1.コース解説・ラップ分析
前後半3F(35.0-36.0)前後半5F(59.8-59.9)
12.5 11.1 11.4 12.6 12.2 12.0 11.9 11.9 11.8 11.8 12.4
前後半3F(36.2-34.9) 前後半5F(60.7-58.6)
12.6 11.2 12.4 12.4 12.1 12.1 11.6 11.4 11.5 12.0
宝塚記念よりも馬場が高速化し距離も短い大阪杯と比べ、宝塚記念は前半3Fで平均1.2秒、5Fで平均0.7秒も前半が速くなる。
これは、大阪杯がスタートしてすぐ上り坂+初角となるのに対し、宝塚記念は下り坂スタート→初角までの距離が長くなるのが原因。
そのため、前半~中間緩んでトップスピード戦になる大阪杯と比べて、前半流れて後半タフになる宝塚記念は求められる適性は真逆となり、後半は5.6Fラップがほぼ一定で、ロングスパートの持続力戦になりやすいのが宝塚記念。
この展開と似た傾向になるレースが有馬記念。
有馬記念は距離や舞台は違うが、前半速い→中間緩む→後半は5Fロングスパート戦になり、タフなロンスパ戦+内回り+直線急坂という点で宝塚記念とマッチする。
つまり有馬記念や中山実績は宝塚記念に適性としてリンクしやすい。
2.想定される展開&馬場の適性予想
逃げ候補が1.2枠に入ったことにより、特にレイパパレ行き切るしか選択肢が無くなったのではないかと思う。
前走逃げてしまって本番でもある今回、気性前向きなレイパパレが隣のユニコーンライオンに端を譲るとは思えず、そもそもテンの速さなら若干ユニコーンライオンの方が速い関係で、それなりに逃げを主張する形かと思う。
コース形態も踏まえ平均~稍ハイペースを想定。
後半は阪神2200mらしくある程度上がりの掛かるレース質になるだろう。
土曜の馬場は時計は例年より早いも高速レベルの馬場ではなく、バイアスは徐々に差しにシフトしてきたイメージ。
土曜20時時点で日曜の雨予報は消えているので、このままいけば土曜の馬場継続。
狙いとしては、例年より若干軽いタイプを狙うが、根本は変わらずミドル~稍ハイで後半35秒台の上がりが掛かる展開に適した馬を狙いたい。
①持続力
②タフさ
③機動力
3.全頭診断
※適性チャートは当日朝までに更新します。
1枠1番 ユニコーンライオン
これまでの好走歴はスローの先行競馬。
前走重賞勝ちを果たすも、(38.0-34.1)の超ドスロー競馬。
中京2000mを加味しても遅い。
その展開を単騎逃げしてL4(11.5-11.1-11.1-11.9)では、後続が詰められないのも仕方ない。
今回阪神2200mに替わるが、コース形態的に前半流れやすいコースだし、気性前向きなレイパパレがいるので、前走のようにスローを前付けできる可能性は低いと考えるのがベター。
本質的にも少々距離は長そうで相手強化ともなると可能性としては難しくなる。
今回枠も最内枠で、揉まれ弱い馬なので、出来れば外からすんなり行きたいところだったが隣が気性前向きなアリストテレスは少々厄介。
主張せずスムーズな番手競馬なら。
2枠2番 レイパパレ
気性は前向きだが、大阪杯を見ての通りハイペースを前で受けれるスタミナも持ち合わせている。
トップスピード性能も持ち合わせており、ピッチ走法による小足も使えるので、気性面以外はそこまで欠点がない。
今回延長はひとつ鍵だが、すんなり行ければ気性的な不安は半分快勝されるだろう。
距離を気にして抑えれば折り合いを欠く可能性はあるので頭に入れておきたい。
大阪杯に関しても、道悪ハイペースにより宝塚記念のような適性が問われた中での圧勝だったので、折り合いさえ問題なければ宝塚記念の適性も高いだろう。
ただし前走は楽に端切る単騎逃げで、道中緩めたいところで緩められた。
つまりハイペースとはいえ、ノーマークで楽に運べた形となったのは大きかっただろう。
人気する今回は当然マークされる形となるので、前走と同じ形で運べる可能性は難しい。
クロノジェネシスとの比較はクロノの見解で述べた通り、少々難しいと考える。
