菊花賞2021【全頭診断+適性チャート】

この記事では菊花賞を適性チャートを使用して全頭診断していきます。
よろしくお願いします。

 

1.コース解説

 

道中の勾配もあり比較的ゆったり流れ、後半はスピードが問われやすいのが例年の京都開催で行われる菊花賞。

ただし今年は阪神開催となるので、狙い方が少々変わってくる。

下り坂スタートで前半下っていく関係で、前半のペースが締まりやすく、急坂2回を経験するコース。

内回りで直線が短いので、各馬早めのスパートになりやすい特徴もあり、京都に比べてスタミナ職が強くなるのが阪神3000mの特徴。

初の長距離となる菊花賞の舞台は、比較的ペースが流れにくい特徴はあるが、それでも内回りの影響で仕掛けは早くなる可能性が高く、スロー気味で進んでも長距離+急坂2回のロングスパート戦ともなれば後半はスタミナが問われる可能性が高い。

 

 

2.全頭診断

※除外対象馬に関しては確定次第追記します

※適性チャートに関しては、下記見本を参照下さい

 

アサマノイタズラ

水仙賞は内で包まれそれまでとなったが、スムーズなら十分勝ち負けした内容。

スプリングSでは直線一気のヴィクティファルスの強襲に差され2着と敗れるが、直線追い風の影響が強く、外差しがとにかく決まるバイアスだったので、バイアスフラットなら勝ちまで見えていた内容。

皐月賞はテンで主張し、コーナー外の遠心力的な負荷が大きかった分と理由は付く。

前走のセントライト記念は、緩まず淡々と流れたロングスパート戦で差し有利の展開を、後方から差し競馬という形でバイアスには乗れたが、ここでの機動力は高く評価できる内容で、内回り適性に関しては申し分ない。

また、ストライドは伸びる方だが、掻き込み系の走法で高速馬場よりか道悪の方がパフォーマンスは向上するタイプかと思う。

今週は雨予報はないものの、春と比べると馬場のクッション値は低いので、良馬場だがそれなりのパフォーマンスは出せる。

適性的にスピード性能は劣るので、例年の京都よりか阪神の方が合う印象で、後半上がりが掛かれば対応できてもおかしくない。

内枠確保で後ろすぎずロスのない競馬ができれば。

 

 

アリーヴォ

溜めてキレる脚よりも、上がりの掛かる中距離質系の持続力勝負がベスト。

評価しているのは2走前の国東特別。

逃げ馬はハイペースで淡々と逃げ、後続はミドルペースからのロングスパート戦のような競馬になったが、次走昇級を決めたカレンルシェルブルがコーナー内でロスなく立ち回ったのに対し、アリーヴォはコーナー外で負荷を受けながら脚を最後まで持続させた内容は評価できる。

阪神3000mのロングスパート戦に対応できる可能性は高いので、適性面の評価はある程度与えたい。

ただし相手関係的に一枚劣る印象なので、枠やバイアスで誤魔化したかったが、外枠は少々割引。

 

 

エアサージュ

長欠明けからの2連勝だが、単騎逃げ+上がりの掛かったレース質が合わさった形もあった。

大トビな走法で、上がりの掛かるロングスパート戦に強いイメージで阪神3000mは熟せる印象もある。

ただし馬格があり前走は532キロと馬体重を近2走で26キロ上げてきた辺りで、長距離適性という点では少々疑問が浮かぶ。

前走からの斤量4キロ増+相手強化でどこまで戦えるか。

 

 

オーソクレース

トップスピード性能よりも持続力やスタミナを活かすようなタイプ。

アイビーSでは東京で上がり最速とは言えL3(11.4-11.4-12.4)であれば、コテコテのトップスピードは求められていない。

タフな持続力戦になったホープフルSでしっかり2着に好走したように、ベストはタフな持続力戦の中長距離。

前走は休み明けということもあり、ズブさも見せ結果的にキレ負けしたが、叩いて延長ローテであれば前走以上にパフォーマンスを上げてくる可能性がある。

枠に関しては、揉まれない方が良さそうではあるが、フルゲート大外枠のロスを考慮すると割引要素とはなる。

 

 

