この記事では有馬記念のコース解説ラップ分析、全頭診断をしていきます。
また、引退馬のみ適性チャートを付属しています。
尚、チャートに関しての説明記事は下記リンクから、ご確認よろしくお願いします。
1.コース解説・ラップ分析
前後半3F(36.2-36.1)
6.9 – 11.5 – 11.9 – 12.0 – 12.2 – 12.9 – 12.7 – 12.5 – 11.9 – 12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.3
コーナースタートの中長距離戦で道中に勾配もある為、前半は速くなり中間は13秒近くまで緩むことが多い傾向。
注目はL5からのロンスパ戦になる点。これにより重要適性は持続力と機動力で、上がりは掛かるタフな傾向。
今年は例年の馬場寄り重いことも踏まえ、トップスピードよりもタフさを兼ね備えた馬が高い適性となる。
また、宝塚記念と関連性が高く、距離や舞台の違いはあるが内回りコースやゴール前の急坂、タフなロングスパート戦になる点など、適性が似る部分が多い。(チャート参照)
ただしタフとはいっても、梅雨時期で前傾質の宝塚記念よりも、馬場改修後で梅雨時期ではない中山といった違いもあり、有馬はL2最速の加速ラップが踏まれることから、宝塚記念よりも少しスピードが問われるのが有馬記念。
枠的には内枠が有利で、馬場改修後の2014年以降は馬番1~8番から勝馬5頭に対し、9~16番は1勝しか出来ていない。
これはコーナースタートでコーナー6回という理由や、馬場が速くなりL2最速且つ加速が刻まれることから、大外からの大胆な捲りが大きなロスになり物理的に届かなくなってきていることが原因だと考える。
また、昨年の有馬記念はハイペース戦でイン前の馬が後退したことやコーナーラップの影響から、例年とは違い外を捲った差し馬が馬券内独占。
立ち回りを活かした馬が好走する例年の有馬記念とは別物になったので、昨年の内容はあまり気にしなくていいだろう。
①持続力
②機動力
③タフさ
2.総合S評価成績
3.全頭診断
見解に加え、能力・適性を以下の表のように4段階評価で振り分けました。
※あくまで枠順や追い切り確認前の私個人の評価ですので参考程度までに。
評価の内容 | |
能力 | 単純な能力評価 |
適性 | 「距離」「舞台」「馬場」の適性評価 |
S | メンバー内で抜けていると評価 |
A | 評価は高いが抜けてはいない |
B | 可もなく、不可もなく |
C | 低評価 |
? | 能力または適性が未知数 |
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
オーソリティ
7.3 – 11.3 – 11.1 – 11.8 – 12.2 – 12.1 – 12.8 – 12.9 – 12.6 – 12.6 – 11.3 – 11.2 – 12.4
ミドル瞬発戦。後続はスロー寄り。オーソリティは3~4角を前で溜めることが出来たので、後続よりもアドバンテージがあり、その分着差離すことが出来たのだろう。L1大幅失速だが、もともとタフな東京2500mで馬場も例年より掛かる状態、しかも前半速いペースを大外から先行してポジションを取りに行った+L3~L2(11.3-11.2)を使ったので、この失速も頷けるし持続力が低いという評価に繋がらない。
12.6 – 11.5 – 12.4 – 12.2 – 12.2 – 12.1 – 12.0 – 12.0 – 11.9 – 12.5
ミドル持続戦。スタート接触の不利で後方競馬。前半ロス+3.4角早めの捲り+直線逆手前だったのがラスト伸び悩んだ原因だろう。その前走の芙蓉Sではコーナーロスしながらも、直線左手前に変えてからの鋭い伸びは評価できるし、ホープフルの敗因の裏付けともなる。
機動力に関しても中山で証明済みで、アルゼンチン共和国杯では溜めて瞬発力の競馬で押し切ったが、機動力を活かした競馬も合う。
タイプ的には瞬発持続熟せる万能型だと思っていて、機動力もあるので中山の適性自体は問題ないはず。
懸念点は馬場。青葉賞や弥生賞のパフォーマンスを見る限り、恐らく高速寄りの方が良く、今の時計の掛かる馬場が合うかどうか疑問。
能力が古馬一線級に通用するか疑問だが、斤量の恩恵と立ち回りで誤魔化せれば。その点で言えば鞍上川田に乗り替わりはプラスに働くと思う。
オセアグレイト
