1.コース解説・ラップ分析
スローペースから急な34コーナー+登りの頂上で一度ラップが緩み、コーナー後半の下り坂から徐々に加速しながらL3~L2でトップスピードに入るのが新潟外回り中距離。
そのため、トップスピードとその持続力が求められるコースレイアウト。
また、新潟最終週ということもあり、例年は外差し有利になりやすいバイアスが発生する。
ただし、先週までの新潟馬場は内外フラット状態で時計は平均~若干速い程度。
例年より荒れてない馬場状態なので、展開フラットであれば前残りも見られるため、土曜の馬場や天気は要確認。
木曜日段階の天気予報では、土曜の早朝以外は降らないので、土曜後半の馬場には注目。
2.全頭診断
※除外対象馬に関しては確定次第追記します
※適性チャートに関しては、下記見本を参照下さい
アドマイヤポラリス
上がりの掛かるタフなレースが合う印象で、対応幅はロングスパートからロングスプリントといったところか。
目黒記念では4角包まれて直線も壁だった不利もあるが、L3(11.1-10.6-11.1)に対応できず置いて行かれた点から、トップスピード戦における適性はあまり高くない。
そのため、良馬場開催の場合トップスピードに対応できない可能性が高く、適性として推し要素に欠けるが、馬場が渋って上がりが掛かれば条件は好転する。
今回短縮となるが行きたがる面を見せるので、先行力が付いた現在なら短縮自体は問題ない。
エフェクトオン
前走の阿武隈Sでは前決着を一頭違った脚を使い後方からのイン突きで快勝したが、この時のトラックバイアスは内にあり、雨の影響で直線インが稍空けられていたことも向いた形だった。
詰まり、この時凡走したのは4角外を回した組であり、エフェクトオンの強さは際立った感じだが、実際はインの後方でイン突きであり、上がり時計で抜け出たのは4角ロス分の時計だったと思う。
ちなみに、モズナガレボシはコーナー内だが、直線詰まっているので、こことタイム差が生じるのは当たり前。
この馬の適性は機動力舞台にあると思っていて、コーナーで加速を付けて雪崩れ込むような競馬が一番合っていると思う。
ただし使える脚が短くラスト甘くなる関係で勝ち切れないタイプなので、2.3勝クラスはどちらもロスを省いたイン差しで勝利している。
今回新潟となるので機動力が活かせない形になるし、使える脚の長さからして新潟向きと言われると難しい。
若駒時代に新潟で2勝しているが、1勝クラスは2F戦で持続力は求められていないし、未勝利戦も3F戦で相手関係的にも評価対象外。
東京で行われた青嵐賞でロングスプリント性能が問われ、後半は持続力戦となったが、この時ラスト挟まれ後退しているように見えるが、実際に接触などの不利はなく、単純にエフェクトオンが失速したところに外からセントレオナードが被せてきただけなので、ここでは単純に持続性能が劣ったと見て良いだろう。
これらのことから、個人的には新潟での適性は低いのではないかという意見。
ギベオン
※チャート化不可
金鯱賞は単騎逃げ+道悪のハマった感が強い。
マイラーズカップでは着差0.4秒7着と詰められてはいるが、基礎スピードで置いて行かれ、ケイデンスコール比較でも決め手不足な点を見せた。
クラヴェル
不安要素は、極端な上がり決着になった場合、例えば上がり33秒台前半の決着となるならば、若干得意条件からはズレてしまうイメージ。
どちらかというと、後半11秒台中盤の脚を持続させるタイプだと思うので、速い時だと10秒台に入る新潟外回りのトップスピード戦となった場合少々疑問はある。
あと揉まれたくないタイプなので、外枠の後押しが欲しい。
サトノアーサー
折り合い難のあるタイプで、それは京都金杯を見ての通り、外枠から壁を作れず折り合いを欠いており、前に壁を作りたいタイプの馬。
また、この馬はトップスピード戦よりも上がりが掛かるレースや馬場でスピードを誤魔化したいタイプ。
3F戦だとキレ負けするので、スピードの分散する4F戦で且つ上がりが掛かる展開が望ましい。
そういった点から、持続力が求められる新潟の舞台は合うので、あとは馬場と枠次第といったとこと。
前走久々だった関屋記念では、直線詰まりながらも脚は使えているので、叩いた上積みを考慮したらパフォーマンスを上げには期待したい。
警戒はしておきたい。
ザダル
ショウナンバルディ
