1.コース解説・ラップ分析
大阪城S 過去5年の平均ラップ
前後半3F(35.4-34.5)
12.5 – 11.3 – 11.7 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.4 – 11.1 – 12.0
基本的にスロー~ミドルからのトップスピード戦になりやすく、L4では瞬発力が求められやすい。
コーナーで内がごちゃつく為、最内枠の成績が不振なので、好位中団で競馬をする最内枠の期待値は下がる。
2019年のように、メンバ次第で中間が明らかに流れるとラスト消耗戦になるが、基本的にスロー寄りのトップスピード戦と考えてよい。
①トップスピード
②瞬発力
2.全頭診断
※枠順や追い切りの評価なしで、馬の適性をフラットに表した物ですので参考程度までに。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
アーデントリー
機動力に長けており、小回りや内回りコースでパフォーマンスを上げるタイプ。
加えて平坦なら尚良いだろう。
とにかくスピード不足なので、この舞台は本質的に合わない。
あとは道悪になってスピード勝負にならないような舞台になれば可能性は出てくるが、機動力を活かした競馬がベストなだけあって外回りでは推しずらい。
アバルラータ
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.1 – 11.8 – 11.1 – 10.8 – 11.7
スロー瞬発戦。前有利を後方一気では届かないが、上がり33.2秒と堅実に追い込めている。
上記のリゲルS同様に、信越Sや多摩川S、ストークSなど溜めてギアチェンジのマイル質ラップで終いの脚を堅実に使えていることから、トップスピードは足りるうだろう。
ピッチ走法からくるギアチェンジ性能もあるので、ここの適性は高い。
ただし先行力が低いので、ポジションを取れない場合、展開やトラックバイアスの助けが欲しく、物理的に追い込み切れなかったレースが続いている。
その点距離延長はプラスに向くし、休み明け仕上がっている前提で、何かひとつ噛み合えば十分チャンスはあると思う。
アフリカンゴールド
12.6 – 12.6 – 12.1 – 11.4 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.3 – 11.6 – 11.8
スロー持続戦。4着着差0.2秒と詰めているが、4F目で11.4秒と刻まれ前が崩れた展開利はあったし、適度に上がりが掛かり4F戦になったのもこの馬に向いただろう。
中長距離質の持続性能を持ち、ある程度のギアチェンジ性能もある。
なのでベストは中長距離質が問われる舞台で、今回さらに距離短縮になるのは、この馬にとってプラスには働かないだろう。
インビジブルレイズ
※劣化傾向為チャート化不可
もともとは瞬発力やトップスピードで好走してきた馬だが、それが求められた新潟記念や中日新聞杯では完敗。
前走の中日新聞杯は、6着と詰めてはいるが着差は離されている。
特にこのレースはトラックバイアス的にもコーナーラップ的にもイン前で立ち回った馬が有利に働いたレース。
インビジブルレイズは後方から内を立ち回っての内容で、着差同じのサトノソルタスやサトノガーネットはコーナー外外を回している。
つまり着順着差以上に評価できる内容ではない。
エアウィンザー
※劣化傾向為チャート化不可
明らかに劣化しているし、もともと小足を使うような競馬をしていたので、外回りはプラスに働かない。
ここは軽視。
サトノフェイバー
13.2 – 12.0 – 12.4 – 12.7 – 11.9 – 11.0 – 10.6 – 11.4
ドスロー瞬発戦。単騎ドスロー逃げに加え、高速馬場イン前有利のバイアス込みでの内容。能力的には4着まで混戦だったし過剰評価はできない。
リゲルSも同様スローを先行競馬と、この馬の売りは先行力にある。
ペース自体流れても踏ん張れる馬だが、その分決め手はないので、前走のように展開やトラックバイアスの恩恵込みの能力となる点注意。
逃げ馬不在の今回も単騎逃げは叶いそうなので、まず抑える必要はある。
