1.コース解説・ラップ分析
小倉大賞典 過去5年の平均ラップ
前後半3F(35.4-35.5)
12.3 – 11.2 – 11.9 – 11.9 – 11.9 – 12.0 – 11.7 – 11.6 – 12.2
終始11秒台後半で流れ続けるワンペース持続力戦。
機動力と持続力が重要で、展開の恩恵がない限り機動力不足だと差し届かないケースが多い。
ペースが淡々と流れる為、道中は追走力も必要で、溜めて弾けるようなタイプは後半末脚を活かしにくい。
また、1800mは初角までが短い為、2000mと比べ逃げ先行馬が有利。
2000mの小倉記念は過去10年の平均で前半3F(34.67秒)に比べ、小倉大賞典は(35.51秒)比較すると-8.4秒と前半が緩みやすい為前が残りやすい傾向。
ただし今年はディアンドル筆頭に先行馬多数。
特にこのディアンドルがハイペースにする可能性もあるので、平均ペース以上のことも想定して全頭診断していきます。
①持続力
②機動力
③基礎スピード
2.2020年度:総合S評価成績
3.全頭診断
見解に加え、能力・適性を以下の表のように4段階評価で振り分けました。
※あくまで枠順や追い切り確認前の私個人の評価ですので参考程度までに。
評価の内容 | |
能力 | 単純な能力評価 |
適性 | 「距離」「舞台」「馬場」の適性評価 |
S | メンバー内で抜けていると評価 |
A | 評価は高いが抜けてはいない |
B | 可もなく、不可もなく |
C | 低評価 |
? | 能力または適性が未知数 |
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
アールスター
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。例年タフさが求められるレースだが、今年はドスロー戦で後半トップスピードが求められた。前有利で後方から上がり最速で追い上げ5着は強い内容。機動力やトップスピード含め評価できる内容。
逆にトップスピード瞬発戦という得意条件外のアルゼンチン共和国杯は、3着馬と着差0.3秒と内容は悪くなく、ある程度の中山金杯の内容を踏まえてもトップスピードは評価していいだろう。
つまり、とにかく機動力が求められる舞台がこの馬のベストで、ここの適性も高いだろう。
先行力はできないだろうし、小倉記念でも結果が出ているようにハイペースは歓迎の口だろう。
アドマイヤジャスタ
カデナ
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。スタート接触があり後方から。このスロー展開をトップハンデ背負って最後方から捲る競馬ではまず物理的に届かない。負けはしたが、右回りでの機動力は最低限見せたので収穫はその点か。
新潟記念は上がり最速と上がりタイム差0.4秒、毎日王冠はサンレイポケットに差し返され、天皇賞秋はTSの質が低いキセキと上がりタイム0.1秒差。
状態面の問題もあっただろうが、直線左手前の方が爆発力は出ると思う。
つまり、長い直線でTSを活かすような舞台の東京・新潟などは舞台としては合うものの、馬の能力を引き出すには右回りの方が良いと考える。
昨年好走している舞台だが、トップハンデだし小倉1800mなら展開の助けは欲しいところだが、適性面は足りている。
ショウナンバルディ
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。スタート接触から進路カットでポジションが取れず後方から。直線も詰まっており不利だらけの競馬になったし、トップスピードが足りない馬で展開も向かなかった。度外視でいい。
ピッチ走法でコーナリング性能が高く、中日新聞杯のようにTS持続戦だと甘くなるが、この舞台ではTS持続が問われない分その心配はない。
道中のスピードには対応できるし、TS持続はないが8割程度のスピードを持続させる能力は持ち合わせていることは、明石Sを加速ラップで終えていることからもわかる。
垂水Sではハイペースを番手で走り、マークされたランブリングアレーに着差0.3秒付けられるも斤量2キロ差あったので、能力面を疑う内容ではない。
内をロスなく立ち回るような機動力競馬がこの馬の持ち味なので、まずは内枠確保したいところ。
テリトーリアル
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。好位で立ち回るも直線キレ負け。そもそもトップスピードの質は低いので、展開が変わっていたら着順は上がっていただろう。
3走前のオクトーバーSでも、前傾質の上がりの掛かる展開を、番手から押し切り上がり最速のおまけ付きなのは評価できる。
タフなパワー馬場向きな馬で、先週までの平均時計小倉馬場はプラスにならなければマイナスにもならないが、週中の雨と雪で時計は先週より掛かる可能性はある。
スローになれば近2走のように決め手で劣るだろうが、平均ペースで流れれば対応は可能だろう。
ディアンドル
デンコウアンジュ
