1.コース解説・ラップ分析
前後半3F(35.0-35.6)
12.2 10.9 11.9 11.7 12.4 12.2 12.2 11.9 11.8 11.8
弥生賞と同じ舞台だが、弥生賞はトライアルということもあり中間かなり緩む為、基礎スピードやタフさは求められず、後半のトップスピード勝負になりやすい。対し皐月賞は道中流れて基礎スピードが問われ後半がタフになる傾向。
つまりトップスピード持続や瞬発力の弥生賞に比べて、皐月賞は機動力持続+タフさが求められ、道中の基礎スピードも要求される。
なので弥生賞を好走した馬が皐月賞を凡走するという有名な話には根拠があり、これだけの適性の違いがある。
またトライアル組では、中山1800mのスプリングSの方が優勢。理由はこのレースの方が道中流れる為、弥生賞よりも皐月賞に近い適性が求められるからである。
今年は逃げ馬がタイトルホルダーのみで、ペースがどうなるか展開予想が鍵となる。
①持続力
②機動力
③基礎スピード
④道悪ならタフさ、道悪適性
2.全頭診断
※枠順や追い切りの評価なしで、馬の適性をフラットに表した物ですので参考程度までに。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
アサマノイタズラ
アドマイヤハダル
近2走内回りで成績を出しているが、ストライドが広く、本質的には大箱の舞台でロングスプリントがベストに思える。
ただ、立ち回り含め総合力は高そうで、2走前にディープモンスター、前走はホープフル5着のシュヴァリエローズ相手に快勝と力は見せてきている。
道悪さへ熟せれば面白い存在ではあるが、道悪を熟せるようなタイプには見えず(走法的に)、やはりベストは良馬場のロングスプリント競馬。TS戦では足りないかと思うので、スピードが分散される形が良い。
イルーシヴパンサー
前走は外枠から折り合いを欠き、コーナーでポジションを落とすも、直線巻き返しての4着。
ただし、直線強い向かい風だったことからも、直線での巻き返しにも理由が付き評価としては特別高くできない。
道悪に関してはピッチ走法で苦にはしないと思うが、前走折り合いを欠いたように距離延長で推すのは難しいところでもある。
エフフォーリア
特徴はストライドが広く長く脚を使え、トップスピードの質が高い。
それを示したのが前走で、3.4角向かい風の影響もあり前半3F37.4秒、5F61.9秒と前半がかなり緩んだレースで、L4からペースアップしたことにより、求められた適性はトップスピード×TS持続。
その展開を好位から抜け出し着差0.4秒の快勝と、非常に強い内容だったとともに、TS質やTS持続に関してはかなり高く評価でき、同時にダービーへの適性も示した内容でもあった。
では皐月賞は?というと、適性としてはあまり高くは評価できない。
そもそも中山内回りに適性を示す馬というのは、コーナリングから小足が使え急坂を苦にしないピッチ走法の馬に多く、トップスピードやTS持続を持ち味にしている馬はそれを活かしずらい舞台なのが中山。
エフフォーリアも大トビでトップスピードとTS持続を武器としているので、この武器はドスローにでもならない限り活かしずらく、走法的にも小足を使えるタイプではない。
つまり機動力的な観点からも適性の裏付けが取れない。
加えて、これまで前半スロー~中間緩むレースにしか経験がなく、ポジションを取れなかった場合、昨年のコントレイルのような大外ぶん回しの大ロス競馬になる可能性も否めないし、中間ラップへの対応も求められてしまう。
道悪に関しても、得意のトップスピードが活かせなくなるので、まずプラス要素にもならない。
と、不安点を述べまくったが、来る展開とすればドスロー戦で後半スピードが求められた場合。
その展開もこのメンバーなら可能性としては存在するので、展開+道悪への対応ができれば、といったところか。