13.3 – 12.4 – 14.1 – 13.5 – 12.9 – 12.3 – 13.0 – 13.7 – 13.0 – 13.5 – 14.1 – 13.8 – 13.0 – 12.2 – 12.0 – 11.4 – 11.4 – 12.4
スロー持続戦。イン前有利のバイアスを番手で折り合い勝利。ここで評価できるのは機動力と持続力とタフさ。
タフな流れになったダイヤモンドタフを前で粘り込んだように、スタミナが持ち味な馬で、スピードが求められる舞台や展開はあまり向かない。
能力的にも足りないと思うので、高い評価はできず。
カレンブーケドール
13.0 – 12.0 – 13.2 – 12.8 – 13.3 – 12.5 – 11.6 – 11.9 – 11.5 – 11.5 – 12.2
スロー持続力戦。道中折り合いを欠き気味で、L5でミッキースワローが突つきカレンのペースが上がるも先行勢が着を残し、前5F64.3秒のドスローを考慮すると、ロンスパ持続が得意のカレンは苦しい競馬ではなかった。ただギアチェン不足のセンテリュオには絶好の展開。勝馬に展開が向いたこと、休み明けに加えパンチ不足のカレンなので2着は頷ける。
12.7 – 10.8 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。イン追走の直線馬場の良いところに出してキレ負け。相手は強かったが、同位置のデアリングタクトと上がりタイム0.4秒差はやはりパンチ不足。
この馬の得意条件は持続戦。3F瞬発戦だとギアチェンジ能力とトップスピードで足りずキレ負けする。格下に負けた紫苑Sが良い例だろう。
ただG1レベルで見ると持続戦になってもトップスピードが足りず、これまでの成績からもパンチが足りない。
となるとこの舞台でそのパンチ不足は補えるし、タフさや機動力は持ち合わせているので適性は高い。
特にL5のロンスパ持続戦になりやすい有馬記念では、この馬の持ち味である持続力はフルに活かせる。
上記のように持続力戦ならポテンシャルの万能性で対応できるので、適性は高いがベストは高速の持続力戦。オークスでクロノジェネシスを圧倒したように、ベストはあの条件なのでここが最適性ではない。
また、先行力もあるのでそれなりの枠から立ち回れれば問題ないが、コーナーや直線で詰まるとギアチェンジ能力がないので、ポジション確保は重要。
またどの馬にも言えるが、有馬記念はL2最速ラップが刻まれる為、大胆な大外回しはロスが大きい。
特にカレンはパンチが足りないので、その競馬をしたら極端なトラックバイアスの有利がない限り難しくなるので7.8枠は嫌いたい。
キセキ
12.8 – 10.9 – 11.8 – 12.3 – 12.6 – 12.5 – 12.7 – 12.8 – 12.2 – 11.6 – 11.6 – 11.8
ミドル瞬発戦。L5最後方から一気にポジションを上げそのまま2着。好位から抜け出した勝馬グローリーヴェイズに着差0.1秒負けだが、キセキだけ5F戦をし、スロー瞬発戦が得意なグローリーヴェイズが3F戦をしたので、差し切れないのは仕方ない。
6.9 – 11.1 – 11.4 – 11.4 – 11.5 – 12.2 – 12.3 – 12.1 – 11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0
ハイペース持続戦。後続はミドル寄り。中団後方から外を捲った馬が有利となり、キセキは捲るも4角で稍詰まり気味でスピードに乗れず。5着とはいえスムーズなら馬券内争いの内容で評価して良いレース内容。
12.3 – 10.9 – 11.4 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.4 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3
ハイペース消耗戦。L4からクロノジェネシスと一緒に動き出し2着確保も、勝馬と着差1.0秒の惨敗。ただ後続は着差0.8秒離しており、クロノジェネシスが抜けていただけでキセキの評価を落とす必要はない。スムーズに走れれば、持続力やタフさはかなり評価していい。
この馬の得意条件は、とにかくスムーズに走ること。それができればスピードを長く維持できる能力を持っている。
逆に天皇賞秋で惨敗したように、ギアチェンジ能力やトップスピードは足りないので、有馬記念のように持続力やタフさが求められる舞台は合う。
ただし先述したように「スムーズな競馬」が出来ないともろいし、外をスムーズに走っても折り合いがネックなので、道中折り合いを欠いて無駄に長く脚を使ってしまう可能性があり、かなり注文付きの馬。
