1.コース解説・ラップ分析
前後半3F(36.1-34.6)
12.7 11.1 12.3 12.3 12.4 12.3 12.4 12.2 12.1 11.5 11.3 11.8
アルゼンチン共和国杯と同じ東京2500mのG2重賞だが、傾向が全く異なる。
目黒記念はCコース替わりに加え時期的に高速馬場。特に叩きで使われるレースでもないので、ペースは自然と速くなりワンペースで淡々と流れ続け持続質になるのが特徴。
一方アルゼンチン共和国杯は、時期的に馬場がタフ。
有馬記念やジャパンCの叩きとして使う馬が多く、メンバー的にもステイヤー寄りになりやすい。
そのため中間緩んでの3F瞬発力勝負となりやすいのがアルゼンチン共和国杯の特徴。
つまり目黒記念で求められる適性はワンペースの持続力。
目黒記念とアルゼンチン共和国杯を共に好走する馬が少ないのは、この影響が大きいと考える。
ただし、これはあくまで傾向なので今年のメンバーと展開を考慮して考えていきたい。
2.想定される展開&馬場の適性予想
逃げ馬不在。
テンの速さで言ったらウインキートス・ダンスディライト辺りが押し出される形で端を切るか、トップウイナーが外から主張するかといった形だろう。
ただスタートして坂を迎える中長距離ということもあり、道中は流れるが前半スローになりやすい舞台で、逃げ馬不在なら尚更。
想定はスローからのロングスパート戦。
長く良い脚を使えるワンペース系の中長距離馬を中心に馬券を考えたい。
馬場に関してはCコース替わり初週だが、1.2枠で掲示板に着た馬はゼロ。
外差しが目立った土曜競馬だった。
恐らく変則開催や雨、エアレーション実施の有無などが関係しているだろう。
この馬場なら上記の通り狙いとしては、多少外でロスがあっても、長く脚を使って追い込める中長距離馬を中心に考えたい。
①持続力(ワンペース持続的なとにかく長い脚を使える馬)
②ある程度のトップスピード
3.全頭診断
※適性チャートは当日朝までに更新します。
1枠1番 ムイトオブリガード
1枠2番 トラストケンシン
最近は忙しい競馬や、後半上がりの掛かる競馬で適性はあまり向かない形だったが、前走得意ではない中山で差し遅れ着差0.2秒なら悪くない内容。
以前にはアルゼンチン共和国杯で着差0.3秒や、六社Sではミスマンマミーアに先着経験のある東京に延長はプラス要素。
内枠確保で、ある程度ポジションが取れれば斤量52も含めてチャンスはあっていい存在だろう。
2枠3番 アドマイヤアルバ
前走は直線で挟まれる不利はあったが、それでも着差はそこまで詰まっていなかっただろう。
今回相手強化で狙いずらい。
2枠4番 サンアップルトン
となるとベストは中山中長距離だが、アルゼンチン共和国杯よりかは目黒記念の方が適性は向くので、ここを好走しているのなら目黒記念で軽視する気にはなれない。
前走は先行競馬となったが、直線壁で追い出したのはラスト1F。
この時、中間ラップが速くなりアップダウンがあった関係で、そこまで前が有利という流れではなかった。
本質的に内で揉まれるより、外をスムーズに加速したいタイプなので、内枠からの競馬で直線スムーズさを欠きながら4着に残したのは能力の表れだろう。
今回ベストな舞台ではないが、このメンバーなら能力上位で、急坂2回のタフな舞台ということやアルゼンチン共和国杯の内容からしても、ここは熟せて良い条件。
多頭数内枠が少々課題ではあるが、チャンスはあっていいだろう。
3枠5番 ウインキートス
3枠6番 アドマイヤポラリス
上がりの掛かるタフなレースがベスト。
トップスピードよりも持続性能や急坂2回のタフさが求められる舞台なので適性が全く合わないわけではないが、格上挑戦となると自力を補う形で馬場の助けはやはり欲しい。
良馬場条件の東京で格上挑戦だとスピード不足になる可能性はあり、崩れず堅実に走ってくるタイプだが、抑え程度で考えたい。
4枠7番 サトノルークス
この馬の得意条件はスタミナが活かせる展開や馬場状態でこそ。
重馬場のセントライト記念、時計の掛かる馬場だった菊花賞が良い例だろう。
昨年の3戦はすべて時計の出る高速馬場に寄った開催で、その辺り適性はマッチしなかった。
ということを考えても少々狙いにくい条件となる。
4枠8番 ヒートオンビート
瞬発力よりも持続性能に長けたタイプで、後半トップスピードが求められる形で取りこぼしてきている。
前走ミスマンマミーアに負けはしたが、後方差し有利の展開の中、中団から早め抜け出して粘り切っての2着なら十分な内容で、仕掛け次第では勝ち切っていただろう。
この内容からも持続性能を評価できる内容で、その辺りは目黒記念に繋がる内容。
今回川田騎手乗り替わりという点でも、ある程度ポジションを取って持続性能で粘り込むような形が想定され、差し競馬にならなそうな点は、この馬にとっては理想的な形にはなる。
ただし重賞レベルだと決め手不足感はあるので、頭のイメージは個人的に想像しずらく2.3着というイメージが強い。
5枠9番 アイスバブル
目黒記念を2年連続好走しているように、この馬の特徴はワンペースで走れる持続性能にある。