今回枠順が内なのは良いがユニコーンライオンとの並びは少々マイナス。
恐らくユニコーンライオンはそこまで主張せず番手だとは思うが、この辺りが前半スムーズならチャンスはあるか。
3枠3番 メロディーレーン
小柄な馬体ながらストライドは伸びる方で、まず平坦の方が合うだろう。
斤量56もあるし、使い詰めの間隔詰め競馬。
ここでは自力も不足していて。
4枠4番 ワイプティアーズ
上がりの掛かるタフなレースがベストで、近走はスピード不足やポジション差で差し損ねてきた。
良馬場条件で後半スピード質だったり、ゲート難なことや追走力的なところが敗因だろう。
前走はスローを先行したものの、後半スピード質によるスピード不足で足りず、本質的に揉まれたくない馬でもあるので、内の馬郡で運んだのもあまり良くなかったように思える。
近3走は馬郡で運ぶ形となりスピード不足で差し切れない形と、全て似たようなパターン。
陣営からも揉まれたくないコメントは出ているので、今回小頭数で外に張る競馬なら変わり身は見込めるかもしれない。
また、今回上がりの掛かりやすい舞台に替わるのもプラス。
追走で脚を使いたくない関係で、以前のように後方で脚を溜め、大きなストライドを活かして外から加速を付け1発に賭ける競馬がベストかと思う。
全く人気しないと思うので、3連系なら入れておきたい。
4枠5番 アドマイヤアルバ
前走目黒記念はレースラップ(37.8-32.8)(63.9-58.0)の超ドスロー戦。
アドマイヤアルバは離れた3番手追走で(65.0-57.0)程度から、4角で後方勢が上がってくるタイミングで溜められたのは展開が向いたとしか言いようがない。
2着のヒートオンビートと比較しても斤量2キロ軽い状態で直線一気に離され上がりタイム差0.6秒。
アドマイヤアルバより1つ前で競馬したウインキートスとも上がりタイム0.5秒ということで、前にいてそのまま物理的に残ってしまったとしか言いようがない。
宝塚記念の舞台なら前走のように楽に運べないだろうし、斤量+5キロで相手強化では少々狙いにくい。
5枠6番 シロニイ
スタミナのあるタイプで馬場は渋ったほうが良いだろう。
阪神大賞典は馬場が渋って時計の掛かった後傾ラップ(62.4-61.7)を番手に付けて運び、4角先頭から押し切を計るも4着。
直線向かい風の影響と前半スロー、中間緩んだ内容、道悪馬場により他馬と比べてパフォーマンスを落とさなかったことなどが残した理由だろう。
天皇賞春は前傾ラップの先行競馬で中間も息が入らなかった、阪神大賞典の反動、良馬場、斤量増などが敗因と考えて良いだろう。
今回距離短縮による時計面は道悪でカバーされれば一応クリアできるが、道悪でパフォーマンスを上げるタイプがクロノジェネシス、モズベッロ、レイパパレ、などが上位にいるので、ここに割って前で残せるかという点。
阪神大賞典で残したとはいえ4着までだったことを考慮すると、少々自力不足なイメージ。
5枠7番 クロノジェネシス
この馬の適性範囲は消耗戦~瞬発戦まで、
つまりスタミナもあるし速い脚も使えるし、
この馬の欠点としては、天皇賞秋やオークスがTS持続で劣ったよ
その取りこぼしが起きた例は2年前のエリ女や昨年の天皇賞秋、
能力面の話は有馬記念の内容で簡潔する。
一言で表すとお化けだった。L5個別(11.5-12.1-
クロノの後(L4通過後
内容が破格だったことを理解してもらえただろうか。
その後のドバイは2着に敗れたが、直線の長い舞台で1000m通
レースラップL3(11.4-11.2-12.5)
ただし、直線長い舞台でロングスプリントなら、TS値は足りない
簡単に言うと、適性条件外だったクロノジェネシスが、
また今回ドバイ帰り初戦となるが、
適性的にも有馬記念よりかは、
昨年の宝塚記念も(12.7-12.7-12.4-12.4-
実際に延長ローテの有馬記念を熟せたのだから今回距離短縮で、
さて、
クロノジェネシスが昨年宝塚記念で刻んだラップはL5(12.