グラティアス

ピッチ寄りの走法で機動力が高く、小足が使えるタイプでもある。

京成杯では、その特徴を活かしインベタからイン突き、コーナー後加速で突き放して、NZT2着になるタイムトゥヘヴンに着差0.4秒は立派。

この時ドスロー展開でポジションの利は大きそうだが、前半2~3F目で(10.9-14.0)の減速3.1秒を先行勢は食らっているのでここの負荷は大きく、ドスローながら他の先行勢は直線で伸びきれていないので京成杯は高く評価している。

皐月賞は6着と負けはしたが、外枠から外を回し続けたのはピッチ走法なことも踏まえても距離ロスは大きかったし、掲示板の馬はこの馬よりも内を回した馬での決着。

4角でも外へ弾かれる不利があり、内枠から立ち回れていれば2着あたりまで争い可能だったはず。

ダービーに関しては差し有利決着を前で踏ん張って8着は悪くないし、そもそも中山>東京なので適性外の一戦。

前走のセントライト記念は、ペースが淡々と流れたロングスパート戦を外枠から先行したバイアス不利を受けての敗戦で理由は付く。

適性的には皐月賞の評価と、この馬の基礎スピードを考慮すると3000mのスタミナ戦は少々適性外の印象。

馬格もあり、どちらかと言えば中距離に適性があると思う。

今回大外枠を引いたこともあり、別の機会に狙いたい。

 

 

ステラヴェローチェ

この馬はストライド走法で持続性能に長けていることが武器。

究極の上がり勝負では世代トップクラスにキレ負けする可能性はあり、それが顕著に出たのが共同通信杯。

後継-3.6秒、1000m通過1分1秒9と風の影響もあり超ドスロー競馬。

他馬より斤量+1キロはギアチェンジ区間で重荷になっただろうし、こういったトップスピードが問われる究極の上がり勝負ではキレ負けしてしまう。

逆に上がりの掛かるタフなレース展開でパフォーマンスを上げる傾向にあり、不良馬場で行われたサウジアラビアRCでは着差0.5秒で圧勝し、不良馬場の消耗戦になった神戸新聞杯もレッドジェネシスと僅差ではあるが、後続を離した1.2着で評価できる内容。

ダービーに関しはキレ負けしたものの、後半5F戦なら長く良い脚を使えるので、そういった点でしっかりと追い込めた。

とにかく持続性能に長けている馬で、阪神内回りコースで求められる持続力は足りている。

基礎スピード的にベストは中距離の持続力戦なので、距離適性には少々疑問だが、各馬距離適性に疑問が生じる舞台でもあるので、自力で対応する可能性はある。

 

 

セファーラジエル

ハイパフォーマンスだった2走前の通り、良馬場でのロングスパート戦に適性がある印象で持続力タイプ。

今回も良馬場で持続力が求められそうな点は良いが、馬格が520キロ台と大きく、長距離よりも中距離路線のタイプかと思う。

相手関係強化も踏まえ評価は下げる形で。

 

 

タイトルホルダー

この馬の得意条件は、上がりの掛かるタフな展開でスタミナや底力を活かした先行粘り込みがベスト。

折り合いさえ成長すれば距離は伸びた分だけ良いタイプに思える。

皐月賞は前傾0.7秒のレースを番手で運び、ラスト5F手前でレッドベルオーブに被され、それにつられてペースアップ。

そのまま端へ立ってL5(11.4-11.9-12.1-12.3-12.6)を粘り切った。

確かに内を通した馬にバイアスは向いたが、推定個別ラップではL3(12.4-12.3-12.8)程度でラスト2F目に加速ラップを踏めており、ロングスパート戦を前で受けて加速を踏めたのはスタミナという点でかなり高い評価をしていい内容だった。

ダービーに関しては距離ではなく、得意ではないスピード勝負でキレ負けした形なので度外視。

前走のセントライト記念に関しても、前半緩まず淡々と流れたロングスパート戦で差し有利の中を先行し、終始馬群で動けず直線も詰まり+接触で全く追っていないので度外視。

阪神3000m延長であれば、これまで以上にこの馬のスタミナを活かすことができるので、巻き返し要素は十分。

 

 

