1.コース解説・ラップ分析
※今年は中京開催の為、同舞台の中京記念を参照
前後半3F(34.8-35.1)
12.3 – 11.1 – 11.3 – 11.6 – 11.7 – 11.4 – 11.6 – 12.1
中京記念では前傾質から向正面の丘で緩む+直線急坂の影響で、逃げ馬には厳しいコース。過去8年で(0-0-0-8)とデータ的にも逃げ馬は壊滅している。
この影響をモロに受けているのは逃げ馬だけではなく、先行馬の成績も伸び悩んでおり、後方差し馬の複勝率がトータルで一番高い。
このような傾向から、中京マイルはJRAの芝マイルの中でも逃げ先行馬が一番苦戦する舞台と言われている。
今年のメンバー見渡す限り、逃げ馬不在とはなっているものの、前哨戦で使われるレースでもないので、極端なドスロー競馬は想定しずらく、展開はミドル~稍スローを想定。
①持続力
②タフさ
③スローならトップスピード
2.2020年度:総合S評価成績
3.全頭診断
見解に加え、能力・適性を以下の表のように4段階評価で振り分けました。
※あくまで枠順や追い切り確認前の私個人の評価ですので参考程度までに。
評価の内容 | |
能力 | 単純な能力評価 |
適性 | 「距離」「舞台」「馬場」の適性評価 |
S | メンバー内で抜けていると評価 |
A | 評価は高いが抜けてはいない |
B | 可もなく、不可もなく |
C | 低評価 |
? | 能力または適性が未知数 |
※除外対象馬に関しては確定次第追記します。
※チャートや一致率はあくまで目安でお考え下さい。ベースは見解です。
エントシャイデン
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.1 – 11.8 – 11.1 – 10.8 – 11.7
スロー瞬発戦。溜めてトップスピード戦は得意な流れも、いつもと違ってポジションを上げる競馬で掛かってしまい、本来の溜めて弾ける姿が見られなかった。度外視はできる。
得意条件はトップスピード戦。持続性能もあるので、トップスピード戦における柔軟性は高く評価していい。
ただし良馬場ベストで溜めの効く展開でこそ弾ける馬で、溜められないと関屋記念や前走のように不発に終わってしまう。
今回逃げ馬不在なのは救いで、溜めが効けば末脚の万能性から好走のチャンスはある。
折り合いをつかせるために内枠で溜めに徹する競馬がベストで、馬郡は割れるので詰まるリスクよりもメリットはあるだろう。
ケイアイノーテック
12.4 – 10.6 – 10.8 – 11.6 – 12.0 – 11.5 – 12.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドル。展開は後方、馬場は外に向き外差しバイアスがハマった形。
毎回終いの脚は堅実も、脚質と爆発力が地味に足りなくいつも掲示板付近にいる馬。
前走のようにハマる形でないと馬券内に追い込んで来れない。
ただ中京マイルはコース解説で述べたように、JRAの芝マイルの中で一番逃げ先行馬の成績が悪い舞台でもある。
徐々に加速を付けていくタイプなので、L5からの下り坂で加速がつきやすく持ち前の持続力が発揮できるのはプラス。
あとはペースが流れて追い込みが届くようなら2.3着までなら可能性はあるも、軸向きではない。
展開頼みなのは一致率が表している通り。
ケイデンスコール
ケイアイノーテックと同系統だと考えており、展開待ちの後方一気の馬だと思う。
得意条件は左回りで急坂なしのコース。
となると、中京の舞台は差しが届きやすい舞台なだけあるが、この馬の追い込みは個人的に期待しずらい。
ベストは東京1400~1600mで差しの届く展開が想定されるときに抑えたい。(そんな展開なかなかないので穴を開けられてない)
今回、馬券内期待値的にはケイアイノーテックを上に取る。
サトノアーサー
12.2 – 10.9 – 11.5 – 11.7 – 11.5 – 11.3 – 11.6 – 12.4
ミドル持続戦。先行勢が垂れ、最後方の内で脚を溜められたのが良かったし、ペースも流れて一瞬のキレよりか持続性能が求められた点で差し切れたと思う。
この馬の特徴はストライド走法からくる持続性能と荒れた馬場も苦にしないタフさが持ち味。
瞬間的なキレが求められる3F戦や高速馬場では持ち味は出ないが、L5から下り坂が続く舞台は合う。
実際に勝った関屋記念や2着の六甲Sは、道中徐々に加速ラップが踏まれ持続性能が求められた。
前走は荒れた内を通ったのが全てだろう。
中団あたりで脚が溜まれば、差しも届く舞台なので馬場や展開次第で一発はあると見ている。
スローで後方だとTS不足で届かなくなるので、理想は関屋記念のように流れてほしい。
ただし今回逃げ馬不在。トップハンデ57.5も少し重いか。
シュリ
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.1 – 11.8 – 11.1 – 10.8 – 11.7