ゲートは出るようになったが、出すとJCのように暴走する可能性もある。
まずは外枠からスムーズに。というのが絶対条件なので枠順は重要。
個人的に現状この馬の力を引き出すなら、中団後方からスムーズに追走→ロスがあろうとL5ロンスパ戦をするのが良いか。
ただし昨年は展開利があっての内容。本来の有馬で4角回すのは不利にしかならないので、自分の形で運んでもコーナーロスの不利は確実に受ける点は考慮しないといけない。
クレッシェンドラヴ
12.7 – 10.8 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。道中12秒台中盤の流れの追走で、直線入ってトップスピードに付いていけずそれまで。追走とトップスピードで大敗も、そもそも適性は0に等しい舞台なので度外視。
この馬の得意条件は七夕賞のようなタフさと機動力が求められる舞台。
有馬記念で求められる持続力や機動力は持ち合わせているものの、スピードがまず足りないので、テンが遅く後方からになりがちなこの馬が後方から差し届く可能性は低いと思う。
クロノジェネシス
12.3 – 10.9 – 11.4 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.4 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3
ハイペース消耗戦。L4からキセキと一緒に動き出し2着のキセキと着差1.0秒は圧巻。レース前の雨も向きましたが道中は折り合えたし、我慢できずL4動き出しでもこの大差。馬のポテンシャルやタフ寄りの持続力要素は高く評価できる内容。
12.7 – 11.7 – 12.1 – 12.1 – 11.9 – 12.0 – 11.7 – 10.9 – 11.1 – 11.6
スロー瞬発力戦。L3内の一瞬のキレだけで言ったらフィエールマンより上だったが、トップスピード持続でラスト劣りハナ差の3着。高速ピッチ走法から繰り出されるギアチェンジ能力とトップスピードの高さは再評価しなければならないが、直線長い舞台のTS戦だとやはり甘くなるので、ベストは内回りなど直線が短く機動力が活きる舞台。
天皇賞秋やオークスがTS持続で劣ったように、直線長い舞台のトップスピード戦は不向き。
とはいえ、スロー瞬発力戦を好むフィエールマンに対しこれだけやれたのは、能力面を改めて評価しなくてはならない。
舞台は替わり中山2500m。内回りで機動力が活かせる舞台で今の中山馬場も重たいのはクロノにとってプラスでしかない。
また舞台チャートで説明したように宝塚記念と有馬記念の適性は似る。その宝塚記念であのパフォーマンスなら適性面疑う余地なし。
また距離に関しては、宝塚記念を残り800mで行ってしまったとは言え(12.7-12.7-12.4-12.4-12.4)をよく外で我慢できたし、3歳の頃と比べ折り合い面成長した今なら、舞台適性の高さも踏まえ問題ないと判断します。
逆らう余地なし。S評価とします。
サラキア
12.5 – 11.3 – 12.0 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 11.5
ミドル持続戦。馬場は外有利もコーナー(11.8-11.7)を捲り押し切り勝ちは強い。ピッチ走法で小回りも問題なく、11秒台のワンペース持続ラップにも対応し、L1F加速ラップでまとめた内容は非常に強い。
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。ノームコアが離して逃げ後続はスロー寄り。終始外を回し後方追走。L5辺りから徐々に加速し、個別だとL1最速11.1秒で追い込んでいる。TS持続力というよりも基礎スピードの高さを武器にギアチェンが二段階行えるタイプ(インディチャンプ的な)。個別でL5常に加速ラップを踏めた点もTSや機動力、持続力などの評価は高い。ラッキーライラックが完璧すぎた騎乗だったので、大外捲り競馬の大胆な競馬で、直線鞭を失ったサラキアとの上下関係はここでは付かない。
基礎スピードがあり、府中牝馬Sやエリ女のような2段階ギアチェンが最大の武器。
TS持続は低そうなので、TS持続戦だとラスト甘くなると思いますが、この舞台ならその心配ない。
持続力、機動力、タフさもあり、適性面で疑う要素はなく、阪神2200mのエリ女で高いパフォーマンスを発揮したように中山2500m合う。