グラティアス
ピッチ寄りの走法で機動力が高く、小足が使えるタイプでもある。
前走京成杯では、その特徴を活かしインベタからイン突き、コーナー後加速で突き放して、NZT2着になるタイムトゥヘヴンに着差0.4秒は立派。
この時ドスロー展開でポジションの利は大きそうだが、前半2~3F目で(10.9-14.0)の減速3.1秒を先行勢は食らっているので、ここの負荷は大きく、ドスローながら他の先行勢は直線で伸びきれていない。
先行競馬でラップ負荷を苦にせず突き抜けた内容や、中山向きな走りをしている点で評価できる内容ではある。
あとは中間流れた際に追走できるか。という辺りが課題となるが、雨で追走スピードも誤魔化せるなら穴としては面白い存在なのではないか。
シュヴァリエローズ
ストライドが広く外回り>内回りだろう。
前走はアドマイヤハダルに完敗。位置取りの差だろうが、着差分は機動力と先行力の差であり、そこが求められる内回りはそもそも向いていない。
ホープフルSも同じく、後方から直線だけで追い上げるような競馬となっている。
ここでは推しずらいか。
ステラヴェローチェ
基礎スピードと持続力が問われた朝日杯を2着に負けたが、基礎スピード型のグレナディアガーズはポジションやレース質など、全てにおいて向いた条件となった。
この着差は基礎スピードの差であって、マイル質以上のレースになれば、ここの上下関係は簡単に覆るだろう。
この馬はストライド走法で持続性能に長けていることが武器。
究極の上がり勝負では世代トップクラスにキレ負けする可能性はあり、それが顕著に出たのが共同通信杯。
後継-3.6秒、1000m通過1分1秒9と風の影響もあり超ドスロー競馬。
他馬より斤量+1キロはギアチェンジ区間で重荷になっただろうし、こういったトップスピードが問われる究極の上がり勝負ではキレ負けしてしまう。
つまり適性外のレースであり、それでも上がり33.6秒で最後まで脚を使えたのは、ポテンシャルと持続性能の高さだろう。
そして皐月賞の舞台に究極のキレは必要ない。
機動力やタフさも標準以上のものは感じるし、14質が求められた朝日杯を好内容で消化できているなら、マイラー質寄りの基礎スピード適性が問われやすい皐月賞の舞台適性は高いだろう。
雨も歓迎で、あとはどこまで調子を上げてきているか。1週間前追い切りの見栄えはしなかった点だけ気になるので、最終追切は見たほうが良い。
タイトルホルダー
折り合いに難のあるタイプで、前走はドスロー単騎逃げが出来たのはこの馬に向きすぎた。
相手関係的にはシュネルマイスターと機動力×のダノンザキッド。
この1戦だけで特別評価するのは難しい。
ただし、今回も単騎逃げできそうな点と雨が降る点は大幅プラスになるので、その点だけ買い要素。
雨は降るだけ降ったほうが良く、そこを単騎逃げできれば、あわやがあっても。
ダノンザキッド
長所はストライド走法から来る持続性能とトップスピードの高さだろう。
となると大箱のTS比べがベストであり、近2走の内容から内回りの器用さは持ち合わせていない。
その弥生賞は前半掛かり通しで、ホープフル同様に手前変換不良。
直線でスムーズに変えられず、機動力が求められる内回りや小回りでは課題が残る。
先行するのが条件で、あとはポテンシャルでどこまで誤魔化せるか。といったところだろう。
ディープモンスター
ストライド走法でトップスピードで好走するタイプではなく、中長距離的なタフさと持続性能で追い込む馬かと思う。
3走前L2(11.1秒)が刻まれたラップで、上がり最速とは言え他馬比較で抜けられず、アドマイヤハダルを捉えられなかった点からも、TS質は高くない。
中間が緩み、後半時計の掛かるようなレースがベストなのだろう。
となると中長距離路線がベストなのではないか。
前走はスタート後にヨレて後方から、直線一気で追い込む大味な競馬で快勝し強そうには見えるが、ラップ的にはハイペース中弛みで後方超有利の展開。