スロー瞬発戦。これまで上がりの掛かるようなレースでタフさが目立っていたが、しっかりスローで折り合いTSでねじ伏せた内容は評価していい。気性が激しく内枠と武豊乗り替わりは効いたか。
2走前の納屋橋特別(中京マイル)では、前半出していって行きたがる面を見せたように、気性が前向きで馬のリズムを大切にする武豊への乗り替わりは効いていると思う。
ただそれでも、気性難を見せた2走前は前傾質のレースで差しも届く中、先行して押し切ったのは強い。
馬場が渋らなければマイル路線は問題ないと思うし、器用さもあるのでコーナー角キツイ中京でも立ち回りは活かせる。
現状能力が重賞で通用するかやってみないとわからない面はあるが、極端なハイペースか差しバイアスでない限り大崩れはないだろう。
スマートオーディン
流石に馬齢の衰えを感じる。
展開待ちの後方一気だけだろうが、右回りのほうがまだいい。
ここは軽視。
タイセイビジョン
12.4 – 10.6 – 10.8 – 11.6 – 12.0 – 11.5 – 12.2 – 12.3
ハイペース持続戦。後続はミドルだったので位置取り的には文句なし。マークしたラウダシオンに着差0.4秒は力負け。ラウダシオンより斤量が2キロ軽かった点でも能力差が目立ったか。気性面も課題だが、適性条件の展開で力負けは評価できない。
この馬の持ち味は1400質の基礎スピード。
アーリントンは基礎スピードの高さを見せて勝ったし、NHKマイルは4着も前半不利+掛かった消耗が痛かった4着。
ただ前走の富士Sは上記のように得意条件で力負け。
夏を越えて馬体が増えていない点も成長度合いに少々疑問を感じる。
また高速馬場が理想だが、今の中京の馬場は高速使用とまでは行かないので、その点も合わないか。
理想の展開は流れてスピード競馬になることだが、逃げ馬不在がどうでるか。
トリプルエース
12.6 – 10.5 – 10.8 – 11.4 – 11.8 – 12.0 – 11.4 – 12.1
ハイペース持続戦。後続はミドル。好位で立ち回り抜け出しての内容。溜めてTS戦にならなかったのは展開が味方したが、勝時計はリゲルSのシュリより上だし、休み明け20キロで成長分あり。
基礎スピードや持続力に長けた馬で、溜めてトップスピードのマイル質ではなく、速いスペードを持続させる1400質向きな馬で器用さも武器。
前走も後続はミドルだったとはいえ、溜めてTS戦にならなかったのはこの馬向きの展開になった。
それでも休み明けの馬体重+20は成長分で、リゲルSがスローだったとはいえ、シュリの勝時計より0.5秒速い結果だったのは評価しなくてはならない。
今回スローからのトップスピード戦になればキレ負けする可能性はあるが、流れてくれれば先行好位から押し切れるだけの能力は成長分込みで期待できる。
ピースワンパラディ
12.0 – 10.5 – 11.6 – 11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.5 – 11.9
ミドル持続戦。ドナウデルタに敗れたが内外差分なので能力負けではない。
中京マイル(2-2-0-0)の通り、道中徐々に加速がつき差し脚が届く舞台というのは合う。
この馬は瞬発持続兼ね備えた万能型だと思っているが、持続質によった馬だと思っていて、馬が集中していないと青葉賞や精進湖特別のようにエンジンの掛かりが遅くなる。
その点、L5の下り坂から徐々に加速が付けられ、直線急坂で前がバテ差し届くこの舞台の適性は成績通り高いと思う。
福永乗り替わりがどう出るかだが、適性面の高さから軽視は禁物か。
ブラックムーン
スピード寄りの馬だっただけに、流石に馬齢による衰えが見える。
流石に重賞では厳しいか。
ボンセルヴィーソ
12.4 – 11.1 – 11.5 – 11.7 – 11.6 – 11.7 – 11.7 – 12.2
ミドル持続戦。イン前のバイアスに乗っかったのはあるが、持ち味の機動力と持続力を活かせる枠と舞台設定は向いた。L2の個別ラップだけだと勝馬のトロワゼトワルよりも速い点も評価できる。
2走前のスワンSは4角~直線入り口で窮屈さが出てか直線逆手前。
前走は機動力が活かせない舞台で適条件ではなかったが、持続性能で粘り込んでの4着。
中京替わりはプラスになるが、機動力だけでは難しい舞台。
走法を活かして上手くイン前で立ち回れればチャンスはありか。
まずは内枠が欲しい。
メイケイダイハード
スタミナを取柄としているだけあって中京記念はハマった感が強い。
超ハイペースになればワンチャンス出てきそうだが、流石にその展開は想定できない。
もし買うとしたら、超ハイペース戦見込める右回りで。
ラセット
12.0 – 10.5 – 11.6 – 11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.5 – 11.9
