年より時計の掛かる馬場+ハイペースにより差しの届くバイアスで条件が向いた。
今回もバイアスに関して要注目だろう。
ただし自力の高さはここでも上位。
前走CBC賞では3着に敗れるも、コーナー内を回った馬が掲示板を独占した中、アウィルアウェイはコーナー外を回っての3着。
しかも牝馬55.5で実質トップハンデだったことを踏まえても、自力の高さが際立ったレース内容。
今回も馬場差を考慮して差し届く想定ができれば積極的に印は回したい。
あまり馬場が荒れるのはプラスにはならないので、時計の掛かる良馬場や稍重が理想。
アスコルターレ
基礎スピード的にベストは14質系のレースだろう。
1200mで勝ったマーガレットSは差し決着の展開に恵まれたが、バイアスがイーブンならファルコンSのように差し遅れる形となる。
前走はスタートを決めて、しっかりポジションを取っての競馬だったが、後半は古馬の自力に負けてしまった。
自力的には古馬混合2勝クラス程度で、今回ハンデありとはいえ基礎スピード不足で古馬重賞級が相手となると足りないイメージ。
エングレーバー
距離短縮で一変し2走前は着差0.5秒の圧勝。
前半33.7秒を7番手で追走し、4角から機動力を活かしてスピードアップし早め先頭から押し切る強い内容だった。
前走は前有利を先行したが、前に壁を作れず折り合いを欠き、終始もたれる面を見せたことからも左回り適性に関しては疑問が浮かぶ。
今回の短縮+右回り替わりはプラスで、条件的に好転する材料が追い。
小倉1200mでアドバンテージを取れる基礎スピードはないが、中団辺りに構えられれば機動力を考慮しても射程圏には入れられるはず。
あまりにも馬場が渋るならどうかだが、時計が掛かる分には基礎スピードを補填できるのでマイナス要素にはならない。
自力はもともと高い馬だし、休み明けも苦にしないタイプで追い切りも結構動けている。
条件替わりでハンデをもらえるなら一発あっておかしくない。
コンパウンダー
小倉スプリントで2勝しているが、いずれも時計の掛かる馬場で行われたレースで差しが届いた形。
勝ち上がった 帆柱山特別・ 桂川Sはどちらも前半3Fが34秒以上で時計は掛っていた。
昇級してから高速馬場での開催が続いていたが、今週の小倉も怪しい天気で歓迎材料。
終いの脚は堅実で荒れた馬場を得意とするので、当日時計の掛かる馬場で差し展開になれば警戒はしたい。
シゲルピンクルビー
基礎スピード的にスプリントは少々忙しく、ベストは2勝している1400mかと思う。
フィリーズレビューはヨカヨカを初角で進路カットしてしまい、
前走はスタート挟まれポジション取れず、4角逆手前+直線壁で出し切れていない中での着差0.5秒なら悪くないし度外視できる。
雨が降るなら。という条件なら見直したい一頭。
ジャンダルム
阪神カップでは、道中控え気味で積極的にポジションを取りに行かず、
次走阪急杯ではしっかり結果をだし、1400mにおける自力の証明は十分できている。
次走春雷Sでスプリントに短縮し、前半33.2秒の中山スプリントでいきなり結果を出したことからも、小倉スプリントで大きく適性が落ちることはないだろう。
また、機動力のある馬なので小回りも問題ない。
とは言え休み明け叩き台で斤量57.5は課題で、自力の高さでどこまでか。といったところだが、足りて良いポテンシャルは持ち合わせている。
ノーワン
上がりの掛かるタフな馬場で差し決着時に穴を開ける馬。
前走CBC賞は高速馬場で基礎スピード足りず、後方大外ぶん回しで物理的に届かなかったが、直線逆手前ながら終いの脚堅実に追い込めている。
近走は延長したり、時計が速かったりと恵まれた条件で行えていないので、今回馬場が渋り差し展開なら終いの脚で一発あっても。
ファストフォース
評価したいのは中京で行われた長篠S。
結果的に着差0.7秒6着だが、このレース掲示板確保馬は全て内をロスなく回り、当馬は先行外回しで負荷が大きい。
更に向こう正面で進路カットされポジションを稍下げている。それで3着馬と着差0.1なら十分評価できる内容。
そして前走CBC賞では高速馬場を味方に付け、逃げ切りレコード勝ちと自力は証明したが条件もハマった。
しかし、今回はハンデが取れ斤量+3キロに加え、前走のような高速馬場で基礎スピードを最大に活かせる条件とは異なる。
買い時は前走だったと思うので、今回は静観したい。
稍ピッチ
ファンタジステラ
安達太良Sを勝ち切ったが、今年の福島は変則開催により馬場が例年より良い状態で内の有利は大きかった。
内枠から先行しイン前で溜めて押し切るような内容で基礎スピードの高さは伺えたが、相手関係やトラックバイアスなどハマった感はある。
斤量54で格上げ戦ともなると、自力的には厳しいイメージ。
ボンセルヴィーソ
安土城Sは外枠から番手を取って運べたが直線失速。
使い詰めた影響もあったのか、本来の持続性能を考慮するとらしくない競馬内容だった。