相手関係的にも疑問で、このレースの評価としては難しい内容ではある。
今回中山2000mへの短縮はマイナス材料で、この馬からしたら結構忙しくなるだろう。
そのあたり雨で誤魔化せればだが、そもそも道悪適性は疑問であまりプラスには働かない可能性もある。
狙い目としては中長距離への延長時+できれば大箱。
ただしトップスピードが求められた場合キレ負けする可能性もあるので、ダービー向きでもなさそう。
クラッシックなら菊花賞とか、その辺りが無難か。
ヨーホーレイク
ストライド走法で持続性能が高い。
ホープフルSではスタート後の不利で後方からとなり3着まで追い込んだが、逆手前のダノンザキッド、マカオンドール、アオイショーと上がり同タイムで、そこまで評価できる内容ではない。
前走は後方有利の展開を持続力活かして追い込む内容は良かったが、先行抜け出しのラーゴムを捉えられなかった点は評価できない。
もともとテンの速い馬ではなく、今回も中団後方となる可能性が高いが、内回りでストライド走法なことを考慮すると、かなりロスのある競馬が想定される。
中山内回り+相手強化では少々狙いにくいイメージ。
ラーゴム
前走は7F以降速くなり(13.1 – 11.6 – 12.7 – 12.0 – 11.8 – 11.9 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 12.2)となっているが、上り坂区間からのペースアップと、その後のアップダウンを考慮すると先行勢にはかなり厳しいレースラップとなっている。
結果的にも先行勢が壊滅し後方差し展開となったが、そんな中折り合い少し欠きながら先行して抜け出し、上がり2位の脚でホープフル3着のヨーホーレイクの猛追を凌ぎ切った内容は高く評価しないといけない。
この馬の特徴は上記の内容からも分かるように、スタミナ的な要素だろう。
速い上りは使えないが、ストライドが広くタフさに寄ったレースで力を発揮してくるスタミナ型かと思う。
アイビーSでホープフル2着馬のオーソクレースに一瞬のキレで負けたのも良い例である。
となると、トップスピードが求められない皐月賞の舞台は合うし、雨で時計が掛かるのも歓迎だろう。
ベストは先行粘り込み。
ルーパステソーロ
トビが大きく、内回り急坂というイメージはない。
前走は斤量53の恩恵込みで、相手関係的にも評価できず、ここでは買い要素は少なく思える。
レッドベルオーブ
ストライドが広く、機動力的にも大箱マイル質向きだろう。
朝日杯では適性条件でなかったステラヴェローチェに完敗していることから、能力面でも1段階劣る印象で成長度合いが鍵となりそう。
今回中山2000m内回りに替わるのはプラスとは思えず、大箱替わりで狙いたい。
ワールドリバイバル
前走は荒れた内を通り、直線も内ラチで粘り込み6着と健闘した。
直線強い追い風で、これが向かい風なら残せていたかもしれない内容で、そこまで悲観するような内容ではないと思うが、やはり自力不足感は否めない。
端争いはタイトルホルダー相手だと分が悪いし、相手関係強化でどこまで。
ヴィクティファルス
3.展開と馬場
バイアスは外に向いており、当日は稍重~良で力のいる馬場になるだろう。
風は西から3~4mほどで、3,4角向かい風となる。
展開的には外枠に先行馬が集まったので、前半稍スロー~ミドル程でながれる想定。
馬場が思いのほか渋らなかったので、中間は例年通り流れる想定ではいるが、道中が仮に緩んだところで、本番で誰も仕掛けない状況は考えずらく、結局後半は馬場的な要素も込みで持続質的な形になるだろう。
狙いは先行~中団で持続的に脚が使える馬で、前半スロー想定でもTS値は求めない。
4.最終予想
◎ 9ラーゴム
〇 3ステラヴェローチェ
▲ 8ダノンザキッド
☆ 1アドマイヤハダル
☆ 14アサマノイタズラ