1.コース解説・ラップ分析
※昨年は小倉、2015年は開催なしの為、過去3年で集計
前後半3F(36.7-35.2)
12.7 – 11.4 – 12.6 – 12.5 – 12.2 – 12.1 – 11.9 – 11.8 – 11.4 – 12.0
牝馬限定戦で上り坂スタート、そして向正面まで上り坂が続くため前半はスローで入ることが多く、後半トップスピードが求められやすい。
3.4角の下り坂から徐々にペースアップするので、基本的に持続力が求められる舞台だが、前半が遅くなる傾向がモロに出ると、ある程度瞬発力も求められる。(具体例:2020年の金鯱賞)
持続力+トップスピードの適性がマストで、且つギアチェンジ戦(瞬発戦)にも対応できるとアドバンテージ。
①持続力
②トップスピード
2.2020年度:総合S評価成績
3.全頭診断
見解に加え、能力・適性を以下の表のように4段階評価で振り分けました。
※あくまで枠順や追い切り確認前の私個人の評価ですので参考程度までに。
評価の内容 | |
能力 | 単純な能力評価 |
適性 | 「距離」「舞台」「馬場」の適性評価 |
S | メンバー内で抜けていると評価 |
A | 評価は高いが抜けてはいない |
B | 可もなく、不可もなく |
C | 低評価 |
? | 能力または適性が未知数 |
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
アブレイズ
12.3 – 10.8 – 11.8 – 12.2 – 12.3 – 12.7 – 12.1 – 12.4 – 11.9 – 12.1
ハイペース持続戦。後方馬郡で競馬するも4角で大きく不利を受け後退。直線はそのままでの大敗で、好走した馬は4角で馬場の良い外をスムーズに加速した馬。後方で展開利はあったが不利が大きかったか。
この馬のベストパフォーマンスは何といってもフラワーCだろう。
持ち味のスタミナを活かして前傾1.1秒を前から抜け出したレース。
その後オークスではトップスピード比べで負けており、タフさを活かせるレースに適性がある。
フラワーC以降の敗因は明確だが、今回タフさよりもトップスピードが求められる舞台で適性は少し違う。
ローズSで折り合いを欠いているように、前半スローで入りやすいこの舞台ではその点も不安材料。
タフさが問われるコースに距離短縮というのがベストか。
ウインマイティー
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。後続は稍スロー。好位で立ち回るも4角詰まりコーナー加速できず、直線もそのまま詰まって苦手なトップスピード持続戦になり能力差が浮き彫りになったのが敗因だろう。
トップスピード戦のオークスで3着になるも、過去の上がりタイムを見てもオークスが最速のように、このスピード値が最大だろう。
そしてラスト逆手前になって甘くなっていることを加味すると、トップスピードの質やその持続性能は低く、左回りよりも右回りの方が合う可能性が高い。
つまり得意条件は上がりの掛かるタフなコースで、右回りコースがベストだろう。
ゴールドシップ産駒で急坂が嫌われる声があるが、明確に坂が苦手な姿を見せておらず、本質的には平坦だろうが今のところ坂は大丈夫と見ている。
ちなみに「上がりの掛かる平坦」となると秋華賞で惨敗だったが、馬場の悪い内側を追走し、3.4角から外に出すも伸びたのは馬場の外側。
ウインマイティーが直線走った進路より内は全く伸びてなく、追走進路や直線バイアス不利が影響したものと考える。
そして今回求められるのはトップスピードと持続力。
道中徐々に加速するラップは対応できたとしても、TS持続+坂+左回りでラスト1Fで甘くなる可能性は高いと予想する。
馬場もフラットに変化してきたので、ドスロー瞬発戦にならない限り立ち回りでは誤魔化せないだろう。
ウラヌスチャーム
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。後続は稍スロー。スタートやや不利を受け後方から。L4で動き出し先行集団に取りつくも後半足りず。直線入り口でラッキーライラックに進路カットされたのも、加速を邪魔されたくないウラヌスチャームには少し辛かったか。
メトロポリタンSは逃げて快勝。新潟牝馬Sはポッカリ空いた内側をスムーズに動き快勝。
つまり、この馬が実力を発揮する条件は揉まれず走る時で、小頭数や外枠などスムーズな競馬が好ましい。