あとはトラックバイアスがどう変化していくかだろう。
スズカディープ
※劣化傾向為チャート化不可
馬は劣化と共にスピードが落ちていく為、今回のトップスピード戦は不向き。
テーオービクトリー
13.2 – 12.0 – 12.4 – 12.7 – 11.9 – 11.0 – 10.6 – 11.4
ドスロー瞬発戦。先行し展開の恩恵もあったが、ラスト甘くなっての4着。末の質は衰えていないもののトップスピードの持続力で劣ってしまった内容は少々残念。
ニューイヤーSは稍14質寄りになり、基礎スピードと持続性能が求められた。
溜めて決めて勝負をしたいマイル質タイプなのでここは適性外だが、それでも着差0.5秒なら内容としては悪くない。
この馬は溜めて切れ味勝負を得意としており、決め手比べになった阪神牝馬Sでも、格上相手に着差詰めているなど健闘はしている。
ただ前走で劣ったトップスピードの持続性能は、やはりマイナス材料。
後方から追い込んで甘くなったのなら分かるが、先行競馬でラスト甘くなったのは評価を落とさざる得ない。
ただ、その分前走より時計が掛かるならまだチャンスは残っている。
高速馬場よりも時計が掛かる馬場の方が合うので、馬場次第では巻き返しも期待できる。
ヒンドゥタイムズ
12.8 – 11.7 – 12.8 – 12.8 – 11.9 – 12.1 – 11.4 – 11.1 – 11.4 – 11.9
スロー持続戦。上2頭は強かったが、トップスピードの持続性能で劣った内容。馬場も高速で、時計が掛かる方が良いだろう。
トップスピードの持続性能があまり高くない。
それは前走のチャレンジCや7走前の精進湖特別からも分かる。
機動力はあるので、ベストはTS持続を誤魔化せる内回り(先行したい)か、時計の掛かる馬場でトップスピードが求められないレース質。
となると、週末の天気や馬場に関しては重要で、先週のような馬場なら厳しくなるだろう。
ブレステイキング
12.6 – 12.6 – 12.1 – 11.4 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.3 – 11.6 – 11.8
スロー持続戦。4F目で11.4と速くなった辺りで外からポジションを上げており、ガス欠になった要因の一つだろう。
前走負けすぎだが、展開不利と長期休養明けでいったん度外視できる。
ストライド寄りの走法で、持続性能が長所だろう。
トップスピード戦ではキレ負けするので、スピードを分散させる形の4F戦がベスト。
となると、4F戦になりにくく、ギアチェンジ×トップスピードが求められるこの舞台ではキレ負けする可能性は考えられる。
外回りという点では合うので、展開次第でチャンスはありそうだが、条件は狭いだろう。
マイネルフラップ
※能力不足でチャート化不可
洛陽Sで足りなかったようにここでも足りない。
マイラプソディ
※サンプル不足でチャート化不可
前走はレース中に鼻出血があり度外視可能。
人間からしたらただの鼻血だが、馬は鼻で呼吸をするため、レース中に発症するとポテンシャルを発揮するには致命的。
共同通信杯はラスト脚が上がっていたが、もともと持続性能はある馬なので、性能的に劣ったわけではなく馬の気持ち的な問題か?
皐月賞も4コーナーでバテており、ダービーも道中捲って見せ場を作っただけ。
本質的にはストライドの広さを活かし、中距離で持続性能を活かすような競馬が合うとは思うが、今は馬の気持ち的な問題が優先かもしれない。
間隔開けてリフレッシュされてはいると思うので、一変に期待はするが流石に抑えまで。
マンオブスピリット
菊花賞は長かったし、前走は短かった。
本質的にはタフな持続力勝負が得意条件。
ディープボンドにハナ差で敗れた京都新聞杯も、タフさに寄った持続力勝負でのパフォーマンスで評価している。
つまり上がりの掛かる中長距離質の舞台がベストで、さらに短縮した阪神1800mでトップスピード比べでは足りない印象。
レイホーロマンス
ピッチ走法でコーナリング性能が非常に高く、小回りコースがベスト。
外回りのトップスピード比べでは足りなくなるので、その点今回の舞台適性は低い。