ピッチ走法でコーナリング性能が高く、中日新聞杯のようにTS持続戦だと甘くなる。
そのため内回りや小回りがベスト条件で、七夕賞は内でじっくり溜め伸びてきたので、この辺りを見ても小回りベストは証明した。
前走の中京記念は凡走ではあったが、5F目から極端に速くなり先行負荷が強かったレースで、しぶとく最後まで脚を使い先行馬再先着と力を見せている。
特に、上がりの掛かる条件で好走できた点においては評価しており、スピード質が極端に問われない限り小回り適性は崩れないだろう。
今回は大箱替わりで適性は低くなる点や、使い詰めている点も評価としては落ちる対象。
馬場が渋る可能性もあるが、一番の武器である機動力が活かしずらい舞台ではあるので、適性面でプラス要素はあまりない。
トーセンスーリヤ
先行力と機動力が最大の特徴で、それが活かせる内回りや小回りの舞台は合うが、直線が長い舞台でもストライドを伸ばせる馬で持続力戦にも対応可能。
昨年の新潟大賞典は、L3で最速が踏まえれ直線ラストはある程度上がりの掛かった持続戦になった点、L3最速地点で機動力が活きた点、イン前バイアスだった点などが好走理由かと思う。
この通り、先行力と立ち回りでアドバンテージが取れる馬でもあり、長く脚を伸ばせる馬でもあるので、様々な舞台に対応できるバランスの取れた馬。
不安点としては、爪の不安や極端に速いスピードは出せないので、高速馬場よりもタフな馬場でパフォーマンスを上げる馬。
今年の新潟大賞典はタフな消耗戦になってしまい負けた形で適性外だったが、相手はサンレイポケット、ポタジェ、サトノソルタスと着差0.1秒でボッケリーニに先着したのであれば評価されるべき内容。
函館記念も先行力と機動力を活かし着差0.5秒の快勝で、離れた3番手にいてポジションの利は大きかったものの、同位置で構えたバイオスパーク比較をすれば十分評価していい内容だったと思う。
ここも対応できる舞台だし、仮に良馬場でも高速化はしていないのはプラス要素なので、バイアスが極端に差しに向かない限り大きく崩れるイメージはない。
ただしトップハンデを背負う点は頭に入れておきたい。
パルティアーモ
大トビで持続性能が高い馬で、そこそこのスピード性能も併せ持つので、ロングスパート戦からロングスプリント戦まで対応できるタイプ。
持続力戦になった早春Sや弥彦特別で高いパフォーマンスを発揮し勝ち切ったのが良い例だろう。
新潟外回りも大トビな走法的にも合うし、得意の持続力戦なら適性条件。
あとは自力がどこまで通用するかといったところだが、そこそこメンバーが揃ったメトロポリタンSで結果を出しているし、このメンバーなら足りて良い。
休み明けだが、間隔を空けて使うような馬なので臨戦に関しては問題ない。
プレシャスブルー
新潟大賞典のようなレースも対応可能だが、ベストはタフな馬場で上がりの掛かる舞台がベストなので、馬場が渋ればよりベストに近づく。
あとは間隔を詰めた方が良いタイプなので、今回の中8週がどこまで影響するか、体調面で少々癖のあるタイプなので、追い切りや当日の状態には注目したい。
マイネルサーパス
※チャート化不可
この馬は速い上がりが出せないので、とにかく上がりの掛かるレースの方が良い。
2歳時にきんもくせい特別をレコードしているが、この時は高速馬場だった後押しもあった。
小回りで結果を出してきている馬だが、ストライドが広くいつも捲る競馬で結果を残している(きんもくせい特別・ラジオNIKKEI賞・福島民報杯など)
昨年の中山金杯は普段通り捲るも、イン前~好位で立ち回った馬が好走し、福島記念同様に物理的に届かないバイアス。
つまり、適性としては小回りタフな条件で、外の捲りから展開やバイアスが外差しに向くときに一発は生まれる。
新潟外回りでは少々狙いにくい。
マイネルファンロン
今回小回り→大箱となり、間隔も空いてしまうのは少々買い要素が薄く感じる。
ヤシャマル
※チャート化不可
ラーゴム
きさらぎ賞は7F以降速くなり(13.1 – 11.6 – 12.7 – 12.0 – 11.8 – 11.9 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 12.2)となっているが、上り坂区間からのペースアップと、その後のアップダウンを考慮すると先行勢にはかなり厳しいレースラップとなっている。