持続性能は揉まれさえしなければ問題なく、中京自体の適性は問題ない。
しかし外をスムーズにとなると、3.4角スパイラルカーブで外に膨らむロスがあるので、外枠から逃げるか外付けの番手が理想かと思われる。
枠にも左右されるし、かなり条件次第にはなるがハマればと言ったところ。
ちなみに端を楽に取れるテンのスピードは持ち合わせていないので、内枠から理想の競馬は結構可能性薄。
個人的には小頭数の広いコース替わりで再度狙いたい。
カセドラルベル
12.5 – 10.9 – 12.0 – 11.9 – 12.0 – 12.4 – 11.6 – 11.2 – 11.9 – 12.4
ミドル持続戦。ただしL3最速のL2消耗ラップでタフさも問われる。先行勢が厳しい展開の中、先行して粘り3着馬と着差0.2秒は持続性能やタフさを評価して良い内容。
持ち味はストライド走法からくる持続性能だが、トップスピードが問われない展開が望ましい。
2勝クラス、3勝クラスと連勝したときも、ワンペースラップで後半上がりの掛かった持続合戦での先行粘り込み。
この舞台でその持続性能は活かせるが、トップスピードが問われたときに厳しくなる。
逆に展開が流れてトップスピードが問われなかったとしても、先行粘り込み脚質なので、中京2000mで前半流れた先行競馬は急坂で止まる可能性大。
サトノガーネット
12.6 – 11.1 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.1 – 11.8
スロー持続戦。前有利の展開とバイアスがハマり、好走馬はイン前決着。サトノガーネットは後方大外回しで、L2で前が11.1秒を刻んではどんなに末脚を発揮しても物理的に届かない。度外視は出来るが、左回りでボッケリーニと上がりタイム0.1秒劣ったのは少し違和感。
中日新聞杯で違和感を感じたように、エリザベス女王杯でも違和感がある。
この馬の得意条件は右回りのロングスパート戦であり、持続性能を活かした4~5F勝負に強い。
エリ女もその展開だったが、直線で本来の末脚は見られず。
トビが大きく外を捲るような競馬は問題なかったし、ラップ観点からコーナー外は不利だったが、結果的にコーナー加速がついた外に進路を取った馬で決着している。
つまりラップ的にコーナー外の不利はあったが、そこまで大きな不利ではないし、サトノガーネットにとって得意な展開になっていたはず。
なのに直線いつもの爆発力が見られなかったのは違和感。
この馬は右回りだと爆発力が削がれる分機動力が増し、左回りだと機動力が削がれる分末脚が爆発するタイプ。
なので中日新聞杯の上がり時計や、エリ女の内容には個人的に違和感がある。
恐らくこの正体は劣化or状態不安のどちらかだろう。
この舞台では(左回り)大外回して直線一気の競馬しかできないので展開待ち。
道中徐々に加速ラップを刻む中京2000mは合うので、前走のようにスロー競馬にならず一発ある展開になれば面白い。(復調も条件)
サトノダムゼル
12.9 – 12.2 – 12.4 – 12.0 – 11.8 – 11.9 – 11.8 – 11.7 – 12.5
スロー持続戦。2着に負けたものの逃げたトーラスジェミニに楽をさせすぎたラップ。これは仕方ない。枠の有利もあったがピッチ走法で機動力の裏付けは取れる内容だった。
新潟記念でトップスピードが劣ったように、トップスピードよりもタフさが求められる条件の方が合う。
ただそれでも新潟記念5着は重賞で通用するポテンシャルは最低限あるだろう。
前走が適性条件で、今回のトップスピードが求められる中京2000m替わりはプラスとは言えない。
ただし、今回タガノアスワド、ナルハヤ、ディアンドル、サマーセントの参戦により前半のペースが上がれば後半はタフになる可能性はある。
ペースが流れたインで溜め、直線抜け出して粘り込みが理想。
走法的にも機動力を活かしたいので内枠は欲しい。
サマーセント
12.0 – 10.8 – 11.3 – 11.8 – 12.2 – 12.2 – 12.0 – 11.5 – 11.7 – 12.0
ハイペース持続戦。前傾1.0秒を先行し早仕掛けと展開不利が大きくここは度外視可能。
マーメイドSは内有利のバイアスや斤量有利を活かした分もあるが、外から先行し番手で折り合えたのは立ち回りの上手さを評価する。
とは言え、重賞で通用する能力はこれまで見せてきていない。
機動力や立ち回りを活かして展開やバイアスがハマればだが、中京の芝は内外フラットに変わりつつあるので、トラックバイアスの助けは難しいか。