ミドル持続戦。前傾1.0秒で後方に展開が向いての3着。2着馬ピースワンパラディに着差0.1秒は評価していいが、L1付近で逆手前となりふらつき伸びを欠いている。伸び切れていれば勝ち切るまであったかもしれないが、やはりベストは右回りか。
後方一気でバテ差しが効きやすい1400m質のレースが合うと思う。
溜めての競馬だと物理的に後方からでは届かないのは、前走のリゲルSを見ての通り。
マイルだと2走前のように前傾戦でハイペース寄りになった方が良い。
今回ペースがハイペース寄りになる可能性は低いが、差しの効きやすい中京なら展開次第では警戒はした方が良い。
ただベストは右回り。
2走前の中京ではL1付近で逆手前でふらつき伸び切れず、過去にもう1つ左の中京でやっているが手前変換はスムーズではなかった。
ちなみに京成杯AHでも直線手前が変っているが、ぶつけられバランス崩しての変換なので右回りによるものではない。
レッドアネモス
12.6 – 11.3 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 11.8 – 11.7 – 12.0 – 12.1 – 12.4
ミドル持続戦。持続性能よりも瞬発力やキレ味を武器する馬なので、L5から押していったのはミスだったか。ここは度外視可能。
稍ピッチ走法で一瞬のキレに長けるタイプなので、福島記念の凡走は度外視できるが、基本的に持続力が求められる中京の舞台は少し違うか。
TSの持続性のはあまり高くないので、中京の舞台で外を回す競馬では厳しくなる。内をロスなく立ち回るのがマストな条件かと思う。
距離短縮踏まえても、外を回す競馬では忙しくなると思うので、出来るだけ内でじっと溜めたい。
良馬場は歓迎だが内側のバイアスにも当日注目はした方が良い。とりあえず内枠希望。
レッドガラン
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.1 – 11.8 – 11.1 – 10.8 – 11.7
スロー瞬発戦。勝時計がトリプルエースの走破タイムより0.5秒遅いのとメンバー見渡しても目立った馬もいなく、まずレベルは疑問視。その中で3着とは言え、立ち回りが上手いレッドガランにとっては強い3着というより拾った3着。やはり後半時計の掛かる条件で持続力を活かす競馬がベストか。
この馬の持ち味はストライド走法からくる持続性能。
サトノフェイバー、サトノアーサー、バイオスパーク、センテリュオとメンバーレベルが高い大阪城Sを勝ったように、TSの質が求められないタフな馬場で持続戦というのが一番合う。
立ち回りが上手く大崩れは少ないが、カシオペアSや新潟大賞典、メンバーレベルや勝ち時計疑問のリゲルSを取りこぼしているように、スピードが求められるとパンチ不足で足りなくなる。
中京の馬場がどうなっているか当日にならないとわからないが、ある程度スピードも求められると思うのでパンチ不足感はある。
ただ堅実さはあり大崩れしないタイプなので、3列目には抑えておくと思う。
また、この時期よく走るのは体調の関係もあるが、冬場のタフな馬場も味方していると個人的には思う。
ロードマイウェイ
12.2 – 11.0 – 11.4 – 11.6 – 11.6 – 11.5 – 11.4 – 12.1
ミドル持続戦。後方待機で外をスムーズに回し直線一気。上り時計33.7秒でピースワンパラディと着差0.2秒なら十分評価できるし馬は復調している。
大阪杯はスタート後に躓いて後肢を捻ったとのことで度外視可能。
2走前は休み明けマイナス台中の斤量59キロと仕方ないが、前走しっかり巻き返しての2着は評価。
トップスピードの質は足りないが、持続力を活かす競馬が持ち味で、中京のように道中徐々に加速し持続力が問われる舞台は合う。
中京だと金鯱賞で大敗しているが、これは出遅れ後方から3F瞬発戦になったので、持続力が持ち味のロードマイウェイでは届かないのが当たり前で度外視できる。
またストライドが広く揉まれ弱さも見せるので、内で包まれるよりも前走のように外でスムーズな競馬で持続力を活かせれば。
とりあえず中~外枠が理想。
4.展開と馬場
5.最終予想(印)
◎ 13エントシャイデン
〇 4ピースワンパラディ
▲ 10シュリ
☆ 6レッドアネモス
△ 16トリプルエース
抑 11.12.15.16
本命はエントシャイデン。妙味十分で外枠から溜まれば差し脚に期待できる。
対抗ピースワンパラディは内枠で本命回避。やはり包まれる影響で内枠の成績が落ちるここで人気なら本命のリスクは大きいか。
3番手のシュリは適性面は高いものの能力の裏づけ取れず3番手。
レッドアネモスは本質はここではないものの内枠大歓迎。内でロスなく脚を溜め一瞬の脚を最大に活かせる競馬が出来れば面白い。
トリプルエースの成長度は考慮しなくてはならないし、見解通りペースが流れれば1発ある。
その他抑えは3連系まで。