結果的にも先行勢が壊滅し後方差し展開となったが、そんな中折り合い少し欠きながら先行して抜け出し、上がり2位の脚でホープフル3着、皐月賞5着のヨーホーレイクの猛追を凌ぎ切った内容は高く評価しないといけない。
この馬の特徴は上記の内容からも分かるように、スタミナ的な要素だろう。
速い上りは使えないが、ストライドが広くタフなレースで力を発揮してくるスタミナ型かと思う。
アイビーSでホープフル2着馬のオーソクレースに決め手の差で負けたのも良い例である。
クラシックでは皐月賞13着、ダービー12着と大幅に負けてしまったが、これに関しては折り合いが全て。
オルフェーヴル産駒らしい気性の前向きさが全面に出てしまっている。
2400からの短縮ローテはプラスだが、気性的に距離適性はもっと短いところにあると予想。
マイルだとトップスピード戦への対応で適性から外れることを踏まえると、適性はもっと短い14質系のレースの可能性、もしくは前受けしやすい1800m辺りの小回りがベストというのが現時点での個人的評価。
今回短縮ローテはプラスだが、外回りでトップスピードが求められる舞台は少々適性違い。
馬場が渋って上がりが掛かれば一考。
ラインベック
NHKマイルは前半の基礎スピードと枠順で決まるレベルにイン前のバイアスが強かった中、中団外から差し直線向かい風の影響を受けながらもラストまで脚を使えているように、この馬はストライドが広く持続性能に長けているが切れる脚がない。
マイルでは基礎スピード的に忙しく、1800以上の中距離質を先行して粘り込む形がベストだろう。
ダートで使われていたが恐らく芝向きで、3歳時は晩成傾向でなかなか成績を積めなかったが、前走の江の島Sで芝に戻り1800mで小頭数逃げ馬不在の条件で逃げ切った。
前走の条件は確かにハマったが、ラインベック自身の成長に関しては評価ポイント。
間隔の空いた臨戦も良く、逃げ馬不在であれば前走同様のシチュエーションは望めるので、ハマればチャンスがあっても。
リアアメリア
阪神牝馬Sに関しては、3歳秋から中距離路線を走ってきたことや、阪神牝馬Sで計測された上がり最速時計は32.9秒で、上がり幅的にこのスピードが出せなかった点と、直線左手前より右手前の方が鋭い印象なので、そういった点においてトップスピードで負けたような内容。
また、この馬は休み明けでハイパフォーマンスを演出してきた馬なので、中山牝馬→阪神牝馬の間隔詰めローテもマイナスだった。
ヴィクトリアマイルに関しては、このレースは中距離的な基礎スピードでも、上がりと持続性能が高ければ対応できたレース質だったものの、上がりの速さに対応できず間隔詰めローテも響いた内容だったと思う。
となると、今回間隔の空いたローテで距離延長+左回り大箱条件はかなり望ましい条件替わり。
高速系の良馬場でハイパフォーマンスを演出するタイプなので、馬場が軽いか否かはひとつ課題ではあるが、良馬場条件なら巻き返す可能性は考慮したい。
ただしベストは1800mかと思う。
レッドサイオン
※チャート化不可
近走障害レースや小回り長距離レースを使われていたので参考外。
注目したいのは白富士Sで、この時のレースラップはスローからのロングスプリント系のレース質。
後方からでも、とにかく長い脚を使えた馬が好走したレースだったが、レッドサイオンはL1逆手前から失速と、持続性能の高さに裏付けが取れなかった内容。
去勢明け2戦目ではあるが、この馬が去勢されたのが2020年7月末なので、それから半年以上たっている白富士Sの凡走理由には繋がらない。
新潟は末脚の持続力が大幅に問われる舞台なので、適性という視点からも狙いずらい。
3.想定テン1F順位
※テンの速さはあくまで想定です
12.7 ラインベック
12.7 ギベオン
12.8 ラーゴム
12.8 マイネルファンロン
12.8 トーセンスーリヤ
12.9 ショウナンバルディ
12.9 パルティアーモ
12.9 マイネルサーパス
12.9 リアアメリア
13.0 ザダル
13.0 ヤシャマル
13.1 アドマイヤポラリス
13.1 エフェクトオン
13.2 サトノアーサー
13.4 クラヴェル
13.4 レッドサイオン
13.5 プレシャスブルー
4.最終予想【★★★☆】
◎ 6パルティアーモ
〇 11ラインベック
▲ 2ザダル
☆ 15プレシャスブルー
△ 1.5.9.13.17