距離に関しても、昨年や今年のエリ女を見ていても折り合いは問題ないので延長は対応可能と判断。
ひとつ懸念点は、能力が開花してからの近3走で全て大外回す競馬でしか好走していないという点。
トラックバイアスや展開が向かない以上、この大胆な競馬を有馬でしたらラスト届かない可能性はある。
また、揉まれ弱さがあるので、真ん中~稍外目の枠が理想。
バビット
12.2 – 12.2 – 12.8 – 12.9 – 12.5 – 12.0 – 11.8 – 11.6 – 11.9 – 12.4 – 12.7
ミドル持続戦。L6から加速しL4で最速ラップ→消耗戦に持ち込んで快勝。後続をバテさせ自らは残した内容は持続力やタフさを評価して良い内容。トップスピード不足なので、後続を消耗させる逃げがこの馬の持ち味か。
12.8 – 11.9 – 12.1 – 13.3 – 12.1 – 11.9 – 13.1 – 12.4 – 12.5 – 12.7 – 12.9 – 12.2 – 11.8 – 11.6 – 12.2
スローの持続戦。スタートして前に出すも、大外のキメラヴェリテに端を奪われ、番手から早仕掛けの早バテ。折り合い不安も少し見せていたし、本質的に長距離が合わなかったのが一番の敗因。
菊花賞は距離足りず折り合い不安も考慮すると、今回の短縮はプラス。
この馬は持続力と機動力を武器に、スロー寄りの展開から道中速めに仕掛け後続をバテさせて逃げ切る競馬がいい。
なので持続力と機動力を活かせる中山内回りは、距離が未知だがそれ以外は問題ない。
自分の競馬ができれば、斤量有利も踏まえチャンスはあると思う。
ただし右回りの手前は逆になりがちで、コーナー6回をどう乗り切るか。その辺り改善できれば適性Aを与えたいが。
フィエールマン
12.7 – 11.7 – 12.1 – 12.1 – 11.9 – 12.0 – 11.7 – 10.9 – 11.1 – 11.6
スロー瞬発戦。スタート後挟まれ後方から。直線はスムーズな追い出しから上がり最速32.7秒という豪脚で追い込み2着。ポジションが取れていればあわやがあったかもしれないが、後傾2.9秒は基礎スピード不足のフィエールマンにとって得意なレース質になったからこそ出せた豪脚。本質的に天秋は短いので、ベストは追走楽になる中長距離のTS戦。
6.9 – 11.1 – 11.4 – 11.4 – 11.5 – 12.2 – 12.3 – 12.1 – 11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0
ハイペース持続戦。後続はミドル寄り。中団後方から外を捲った馬が有利となり、アーモンドアイマークの早仕掛けが結果的にラスト交わされた原因かと。キセキと着差なしだが、キセキは4角で稍詰まり気味でスピードに乗れず敗因がある。ポテンシャルで残したような内容で、本質的な適性はここではないか。
トップスピード戦の天皇賞春を連覇や、上記で書いた天皇賞秋のように、この馬の得意条件はスローからのトップスピード戦。
タフさが求められる舞台は適性違いの可能性大。
あとは昨年のようにポテンシャルでどこまでカバーできるか。
また、1週間前の馬体写真で右前足が腫れていることが話題に上がってます。
この点は最終い追い切りやパドックまで追って判断したほうが良いかもしれない。
おまけに今回間隔がいつもより短いので、脚の不安に加え状態面は気になるところ。
ブラストワンピース
12.9 – 11.7 – 12.3 – 11.9 – 11.6 – 12.1 – 11.7 – 11.3 – 11.2 – 11.7
スロー持続戦。スタートで後手を踏み結局後方大外回し競馬。イン前有利の状態でこの競馬では厳しかったし、高速馬場のトップスピード戦はブラストワンピースの得意条件ではない。
12.3 – 10.9 – 11.4 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.4 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3
ハイペース持続力戦。前半大外枠から先行し、ハイペースの展開不利+道悪(陣営コメントより)が4角でガス欠後退の原因の可能性。まだ能力劣化を疑うのは早いか。
大阪杯をTS戦で全く走れていないように、前走のTS瞬発力戦になった天皇賞秋は適性外。
トップスピードや瞬発力が低く、逆にタフさや持続力を武器にする馬なので、とにかく上がりの掛かるレースを得意としている。