可能性としては馬場が悪化しパワー系の質が求められるレース質になったほうが良いが。
レッドジェニアル
ストライドが広く持続性能に長けている反面、機動力やギアチェンジには欠ける。
ただ能力面は高いものを感じる。
評価したいのは2走前のマーメイドS。
内を立ち回ってイン突きした内容でバイアスが内にあったので、一見強そうには見えないが、レッドジェニアルはコーナー詰まり十分にコーナー加速が付けれない状態で直線入り。
ストライドが広く機動力やギアチェンジに欠けるため、コーナーで詰まる不利は相当大きく、それでも勝ち馬に着差0.1秒と詰めた内容は高く評価している。
ちなみに勝ったパフォーマプロミスは内を器用に立ち回り機動力を十分に活かせたし、2着ラヴズオンリーユーは外からスムーズにコーナー加速を付けての2着。
それを踏まえるとレッドジェニアルはだいぶ強い内容で走り切っている。
ただ適性的には中長距離の持続戦がベストで、阪神1800mではトップスピードが足りない可能性が高い。
馬場が渋ってその辺り誤魔化しが効けば
ロードマイウェイ
12.3 – 11.2 – 11.4 – 11.7 – 11.5 – 11.2 – 11.6 – 11.5
ミドル持続戦。物理的に不可能な位置ではあったが、敗因は当日の状態面に尽きるだろう。陣営や鞍上からもコメントが出ており、4角から手ごたえ怪しくなっていた。
京都金杯は向正面で接触があり、ラチ柵にぶつかる不利があった。揉まれ弱い馬でもあるし、それ以降は全く競馬にならずは仕方ない。度外視可能。
大阪杯はスタート後に躓いて後肢を捻ったとのことで度外視可能。
3走前は休み明けマイナス台中の斤量59キロと仕方ないが、前走しっかり巻き返しての2着は評価。
評価したいのは2走前のキャピタルS。
ここで求められたのは持続力性能で、ピースワンパラディ相手に内容はそれなりで評価していい。
ストライドが広く揉まれ弱さも見せるので、内で包まれるよりもキャピタルSのように外でスムーズな競馬で持続力を活かせれば。
中~外枠が理想で、ギアチェンジの質踏まえ3Fトップスピード比べだと足りないので、展開が少し流れるか、雨で馬場が渋って後半持続質的なレースになれば。といったところ。
とりあえず、馬が復調しているかがまず第一だろう。
3.展開と馬場
土曜は稍重開催と風の影響で時計は稍掛かっていた。
それでも上がり時計は出ているので、路盤がしっかりしているせいか、馬場の重さはあまり感じられなかった。
日曜は乾いて高速に戻ることを想定している。
バイアスは前有利継続だろう。
展開としては逃げ馬がサトノフェイバーのみで、ここは単騎逃げが叶うだろう。
先行馬手薄でほとんどが差し馬なことを考えても、スロー濃厚だろう。
4.最終予想
◎ 7サトノフェイバー
〇 16テーオービクトリー
▲ 8ヒンドゥタイムズ
☆ 3アバルラータ
抑 2.6.9.15
5.回顧
(35.7-34.1)
12.7 11.3 11.7 12.1 12.3 11.9 11.3 11.0 11.8
スロー瞬発戦。マイル質のレースでギアチェンジ性能とトップスピードが求められた。
高速馬場。イン前有利のバイアスが強烈。
中団内目で折り合う。ある程度バイアス有利は受けた。ベストは内回りや時計の掛かる馬場だが、ギアチェンジ性能もあり、能力で押し切ったというイメージだろう。ゴール後に脚の脚は残っていないので、チャート通りTS持続は不足しているだろう。同じ条件を重賞でやったら負けていたと思う。格上と走るなら内回りor時計の掛かる馬場で。
3着 マイネルフラップ
両馬共にインの好位で立ち回り直線加速部も進路があった。展開+トラックバイアスの有利が大きかった故の結果だろう。
エアウィンザーに端を切られ、番手で折り合いを終始欠いたが故のガス欠だろう。「展開やトラックバイアスの恩恵込みの能力となる点注意」※全頭診断の見解引用。の通り、展開+トラックバイアスの恩恵があってのこれまでの好走なので、そもそも能力は高くない点、今後も注意が必要。
イン前決着のバイアスが強く、メンバー的にもレベルが低い。3.4着馬の評価もこれでは難しく、とくにマイラプソディは-馬体重での参戦。馬体重を増やしてきた辺りが狙いどころかと思う。