簡単に説明すると、L4~L5で最速ラップを踏んでもその後は減
と、かなり恵まれた形であった。
今回は少なからずマークはされるだろうし、
仮に楽に端を切って、
なので個人的な意見だが、
6枠8番 カデナ
安田記念では、中距離馬でも追い込めるような馬場状態だったこともあり、基礎スピード不足のカデナでも追い込むことが出来たが、直線進路がなく外伸びバイアスだが内側を選択し、ダノンキングリーと上がりタイム0.1秒差は立派。
直線スムーズに外に出していれば、ダノンキングリーと同等かそれ以上の脚で追い込み掲示板は確保出来ていただろう。
となると、昨年の毎日王冠と新潟記念はTS持続に敗因を求めて良いだろう。
以前まではストライドを伸ばしてTSを持続させることも出来ていたが、最近になって馬齢による劣化で固くなってきたのか、以前よりもストライドが伸びなくなってきた印象。
その辺り含め、新潟記念はラスト脚があがり逆手前となって失速、毎日王冠でもサンレイポケットにラスト差し返されたことも頷ける。
今回は右の内回りとなるので、劣化してきたTS持続は求められず、得意の機動力競馬が活かせる舞台に替わるのはプラス。
距離に関しては、良績が2000~1800mに固まってはいるが、宝塚記念のようなレース質になった大阪杯では、3.4角詰まりながら直線内を選択してコントレイルとグランアレグリアに着差0.5秒。上がりタイムでモズベッロとレイパパレに0.4秒なら十分な内容。
差しが効くのなら一発のチャンスはあると見る。
6枠9番 アリストテレス
阪神大賞典はレース前から発汗し道中折り合いを欠いたガス欠。
また、馬郡での揉まれ弱さを見せたレースとなった。
つまりハイパフォーマンスを出すには、揉まれず外で折り合える状況下でこそ発揮するのだと思う。
天皇賞春は内枠からの競馬だったが、揉まれないポジションでの競馬となったが4着。
これに関しては、単純に距離適性かと思う。
天皇賞春は前傾1.5秒のハイペース寄りの前半ラップから、中間13秒台が刻まれたのが1F区間のみといった、ペースが淡々と流れ後半はスタミナ比べとなったレース。
以前長距離の菊花賞を好走しているが、後傾1.5秒のスローからL4(12.2-11.8-11.6-12.2)といった形で、長距離のスタミナ比べではなく、後半は中長距離質のスピードが問われたレースでの好走。
つまり中長距離質レースがベストであり、ステイヤーの適性は低いという解釈。
また、直線左手前の方が鋭いことからもベストは右回り。
これに関しては中京で行われた小牧特別において、直線右手前でフライライクバードを突き放せず、手前替えしてからの切れ味で抜け出したことを参考にしている。
今回、右回り短縮という条件はアリストテレスにとってプラスに働く。
内で立ち回れない馬ではあるが、平均的な阪神2200mの流れになれば中団からの外差しは効くし、小頭数で枠も外目で被せてくるようなテンの速い馬もいないので、スムーズな競馬ができるのではないか。
7枠10番 カレンブーケドール
決め手に欠けるので上がり勝負よりもスピードが分散される4F戦など、持続質のレースが合う。
ベストはオークスのような高速馬場+トップスピード持続戦だが、持続質のレースなら高速馬場~道悪まで対応できる万能性も強み。
有馬記念は5着(同着)に粘り、上が世代トップなら仕方ないが、敗因としてあげるなら乗り替わりで外を回した競馬内容だろう。
これまで馬群で集中し脚を溜める競馬に徹してきた馬だが、有馬記念は池添騎手らしく徐々に外からポジションを上げる形で、普段の競馬とは違う形になったことが影響したと思っているし、L5からのポジション上げも後半の伸びに影響しただろう。
日経賞はイン先行馬群で脚を溜め抜け出すといった形で、この馬にとってパフォーマンスを発揮できる条件であったが、勝ち切れないあたり、やはり決め手不足。
それでも、ステイヤー質になった天皇賞春ではアリストテレスを凌いでの3着と、持続戦ならTS~スタミナまで熟せる万能性はG1級。
今回は内回りで道悪濃厚なのでトップスピードが問われない点は良いので適性範囲内。
ただしベストは高速馬場のロングスプリント(オークスのようなレース)だと思っているので、渋りすぎるとこの馬以上にパフォーマンスを上げる馬(クロノ、モズベッロ、レイパパレなど)がいるので、コテコテに渋るとメリットの差で上記のような馬が優勢になってしまう可能性はある。
今回内枠を取れなかったので、内に潜り込むような形で運べるかどうかが課題だろう。