ディープモンスター

ストライド走法でトップスピードで好走するタイプではなく、中長距離的なタフさと持続性能で追い込む馬かと思う。

エリカ賞ではL2(11.1秒)が刻まれたラップで、上がり最速とは言え他馬比較で抜けられず、アドマイヤハダルを捉えられなかった点からもTS質はそこまで高くない。

後半時計の掛かるようなレースがベストなのだろう。

すみれSではスタート後にヨレて後方から、直線一気で追い込む大味な競馬で快勝し強そうには見えるが、ラップ的にはハイペース中弛みで後方超有利の展開。

相手関係的にも疑問で評価としては難しい内容ではある。

皐月賞では基礎スピード的にも忙しめの競馬で、ラストは良い脚を使えているが追い込み切れず、ダービーでは差し有利展開を道中捲って先行抜け出しを計るような競馬でバイアス不利を受け、直線で進路カットされそれまでとなった。負けすぎた要因は間隔詰めで使い続けた分もあっただろう。

中長距離のタフなレースがベストだとは思うが、キレ負け要素を考慮すると阪神3000mへの延長はこの馬にとってはプラス。

休み明けローテでどこまで仕上がっているか次第だが、春の内容から人気はしないと思うので、舞台替わり+鞍上で抑えて損はないかと思う。

 

 

ディヴァインラヴ

とにかくスピードの持続性能に長けた馬で、ロングスプリント戦がベストなラップ展開かと思う。

というのは、近2走を後半スピード特化の持続力戦で勝ち切ってきた辺りからも評価できる。

この手のタイプは、阪神3000mよりも京都3000mでスピードを活かせるほうが良いので、今年の阪神開催はプラスに働きにくい印象。

揉まれ弱さを見せるので、外枠は良いが多頭数替わりは少々割引材料。

牝馬なことを踏まえても、スピード比べではなくスタミナ比べとなる阪神3000mで牡馬相手だと少々分が悪いか。

 

ノースザワールド

使い詰めディープに、相手強化+多頭数替わり+相手強化で買い材料に欠ける。

ここは静観。

 

 

 

モンテディオ

3走前は太目残り+落鉄の影響で度外視。

その後しっかり勝ち切り、神戸新聞杯は3着に好走。

上がりが掛かった方が良いタイプで、タフな中京2200m+不良馬場で適性的にも高く出た。

着は離されたが、先行馬不利の展開を前で唯一粘り切った持続力やスタミナも評価できる内容。

長距離への対応がひとつ鍵となるが、良馬場でもタフなスタミナが問われる阪神であればこの馬の持ち味は活かされる。

差せる脚より受ける脚の方が優秀なので、ポジションを取れればワンチャンス粘り込めても良い。

 

 

レッドジェネシス

上がりの掛かる消耗質系のレースに適性のあるタイプで、上がりの掛かる競馬で成績を残してきている。

京都新聞杯ではL5(11.4-11.5-11.5-12.0-12.6)と早めにラップが速くなった関係で後半上がりの掛かるレース質になったことが好走要因。

前走もタフな中京2200m+不良馬場に寄り消耗質のレースとなったなか、その流れを得意とするステラヴェローチェに着差なしの2着であれば十分な内容。

今回良馬場開催ではあるが、京都新聞杯を勝ち切っているように、後半上がりが掛かれば十分適性圏内なので問題ない。

3000mへの対応は鍵だが、タフな22~2400mを熟してきているだけあって、スタミナ的な要素は足りても良い。

間隔は詰まるディープ産駒ではあるが、叩いてもパフォーマンスは落とさない傾向でそこまで気にしない。

人気は背負うだろうが、内枠確保で特に嫌う要素は見当たらない。

 

 

ロードトゥフェイム

とにかく上がりの掛かる条件を好むタフな消耗質向き。

ピッチ走法で機動力もあり、適性条件としては小回りタフな舞台。

スプリングSでは、コーナー外でL4通過後から早めに動いた分がラストの甘さで、それでも直線垂れず上がり時計ではイルーシヴパンサーと同タイムなら評価できる内容。

長距離延長とはなるが、前走で小回り2500mのタフな競馬に対応してきただけあって、阪神3000mでは少々無視できない。

今回斤量増+相手強化となるが、妙味はあるし内枠確保で抑えは必要かと思う。

 

 

ワールドリバイバル

今回も逃げて展開を作る想定ではあるが、となれば距離は長い印象。

セントライト記念では楽に行けず、結果的に緩めるとことで緩められなかった凡走なので理由は付くが、ラジオNIKKEI賞は先行馬有利の展開での好走とバイアス通りの競馬。

ここまで強い内容がなかっただけに、相手強化+距離延長では買い要素に欠ける一頭。

 

 