昨年の目黒記念では、馬郡から抜け出せるところで抜け出せず、それでも脚を最後まで使っての2着と、ワンペース持続性能を改めて伺える内容であった。
近走全くではあるが、それは昨年も同じで、基本的に速い上りが求められる展開ではスピード足らずで負けてしまう。
前走もL3(11.4-11.4-12.0)と11秒台のスピードに対応できなかったのが敗因だろう。
今年は逃げ馬不在により、スローからのトップスピード戦のような、アルゼンチン共和国杯のようなレース質になる可能性もあり、そうなった場合スピード負けすることは頭に入れておきたい。
目黒記念の適性ということで評価はするが、展開次第でチャンスあり。
5枠10番 ナムラドノヴァン
6枠11番 グロンディオーズ
胴長のストライド走法でトビが広く加速に時間が掛かるタイプ。
その辺りは中日新聞杯で瞬発力不足が目立った通りである。
持続性能を武器としており、トップスピードはそこまで高くない。
つまり中長距離質の持続戦がベストだろう。
ダイヤモンドSではベスト条件だった通り、大きなストライドを伸ばし上がり最速でオーソリティを差し切った。
となると、急坂2回でタフな東京+持続質になりやすい目黒記念はベストに近い条件。ただし短縮多頭数はプラスにはならないが。
ドスロー3F戦ならキレで足りなくなるので、その展開にならなければ問題ないだろう。
6枠12番 ダンスディライト
能勢特別ではタフな馬場で前残り展開を後方から捲り差し。
日本海Sはハイペースを先行して4着に残した内容で評価。
ムーンライトHはタフな馬場状態でドスロー前有利の中、後方インから追い込みアドマイヤビルゴに着差0.2秒、重賞勝ち馬のショウリュウイクゾに着差なしまで追い込む内容。
近走高速馬場のトップスピード戦でも力を見せているが、タフな馬場やレース質がベストだろう。
となると初の東京でも2500mなら熟せても良い。
チャートの一致率も高く出ているが、ピッチ寄りで持続力特化ではないことと、京都記念、阪神大賞典と自力不足な面を見せたので少々適性には疑問が残る。
7枠13番 ディアマンミノル
ピッチ寄りでタフなパワーやスタミナが求められる展開や条件がベストだろう。
ただし前走東京で上がり33秒台を計測できたのは評価していい。
恐らくあれが限界値ではあるが、あれ以上のスピードは東京25では求められる可能性は低いので、延長25はプラスと捉えて良いだろう。
ただし長く脚を使うような展開はベストとは言えないので、上がりの掛かるタフな消耗質寄りのレースを後方から差すようないイメージ。
メトロポリタンは道中ラップが速くなり前が厳しかったのと、馬場が外差し寄りだったのに助けられた形ではある。
今回上がりの掛かるような展開はあまり望めないので、Cコース替わりでも先週のような馬場ならチャンスあり。といったまでの評価。
7枠14番 ゴールドギア
3Fなどギアチェンジや極端にトップスピードが求められると差し遅れが起きる馬。
緑風Sのように、長く脚を使う持続性能こそこの馬の長所で、早めにふかしてエンジンをかけなければいけないタイプでもある。
そのため詰まったりするのも致命的で、前走は内枠から加速したいところで加速できず詰まり。
アルゼンチン共和国杯も溜めに徹してしまい、直線壁で追い出しが遅れてしまった。
新潟記念はL4(11.9-10.8-10.7-11.6)とギアチェンジ+トップスピードが求められてしまい差し届かず。
目黒記念はワンペースラップでこの馬向きだったが、内で詰まってしまった。
つまり、早めにふかす競馬で詰まらないことが条件で、前走本命にしたように、小頭数+外目の枠でここが狙い目だった感はある。
ワンペース持続が求められる目黒記念は本質的に適性は高いが、詰まって途中ギアが落ちるような競馬になるとこの馬の良さは削がれるので多頭数は少々リスクではある。
今回枠には恵まれたが、スムーズに長く脚を使う展開、状況になればここでも上位争い期待。
8枠15番 ミスマンマミーア
本質的にはタフなパワータイプだろう。
前走上がり最速33.0秒のレコード勝ちをして、好走条件とは真逆の内容で差し切ったが、前半3F34.9秒と締まった流れから中間緩んだ影響で差し有利とり、最後方辺りで溜め4角インから直線外へ出すロスのない競馬でハマった感が強い。
上がり最速33.0秒でレコードだが、馬場と展開を考えたらそこまで不思議な内容ではなく、2着に敗れたヒートオンビートが中団から早め抜け出しで粘った内容の方が評価できる内容。
日経新春杯も後方差しが向いた流れの通り、やはり展開待ちのタイプ。
ただしこのレースは6F戦の超持続力比べ的なレースになったので、持続力の証明はしている。
Cコース替わりなので、馬場傾向が例年通りイン有利なら狙いずらくなるので、先週のような馬場状態なら展開次第で。という評価。
これに関しては土曜を見て考える。
8枠16番 トップウイナー
流石に距離とスピードで足りていない。
個人的には狙いずらい条件。
4.最終予想
◎ 11グロンディオーズ
〇 14ゴールドギア
▲ 4サンアップルトン
☆ 9アイスバブル
△ 8ヒートオンビート