12.3 – 10.2 – 11.8 – 12.0 – 11.6 – 11.8 – 12.6 – 12.3 – 12.0 – 12.1
ハイペース持続戦。後続も速く流れた溜めに、直線上位馬以外は脚が上がっていた。デンコウアンジュも大外を回す競馬では厳しかっただろう。
ピッチ走法で一瞬のキレが売り。
その為外を回すと甘くなり、それが顕著に出たのが、外を回してラスト甘くなりエスポワールに差し返された昨年の中山牝馬S。
先行力がないので、この馬がベストなパフォーマンスを見せる時は基本イン差し競馬。
色々注文付きになるし詰まるリスクもあるが一瞬の脚は鋭い。
ピッチ走法で小回りへの対応や馬郡を割る能力はあるので、内枠を引きたいところ。
※内枠なら適性Aレベル
トーラスジェミニ
ドゥオーモ
12.6 – 11.3 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 11.8 – 11.7 – 12.0 – 12.1 – 12.4
ミドル持続戦。前有利の展開でこの位置取りでは物理的に届かない。馬場もタフな方がよく、この時期の福島は比較的良好なので、その点も合わなかったか。
バイオスパーク
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。後半トップスピードが問われ適性外のレース質。加えて直線進路カットを食らい壁になってしまった。外枠からの競馬もこの馬の好走パターンから外れており度外視でいい。
3走前の京都大賞典はTS瞬発戦になり、TS不足のこの馬にとって度外視できる1戦。
4走前の函館記念は消耗戦となり、内を通ってインを突いたが、コーナー不利もあったし内容は悪くない3着だったと思う。
内で立ち回るのがこの馬のパターンで馬郡も割れるので、まずは内枠が欲しいところ。
フェアリーポルカ
12.0 – 11.3 – 11.2 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 11.9 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル程度。4角8番手から良い脚で追い込んだが3着まで。この差は前半の基礎スピードの差だろう。それでもレース全体で速いペースに対応できたのは評価できるし、斤量56で上2頭は斤量54。この相手関係なら十分走れている。
ベステンダンク
ボッケリーニ
12.6 – 11.1 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.1 – 11.8
スロー持続戦。内のバイアスは味方したし、相手関係的にも少々手薄。ここで評価できる要素は機動力で、その点は今回に繋がるだろう。ただ評価したいのは3走前。
ロードクエスト
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。後方からとなり、スローで前の馬が溜めに徹している中、L4から捲り始め追い込んだ。この展開で後方捲りは流石に厳しいが、しっかり長い脚を使えた点は評価していい。
3走前の福島記念は後方過ぎてバイアス的にも物理的に無理。
2走前のチャレンジCは、向正面外に出した瞬間掛かり行ってしまい、速いコーナーラップを外回しでは直線全くなのも仕方ない。
ヴァンケドミンゴ
12.5 – 11.4 – 13.1 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 11.8 – 11.5 – 11.3 – 12.2
スロー持続戦。前半スローとはいえ、いつもと違ってポジションを取りに行ったこと+直線急坂が直線垂れた敗因だろう。
福島巧者で小回りタフなレースも対応できるし、カシオペアSのようなTS戦にも対応してくる万能性を持っている。
前走は上記の通り敗因は明確で、とにかく溜める競馬がベストだろう。
今回小倉に替わるが、小回り平坦なら対応可能で適性面は問題ない。
内で起用に立ち回るよりも、溜めて外を捲る競馬を得意としているので内すぎる枠はあまり引きたくはない。
前走凡走で人気は落ちるだろうし、すぐ初角に入る関係で内枠有利な舞台だが、馬的には中~外枠の方が走りやすいだろう。
ハイペースなら期待値は上昇しそう。
ヴァンランディ
4.展開と馬場
土曜の小倉芝は平均。先週よりもタフ寄りにシフトしている。
バイアスは中~外に向き、内ラチは嫌われて避けられている。
そして前がやや不利で、平均ペースなら好位~中団が狙い目。
後方大外を回す馬は、インが嫌われ馬郡が外に膨れているため大幅なロスになるだろう。
展開はミドル~ハイペースを想定。
先行馬もそこそこで、大外にディアンドルで、まずスローはないと読む。
今日の傾向からすると騎手心理的にあまり飛ばしたがらないだろうが、ディアンドル次第でハイペースまで想定。
狙いとしては好位中団につけられる馬。
極端な追い込み脚質はコーナーロスの不利が生じる可能性が高く、重たい印は避けたい。
5.最終予想
◎ 7フェアリーポルカ
〇 6アールスター
▲ 2ヴァンケドミンゴ
☆ 11ロードクエスト
☆ 1カデナ
抑 3連系なら手広く