ヴァイスメテオール

リンシパルSはスロー前残り決着を、後方一気で3着馬と着差なしまで追い込んできた内容。

上がバジオウ、ディオスバリエンテ、タイソウなら十分で相手関係的にも評価していい内容で、適性的にも瞬発力を活かすよりもタフな持続力が武器かと思うので、適性外で展開不向きな条件をこの内容で勝ち切るなら高く評価したい。

そのタフな持続力が活きたのが3走前と前走のラジオNIKKEI賞。

相手関係は確かに弱いので、ここの着差は気にしていないが、パフォーマンスには注目したい。

各馬道悪で消耗している中、3.4角を後方から早めに動き、ゴールまで衰えず脚を使えている。

自力が抜けていたので尚更強くは見えたが、この馬のタフな持続性能は十分に証明した内容でもある。

ラジオNIKKEI賞でも、小回りタフな舞台で機動力と持続力を存分に活かしたような内容で完勝。

今回距離延長は鍵となるが、小回りタフな点で言えば阪神3000mにも通ずるものがある。

ただし、良馬場+外枠は少々割引材料として考えているので、オッズ次第では抑えが必要なタイプ。

 

 

ヴィクティファルス

先行して小足を使って抜け出すような競馬がベストだろう。

外回りトップスピード戦だと共同通信杯2着の実績はあるが、トップスピード性能だとエフフォーリアやシャフリヤール相手に劣る内容。

この馬の特徴は持続力や底力的なタフな要素であり、これらを考慮しても、やはりベストは先行して前目から機動力と持続性能で抜け出し粘り込む形。

ただし先行出来ないのがこの馬の弱みであり、ハーツ産駒の若駒に見られるトモの発達遅れが先行力に影響しているのだろう。

スプリングSでは後方一気の競馬内容だったが、道悪適性+直線追い風(強風、推定6m)の影響をモロに受けた形となり、ラストの末脚を大幅に後押しした形となったため評価は難しい。

皐月賞は着差1.5秒の惨敗だったが、4角接触で外に弾かれその後進路カットされている関係で勝負になっていないので、着差に関しては度外視で良いが、不利なくても掲示板は難しかっただろう。

セントライト記念では、後方差し展開で向いた流れも、3.4角詰まり直線でも追い出しが遅れたこともあったが、ゴール前で甘くなっているあたり、脚の溜まらない展開はあまり向かない印象で、基礎スピード的に距離延長はプラス要素。

自力に欠ける点はあるが、適性的に阪神内回りコースは好条件。

ただし大外枠確保は少々割引材料、池添であればそのまま外を回すような形も考えられるので、その辺りで噛み合うか。

前が潰れる展開であればワンチャンス。

 

 

ヴェローチェオロ

前走三田特別では、タフな阪神2200mのロングスパート戦を捲り競馬で上がり最速を出している通り、タフな持続力勝負に強く、オヌールを破った辺り相手関係的にも評価していい内容だった。

ゴールドシップ産駒と言うこともあり、スピード比べよりも上記の通り、タフな持続力勝負に適性があるので、今年の阪神開催はプラス要素。

今回斤量増+相手強化とはなるが、長距離を走れるだけのスタミナは前走で証明済み。

自力的にも内回りコースでればワンチャンスあっても良い。

 

 

 

 

3.想定テン1F順位 & 適性マトリクス

12.3 ワールドリバイバル
12.5 タイトルホルダー
12.6 エアサージュ
12.7 アリーヴォ
12.7 グラティアス
12.7 セファーラジエル
12.8 オーソクレース
12.8 ディヴァインラヴ
13.0 ヴァイスメテオール
13.0 ヴェローチェオロ
13.2 ディープモンスター
13.2 ヴィクティファルス
13.3 ステラヴェローチェ
13.3 アサマノイタズラ
13.3 ノースザワールド
13.3 モンテディオ
13.4 レッドジェネシス
13.5 ロードトゥフェイム

※適性マトリクスとは?
適性マトリクスとは、適性チャートのグラフ形状と想定テン1Fから算出されたもので、適性同居の可能性を可視化したものです。
基本的に縦軸の適性グループ別に馬券内同居が起こりやすいとされており、更に絞りたい場合は脚質同居(各ブロック)まで考慮することが出来ます。
ご自身の本命馬と照らし合わせるなどして、紐選びの参考にお使いください。
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