2年前の有馬記念を勝ったように、ここの舞台適性は高く評価していて、今のタフな馬場も「スピードが求められずらい」という点でプラス。
有馬とリンクする宝塚記念を凡走ですが、上記の理由により、まだ見切りを立てるのは早いと思うので、ここの結果で判断したい。
ペルシアンナイト
12.5 – 11.0 – 11.4 – 12.0 – 11.6 – 11.0 – 10.8 – 11.7
スロー瞬発戦。イン前決着を後方大外ぶん回しでは物理的に届かないし、それでもグランアレグリア・インディチャンプと同じ上がり2位の33.2秒を使って追い込めたのは能力の裏付け。
この馬の得意条件は基礎スピードがあまり問われない(マイル質くらいまでが範囲)トップスピード戦が得意。
その証拠に札幌記念や富士S、毎年のマイルCSでしっかり脚を使えていますが、1400質の基礎Sが問われた安田記念では弾けず。
走法もストライド寄りで機動力は低く、コーナー角緩く中間も緩むトップスピード戦がベスト。
となると機動力が求められ、後半タフさが問われる有馬の舞台は適性違い。
モズベッロ
12.3 – 10.9 – 11.4 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.4 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3
ハイペース持続戦。展開と雨で後方外に展開や馬場が向き、その恩恵あっての3着。ただタフさや持続力がなければ結果に繋がっていなかったのでその点は評価。
6.9 – 11.2 – 11.7 – 12.9 – 12.6 – 13.2 – 12.7 – 12.0 – 11.3 – 11.8 – 12.4 – 11.7 – 12.5
ミドル持続戦。前半流れて中間緩んだ分、後方捲り勢に展開が向いた。天春3着馬のミッキスワローに敗れるも、直線勝馬に被せられる不利のなか着差0.2秒は十分な内容。
持続力やタフに関して、日経賞や宝塚記念で証明している通り持ち合わせている。
この馬の特徴は、下り坂で加速を付け持続力で追い込むというタイプの馬。
なのでベストは京都外回りとなるが、中山もL5前に下り坂があるので、坂加速という点と日経賞の内容も踏まえ中山適性は問題ない。
ただ先行出来ないのはやはり厳しく、どうしても大外回す大胆な競馬でロスは覚悟しないといけない。
また、宝塚記念後に怪我をしてからの臨戦。宝塚記念以来の参戦で、追い切りなどは確認した方が良い。
ユーキャンスマイル
7.3 – 11.3 – 11.1 – 11.8 – 12.2 – 12.1 – 12.8 – 12.9 – 12.6 – 12.6 – 11.3 – 11.2 – 12.4
ミドル瞬発戦。後続はスロー寄り。3.4角溜めに徹した1.2着馬に対しL4からポジションを押し上げた分はロス。直線も稍詰まり気味で伸びない内を選択したことにより伸び負けた。能力負けではない。
12.7 – 10.8 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。いつも通り後方で折り合って、という競馬でしたが直線いつもの伸びはなく。後続は12秒台前半くらいで流れてたと思うので、その追走でいっぱいになってしまった可能性はある。ただ昨年の天皇賞秋はこれ以上のペースでラスト差し込んできたので、状態面も良くなかったか?JCの最終追い切りはかなり軽かった。
基礎スピードが低いで、全体的にラップバランスが緩むトップスピード戦が得意条件。
となると天皇賞春やアルゼンチン共和国杯が適性条件となり、トップスピードよりもタフさや機動力が求められる有馬記念は少し適性違い。
阪神大賞典を快勝しているように、長距離質のタフさは持っているが、基礎スピードや先行力が足りないので、後方で立ち回るしかない。
その点、この舞台で後方一気は展開待ちなので、直線長いコースがやはりベスト。
また右回りだともたれる癖があり、阪神大賞典のようにラチを頼る走りをしないと厳しいのでベストは左回り。
ラッキーライラック
12.3 – 10.9 – 11.4 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.4 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3
ハイペースの持続力勝負。前半ハイを先行してしまい、早仕掛けだっとことを踏まえるとよく6着に残したと言える。レース質は合わなかったと思うが一応度外視はできる。