7枠11番 モズベッロ
ストライド走法で持続力や特にスタミナに長けている馬。
後半時計の掛かる消耗戦やロンスパ戦を得意としており、上がりの掛かった大阪杯や昨年の宝塚記念が良い例だろう。
道悪も苦にしない。
ロンスパ戦になった有馬記念を大敗したが、これは昨年の宝塚記念後に脚を裂傷。
骨まで見えるほどの重傷だったとのことで、昨年はそのまま休養させるつもりだったが、有馬記念に無理やり間に合わせた形で出走し凡走と理由は明白で状態不安と仕上げ不足。
その次走のAJCCから復調の兆しを見せ、この時は直線壁を外によけてからの加速力が良かった。
コーナー加速から直線スムーズに終えていれば馬券内の可能性はあったし、復調の兆しは十分見せただろう。
京都記念は良の高速馬場での開催でL3(11.3-11.5-12.2)で前残りでは適性外で追い込めないのも無理はない。
そして復活の大阪杯は、昨年の宝塚記念のようなハイペース消耗戦となりしっかり追い込んで2着と適性の高さと復調したところを見せた。
ここも昨年の宝塚記念や大阪杯同様に馬場がタフになり、上がりが掛かれば掛かるほどこの馬の可能性は増すだろう。
逆に雨が降らない場合、今の阪神の路盤を考えると、若干スピードが足りなくなる可能性は考慮したい。
8枠12番 ミスマンマミーア
本質的にはタフなパワータイプだろう。
大阪HCは上がり最速33.0秒のレコード勝ちをして、好走条件とは真逆の内容で差し切ったが、前半3F34.9秒と締まった流れから中間緩んだ影響で差し有利の展開となり、最後方辺りで溜め4角インから直線外へ出すロスのない競馬でハマった感が強い。
上がり最速33.0秒でレコードだが、今年の阪神馬場は異常なまでに時計が出るので、馬場と展開、斤量53を考えたらそこまで不思議な内容ではない。
日経新春杯は6F戦の持続力比べ的なレースになったので、持続力の証明はしており、宝塚記念で求められる適性は持ち合わせているが、日経新春杯も大阪HCも軽斤量で展開の恩恵込みでの結果なので、自力面の評価に繋げるのは少々難しい。
仮に後方に展開が向いたとしても、後方勢にはクロノジェネシス、キセキ、モズベッロ、カデナがいるので、ここを交わして差し込んでこれるか。
そして一番の不安点は使い詰めローテ。
基本的に休み明けや間隔の空いたローテでポテンシャルを上げてくる馬。
例に挙げると大阪HCは単騎放牧明けの間隔約2か月。
その他好走歴だと日経新春杯と烏丸Sは休み明けの臨戦だった。
今回中2週ローテ+斤量2キロ増+相手強化となると適性以外の買い要素は少ない気がするので、適性と自力でどこまで戦えるかだろう。
8枠13番 キセキ
大トビで持続力やスタミナに秀でたタイプの馬。
ただしポテンシャルを発揮するには、馬郡に揉まれず一本調子で運ぶことがベスト条件で内で器用な競馬は出来ない。
宝塚記念は後半トップスピードではなく、持続力やタフさが問われる舞台なので適性は高い。ということは2年連続好走していることからも分かるだろう。
上がり最速値はだいたい34秒前半まで。となるとベストはロンスパ~ロングスプリント競馬だが、金鯱賞ではかなりずぶい面を見せていたことからも、今のキセキなら上がりの掛かるロンスパ戦がベストだろう。
金鯱賞はまさにそのような形で、追い込み切れなかったが、L3個別で(11.8-11.9-12.2)程度で他馬とは最速値では同側程度。
中京のコーナー角、ラップ推移、ポジション、ずぶさ、キセキのスピード限界値を踏まえると、追い込めなかったのは能力の劣化ではなく、これらの要素が大きかったのだろう。
前走クイーンエリザベスはトップスピードが求められ、こちらもスピードで足りなくなった。
今回距離延長ローテはずぶくなってきたキセキにとってはプラス要素。
当日の天気がイマイチよくわからないので言い切れないが、例年以上に時計が速くても、前傾ラップからクロノが捲る展開になれば前は厳しいはずで、昨年のようにクロノを追いかけるようにスムーズにエンジンを掛けられれば好走する可能性はかなり上がるはず。
最近行きっぷりはないが、昨年のように後方から徐々に動いていければチャンス十分あるだろう。
今回枠は外枠確保で、一本調子で運びたいこの馬にとってもプラスで、最近の行きっぷりのなさから折り合い付かず暴走という形は考えていない。
4.最終予想
◎ 7クロノジェネシス
〇 9アリストテレス
▲ 10カレンブーケドール
☆ 13キセキ
△ 2.4.8.11.12(3連系なら)