能力を何かしらで誤魔化したいので、まず長期休養明けで仕上がっているかが最優先課題。
シゲルピンクダイヤ
12.6 – 11.1 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.1 – 11.8
スロー持続戦。先行できたのは大きかったが、徐々に加速していく中京の舞台は今のシゲルピンクダイヤと合っている。
上記であげたように、3歳時の桜花賞のような3F瞬発戦より、徐々に加速していく持続戦のほうが今は望ましい。
走法もストライドに寄り、ギアチェンジからのトップスピード戦よりも、スピードを持続させるようなレース質が合う。
中日新聞杯は先行したこともあるが、適性の高さは前走で見せた通りだろう。
ただ、忘れていけないのがゲート難。
ゲートは出るが入らない。という不安材料があるので正直運も絡む。軸には少々リスキーか。
とは言え、もともとポテンシャルは高いし軽視禁物の馬かと思う。
センテリュオ
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。後続は稍スロー。後方過ぎて届かなかったというより、外をスムーズに加速した好走馬に対し、3.4角馬郡で前に馬がいたことにより加速しずらかったのだと思う。恐らくラヴズオンリーユーと位置が逆なら着は逆だったかもしれない。徐々に加速しないとスピードに乗れないタイプなので、3.4角は前に馬を置くよりか2.3着馬のように外をスムーズにの方が良かったはず。あくまで仮説だが走法などを考慮すると個人的には濃厚な線だと思ってる。
前走回顧を見て分かる通り、この馬の得意条件はロンスパ持続戦。
ギアチェンジ能力が低く、とにかく長く脚を使うレースが望ましい。
そういう点では、中盤から徐々に加速していくこの舞台は悪くない。
ただし後方から外を回すとなると、スパイラルカーブでロスが大きい為その辺りは覚悟の上。
ペースが流れ前がキツイ展開になれば末脚ラストまで衰えずは届くだろうとは思う。
タガノアスワド
速いペースで逃げ、後半はスタミナを活かして粘る競馬を得意としている。
前走の中日新聞杯は得意とは真逆の後傾2.0秒のスローで逃げ、折り合いを欠いたことが全てだろう。
前走は乗り替わりもあってか、らしくない競馬だったし、今回北村友一に乗り替わるのはプラス。
この騎手も積極的なタイプではないが、以前この鞍上でハイペース逃げしている。
その時結果は出なかったが、陣営も前走の反省を活かし見せ場は作ってくる可能性は高い。
とにかく自分の型で逃げられるかどうかだろう。
ただし急坂スタートで前半登っていく舞台なので、前半から飛ばしたら急坂で止まるのは目に見えてはいる。
ディアンドル
距離も長いし、流石に能力は足りないだろう。
テンが速いので逃げ候補だが、これまでスロー逃げの経験なく、ナルハヤやサマーセント、タガノアスワドの存在も考慮すると楽にはいけないだろう。
デンコウアンジュ
12.6 – 11.1 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.1 – 11.8
スロー持続戦。前有利のバイアスで、後方大外ぶん回しでは物理的に届かないし、使える脚が短いので回す競馬はこの馬にとって厳しい。
ピッチ走法で一瞬のキレが売り。
その為外を回すと甘くなり、それが顕著に出たのが、外を回してラスト甘くなりエスポワールに差し返された昨年の中山牝馬S。
先行力がないので、この馬がベストなパフォーマンスを見せる時は基本イン差し競馬。
色々注文付きになるし詰まるリスクもあるが一瞬の脚は鋭い。
全く人気がないなら抑えても面白そうだが、上記の通り可能性は結構薄い。
ドナウデルタ
12.0 – 11.3 – 11.2 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 11.9 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。スタート出負けしてポジション取れず後方から。ワンペースで走ることしかできないので、後方から抜け出す脚はなく凡走は頷ける。
基礎スピードが高く8割程度のワンペースを持続する性能に特化している。
となると、合う舞台は中山1600mや1400mだろう。実際に良績が1400mに集まっているのはその影響。
トップスピードなど能力面が高い訳ではないので、いかに立ち回りで誤魔化せるか。