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。ノームコアが離して逃げ後続はスロー寄り。後続は前半~中間溜めの効く展開でL4仕掛け、そのまま押し切りといったレース内容。仕掛けは早かったものの高速馬場と前半溜めの効いた展開が向き、L3で仕掛けたサラキアに着差0.1秒粘った内容。内容は強いがこの時のサラキアはL1最速ラップ。サラキアがもう少し仕掛けが早いか、鞭を落とさなかったら逆転はあったかもしれない。
この馬の得意条件は前半~中間緩む流れの、後半トップスピード戦。
宝塚記念は展開不利が大きかったが、ダノンキングリーに負けた中山記念や札幌記念など、ペースが速かったり溜めの効かないワンペース戦だと後半の爆発力は削がれる。
機動力は平凡。タフさも高くはないので、適性は有馬とマッチしない。
この馬が好走するとしたら、大阪杯のように機動力を誤魔化しながらの競馬をしたいので内枠確保は欲しい。
またタフな馬場寄り、大阪杯や今年のエリ女を制したように高速寄りのキレイな馬場でTS持続が活かせる舞台の方が良い。
仮に前半~中間スローで行っても、この舞台では得意のトップスピードも削がれる為、展開やポジションなど完全に向いたとしても勝ち切るまではどうか。
ラヴズオンリーユー
12.6 – 11.1 – 11.2 – 12.3 – 12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.8
ミドル持続戦。ノームコアが離して逃げ後続はスロー寄り。結果的に3.4角外の捲りは有利になりましたが、外のサラキアの方がロスは大きく、仕掛けが若干速かったとはいえ持続戦でサラキアに切れ負けしたことから、やはり内回りよりも外回りの方が合う。
オークスのパフォーマンスがこの馬の中でのベストと考えると、得意条件は高速馬場の持続戦。
TSが若干足りなく、コテコテの上がり勝負になりにくい中長距離質の持続レースが合う印象。
ストライドが広く、前走の捲り差しは外をスムーズに回せた分良かったが、機動力が高いという評価には繋がらない。
コーナリング不足から、この舞台でも多少のロス覚悟で外をスムーズに加速したほうが良く、内で包まれるとそれまでなので中~外目の枠の方が力は出せる。
ただ今の中山の重い馬場はこの馬には合わないし、コース解説でも述べたように大外回しのロスは大きい。
高速馬場の持続戦でこそハイパフォーマンスが期待できるので、ここの適性は低いか。
ワールドプレミア
12.7 – 10.8 – 11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 13.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。イン追走の直線真ん中に出してスムーズな競馬。休み明けで追い切りも重かったので、特に弱いとは思わないが、有力馬が追い出してからの追い出しだったので、勝ちに行った着ではなく拾いに行った着。叩き台としては良いレースにはなったが、特別強さは感じない内容。
6.9 – 11.1 – 11.4 – 11.4 – 11.5 – 12.2 – 12.3 – 12.1 – 11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0
ハイペース持続戦。後続はミドル寄り。中団後方から外を捲った馬が有利となった中、最後方からコーナー加速できずコーナー出口でようやく加速。直線は前がバテたことで届いたようなレースで、内容としては4.5着のフィエールマンやキセキの方が上だったと思う。
この馬はストライドが広く瞬発力は欠けるが、スピードの持続性能が非常に高い。
昨年有馬記念を3着に好走しているが、展開が崩れ普段不利になる外の捲りが効いた関係で出口付近での加速がつき、且つ前が潰れたので差してこれた。
本来なら機動力不足で差し損ねが起きていた可能性大なので、持続質の馬でも機動力や走法の関係から本質的に中山内回りは合わない。
あとは本来の調子が戻っているかどうかと言ったところ。最終追い切りである程度見極めたい。
4.最終予想
◎ クロノジェネシス
〇 カレンブーケドール
▲ ラヴズオンリーユー
☆ サラキア
△ ブラストワンピース
抑 1.3.6.8.12.13
◎ー〇▲☆△ 馬連
◎→〇▲=〇▲△☆抑 3連単
クロノが不利or状態最悪以外で連を外すとは思えない(あくまで個人的意見、8割仕上げでも外さないと思ってる)なので、馬連で拾いつつ3連単狙いに行きます。