この馬は14質系の基礎スピードと持続力に加え機動力を武器に前で受ける形がベスト。
スプリント短縮では、受けられるだけの基礎スピードは不足するので、適性圏内からは少々外れるイメージを持っている。
ここを叩いて京成杯AHで買いたい。
ボンボヤージ
小倉スプリントで基礎スピードを活かして2勝しているだけあって適性は問題ない。
ただし、小倉の2勝はどちらも高速馬場条件で行われているため、タフな小倉なら適性的な推し材料は薄れる。
負かした相手関係的にも自力面で大きな評価は出来ず、高速馬場条件で基礎スピードが求められる場合は適性高く有力候補ではあったが、馬場が渋るとなると少々評価は落として考えたい。
メイショウカリン
時計の掛かる差しバイアスでパフォーマンスを上げるタイプ。
基礎スピード的に差しに回ることは明白なので、道悪になればなるだけ期待値は上がると思う。
近走は高速馬場でのレースが続いただけに、今週の雨には注目。
メイショウキョウジ
小倉だと基礎スピード的に差しに回るが、タフな小倉は好都合。
ただし前走は少々不甲斐ない内容で、休み明けとは言え仕上がりが悪くなかったので少々疑問。
叩いた上積みはあるだろうが、前走の内容とハンデ差で狙うならこの馬より軽斤量の馬を今回は狙いたいと思う。
メイショウケイメイ
スプリントでは基礎スピード的に足りず、雨が降ってもあまりプラス要素にはならない。
基礎スピード的には1400mだと思うので、今回は静観。
モズスーパーフレア
とにかくスピード特化の快速スプリンター。
スタートからスピードに乗ってそのまま押し切る競馬を得意としている。
そのため、前半からスピードに乗れるコースに適性が高く、スタートして下り坂となる中山や小倉のスプリント舞台が合う。
特に馬場が高速化しやすいスプリンターズSの舞台はベスト条件。
昨年は凡走しているが、テンションの上がったビアンフェに絡まれてしまい(32.8-35.5)。
例年より時計の掛かった馬場を考慮しても超ハイペースと言っていい逃げとなってしまったのが敗因のひとつ。
2着に好走した2年前のスプリンターズSは、昨年よりも高速馬場の状態で(32.8-34.3)。例年より時計の掛かった昨年と前半同タイムで入っていることを踏まえても、昨年はオーバーペースだったことが分かるため度外視できる内容。
それでもラスト100m辺りまで先頭を譲らない点からも、自力や持続性能は高く評価している。
ここでも、この馬のスピードがフルに活かせる小倉スプリントなので適性は問題ない。
あとは仕上がりと馬場がこの馬に向くかどうか。
週末の傾向をと状態面を吟味して印を考えたい。
ヨカヨカ
葵Sは2番手で運んだ勝馬レイハリアが33.5秒程度でトラックバイアスはイン前+直線向かい風で、勝馬に全て向いた流れ。出遅れなければ勝っていた内容。
ファンタジーSはコーナー外の負荷を受けながら持続力を見せて力を示し、1400mのフィリーズレビューは初角で勝馬に進路カット受けてポジションを落とさなければ勝っていただろう。
基礎スピード的にはスプリントも適性圏内ではあるが、ストライドが広いこともあり1400>1200mがベストと判断している。
前走のCBC賞では前に馬を置いて内先行、直線はスムーズに追い出す形で力は出し切れた内容だった中での力負け。
今回も斤量の恩恵を受けるものの、相手強化で前走と同条件なら適性のアドバンテージは取れず自力不足感はある。
レッドアンシェル
ピッチ走法で使える脚が短いので、内で溜められるか否かは重要。
北九州記念が良い例で、ペースは流れたものの内でしっかり脚を溜められたことが好走要因のひとつだろう。
京阪杯の敗因は、4角外に振られた分のロス+高速馬場+テンションが高かったことが敗因かと思う。
スプリンターズSは、L1手前まで逆手前でふらつきスムーズさを欠いている。
となると高松宮記念だったが、ノメりっぱなしで勝負にならなかったので度外視。
休み明けだが追いきりは動けているので、内枠確保なら昨年の再現も期待できる。
ロジクライ
馬齢の劣化も伺え、ここで巻き返せる要素はあまり見当たらないので静観。
3.想定テン1F順位 & 適性値ベスト3
※テンの速さはあくまで想定です
12.0 モズスーパーフレア
12.1 ファストフォース
12.2 メイショウキョウジ
12.2 ジャンダルム
12.3 ヨカヨカ
12.4 ボンセルヴィーソ
12.4 ファンタジステラ
12.4 ボンボヤージ
12.5 ロジクライ
12.5 シゲルピンクルビー
12.6 アスコルターレ
12.6 レッドアンシェル
12.6 エングレーバー
12.8 メイショウカリン
12.8 メイショウケイメイ
12.9 ノーワン
13.2 コンパウンダー
13.2 アウィルアウェイ
4.最終予想【★★☆☆】
◎ 2エングレーバー
〇 4ノーワン
▲ 11アウィルアウェイ
☆ 12モズスーパーフレア
△ 3.7.10.15