適性条件から外れるこの距離延長は個人的に好感もてず。
ナルハヤ
とにかくスロー競馬でしか良績を残せていなく、能力の裏付けにはならない。
当日イン前のトラックバイアスをドスロー逃げするくらいしか活路はなさそうだが、馬場はフラットに変わりつつあり、速いペースを好むタガノアスワドもいるとなると厳しいか。
スローになりやすい舞台だが、タガノアスワドの存在と直線急坂がネックだし、そもそも能力面は足りてない。
当日イン前天国でなければ軽視予定。
マジックキャッスル
12.3 – 10.8 – 11.8 – 12.2 – 12.3 – 12.7 – 12.1 – 12.4 – 11.9 – 12.1
ハイペース持続戦。先行勢が総潰れで展開が後方に向いた有利もあった。恐らくトップスピードの持続性は低いが、4角で少しスムーズさを欠き、直線からの加速となった点がラストまで持続できた要因だろう。
この馬の武器はピッチ走法からくる瞬発力とトップスピード。
瞬発戦のオークスでは5着に敗れるものの、後方からインを突き詰まった結果なので悪くはない。
紫苑Sも得意な条件ではないものの、直線接触がありながら4着と優秀である。
ただ今の4歳牝馬世代のレベルが疑問なのと、持続力が求められる舞台で後方からとなると、内で立ち回って誤魔化さなければいけない。
恐らく外を回すトップスピード戦だと、後半持続性能で甘くなる可能性はある。
立ち回りという点でも課題は残るし、この世代で人気するようなら嫌いたいが将来性はあると思う。
ランブリングアレー
12.0 – 11.3 – 11.2 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 11.9 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。外枠が効いたか、道中馬が行ってしまいラスト甘くなった。持続力や機動力はあるが折り合い難はネック。内で壁をつくる競馬に徹したほうが良いか。ただ、ここは適性距離だったし適性舞台でもあった。
2走前のカシオペアSは、次走中日新聞杯勝馬のボッケリーニ、福島記念2着のヴァンケドミンゴ、リゲルステークス3着のレッドガラン相手に結果を残せたのは評価できる。
ボッケリーニとの馬場差はあったとしても、前が苦しい展開を先行押し切りは持続性能を高く評価できる内容。
ここの評価があるので、能力は高いと思う。
ただし、前走回顧で書いたように折り合いがネックで、今回距離延長ローテは馬にとってどうか。
まずは内枠確保して折り合いに徹したいところなので枠は重要。
持続力や機動力を武器としているので、折り合いさえ何とかなれば対応可能ではあるだろう。
リンディーホップ
ストライド走法からくる持続性能が売りだが、トップスピード戦はキレ負けするので上がりは掛かった方が良い。
機動力も乏しく、東京のような広いコースを外で立ち回る競馬が合う。
持続性能という点で中京は合うが、スピードやそもそもの能力値は足りないか。
大穴狙うならまず外枠必須だと思うが、個人的には足りないと思っている。
レッドアステル
12.5 – 11.2 – 12.3 – 12.6 – 12.5 – 12.0 – 11.9 – 12.1 – 12.2 – 12.2
ミドル持続戦。持続質の競馬は苦手ではないが、4角~直線入り口で詰まり、加速に時間が掛かるレッドアステルには厳しく、好走馬3頭は好位からスムーズに抜け出したのでここは不利が痛かった。
4.展開と馬場
土曜のバイアスは開けてみないとわからないが、内外フラット気味になる想定をしている。
展開はミドル前後想定。
逃げ候補はナルハヤ、ディアンドル、タガノアスワド辺りだろう。
タガノアスワドは前走同じ舞台で、本来とは真逆のスロー逃げで終始掛かり惨敗している。
同じ舞台でまた同じことをしてくる可能性は低いと見るのが妥当。
中~外からもナルハヤ始め、ランブリングアレー、カセドラルベル、アブレイズ、サマーセントといった先行馬多数でペースは落ち着きそうにない。
スローまではギリギリ想定するが、昨年の中日新聞杯や金鯱賞のようなドスローは可能性薄と見て捨てる。
ミドル想定となると、後半は少し上がりの掛かる展開になるので、スピードやタフさを兼ね備えた馬に好位中団を取れそうな馬に注目したい。
5.最終予想
◎ 10サトノダムゼル
〇 12レッドアステル
▲ 15シゲルピンクダイヤ
☆ 7サトノガーネット
抑 5.13.14.16